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枚方市議会議員の立場から考える地方議員の存在意義

こんにちは。
枚方市議会議員の松本佑介です。

市議会議員としての責務を全うするため、
「そもそも市議会議員の存在意義とは何か」
について、日々、自問自答しております。

今日は、私なりに考えた意見について、
有権者の政治的無関心と絡めながら
お話しさせて頂きます。


行政サイドの政治家、立法サイドの政治家

まずはじめに、
皆さまがイメージしている政治家の役割と
地方議員の役割が
あまりにも大きくズレてるといけないので、
少し整理します。

学校でならった「三権分立」
「司法・立法・行政」の話です。

政治家には、国会議員、知事、市長など、
いろんな種類がありますが、
三権分立の観点から言うと、
政治家は、
自ら施策を実施する
「行政サイド」との政治家と、
行政が提案する施策の是非を判断する
「立法サイド」の政治家に分けられます。

地方議員は地方議会を構成する一人として、
「立法サイド」に属しており、
知事や市長が提案する施策の是非を判断し、
イエス・ノーを判断することが
メインの仕事です。

つまり、
「行政サイド」に属する市長等と違って、
地方議員は、
自ら施策を実施することは出来ません

地方議員の役割

「じゃあ、地方議員の役割って何なんだ?」
そう思う方もいらっしゃるかも知れません。

地方議員の役割は大きく分けて3つです。

1.議案の議決

先ほど述べた、市長等が提案する施策に
イエス・ノーを表明する役割です。

2.行政の牽制

行政の仕事が正しく行われているか、
税金の使い道が正しいかを調べる役割です。

何かしらの疑義があったときに、
よく国会で追及している
アレなんかもそうですね。

3.施策の提案

施策を自分で行うことは出来ませんが、
行政に「こうやってよ。」と
提案することは出来ます。

ただし、あくまで「提案」ですので、
必ずしも行政が提案通りに
動いてくれるとは限りません。

実際のところ

以上の3つが、地方議員の役割なのですが、
実際のところ、行政マンはプロで、
ちゃんとした施策を作ってくれますから、
提出された議案が、
議会で否決されることは稀です。

また、行政の仕事や税金の使い道についても
そこまで変なことは頻繁に起きません。
(ときどきありますが・・・)

そこで、地方議員が力を注ぐのが、
「施策の提案」
です。

住民の代表として

多くの議員には、
自分を応援してくれる人たち
(以下、「支持母体」と記載します)
がいます。

議員を応援してくれる理由は、
「考え方に共感した」
「会ったときの人柄・印象が良かった」
「同じ地域・団体に所属している」
など様々ですが、
議員は支持母体の意見・要望を代表して
行政に伝えています

勿論、
「議案の議決」や「行政の牽制」の際にも、
支持母体の意見に沿って動いていますが、
最も議員の特色や支持母体の意見が
反映されているのが見えてくるのは、
やはり「施策の提案」です。

まさに、住民の代表として、
地方議員の役割を一生懸命遂行している…
はずです。

政治的無関心

ところが、地方議員が
こんなにも一生懸命、住民の代表として、
行政に要望を伝えているのに、
「政治的無関心」は
かなり根深いように感じます

「政治的無関心」の理由は、
「政治家は信用できないから」
「政治家が何をしているか分からないから」
「どうせ変わらないから」
など、色々あると思います。

地方議員は(他の政治家もそうですが)
「政治的無関心」を乗り越えるために、
自分の考え方や提案した施策等を
一生懸命SNSで情報発信していますが、
今時点では「政治的無関心」は
まだ解消されていないようです。

なぜでしょうか。

時代とともに変化した住民の期待

様々な方が様々な考えをお持ちでしょうが、
私は「政治的無関心」の理由は、
地方自治制度が整備された頃から、
地方議員に対する住民の期待が
時代とともに変化したからだと考えます

地方自治制度が整備された当初、
行政はまだ発展途上で、
地域住民の意見・要望を行政に届ける
地方議員の存在が
大きな意義を持っていました。

しかし、現代では行政の活動範囲や
情報収集力が向上し、
今や行政は地方議員を通さずとも、
相当、地域住民の意見・要望を
把握しています。

地域住民も地方議員を通さずとも、
気軽に行政に意見・要望を
伝えられるようになりました。

地方議員が果たしていた役割が、
行政と住民が直接つながることで、
相対的に価値が低下してしまったのです。

行政の能力が向上し、それに伴って、
地方議員に対する住民の期待が
変化しているにも関わらず、
地方議員が相変わらず、
自分の支持母体の意見・要望を伝えることに
主眼を置いている。

このことが、住民たちにとって、
「地方議員の仕事は興味がない」
という状況を招いてしまった
のではないでしょうか。

しかし、地方議員にとっては、
支持母体の意見・要望を行政に伝え、
支持母体の信頼を獲得することは、
選挙戦略上、極めて有用です。

これは選挙制度の考察の話に
繋がってくるので、
別の機会に書かせて頂きますが、

とにかく、

時代とともに変化した住民の期待に、
地方議員の活動がマッチしていないことが、
「政治的無関心」の一因ではないかと
推測します。

私が考える、住民の関心に合致した地方議員の役割

では、今の住民が政治家に期待する役割は
何でしょうか。

私は、「政治的無関心」の理由の一つである
「どうせ変わらないから」という声に、
手がかりが隠されていると考えます。

「どうせ変わらないから」

・・・そうです。

住民は、行政が「変わる」ことを
求めているのです。

お役所が前例踏襲型で、
変化が苦手な組織であることは、
皆さま何となくご存じだと思います。

私の感覚ですが、
役所の仕事の仕方や組織風土は、
民間の20年、もしかしたら30年ほど、
遅れているように感じます。

住民は、自分たちが受ける行政サービスから、
行政の時代遅れ感や行き詰まり感を感じ取り、
それらが変わっていくことを
望んでいるのではないでしょうか。

つまり、住民が地方議員に求める役割は、
自助努力で刷新することが苦手な行政に、
議会という“外圧”で刷新を促すこと
なのではないかと考えます。

この仮説が正しいかどうかは分かりません。

ただ、従来の地方議員の活動では、
「政治的無関心が解消できない」、

すなわち、
「住民の期待に応えられていない」、

もっと言うと、
「私が議員になった意味がない」、

と思いますので、少なくとも私は、
行政の仕事の進め方や組織風土を
今の時代に合ったものに変える役割を
担っていこう、
それが私が議員になった意義だ、

そう考えて
自分の役割を果たしていこうと思います。

私の考え方に賛同して頂ける方は
是非、スキをお願いします。

松本 佑介 @ 枚方を動かす新しいチカラ


最後まで読んでいただいて
ありがとうございます。

次に書く記事に生かしますので、
ご感想をお待ちしております。

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