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まな板を前にしてやれること|わたしの豊かさ#27

わたしが畑をし始めたのは2020年からでした。
身土不二という言葉や、環境や自然を意識するようになったのがその頃で、当時は東京に住んでいたので農地は少なく、シェア畑という民間企業が運営する貸し農園の一区画9㎡くらいの小さな面積を、アドバイザーの方の講習を受けたり、一緒にやって見せていただきながら勉強料兼ねて毎月1万円くらいで借りていました。

3年前、はじめて収穫した大根。都市農園らしく住宅地の中に畑がありました。

全く分からずに始めた畑の作業ですが、やればやるほど面白く、自然農の田んぼや畑をされている農家さんの講習を受けたり、実践と失敗を繰り返してまだ3年目です。
熊本へ移住してからは25㎡で500円という無農薬畑(東京の畑より広いのに地価は20倍以上差があります)を借りて、つい最近そこにプラス耕作できる土地を購入しました。(土地購入についてはまた別記事にしたいです^^)

熊本でご縁のあった面白い農家さんの畑にも何度もあそびに行かせていただいています。
山にある畑。土がすごく気持ちいいです。息子も思わず裸足です。

ちいさな畑のことやベランダ菜園についてはこれまでにも記事に書いてきたのですが、現在は狭い面積を駆使して野菜・果物・ハーブを入れて約20種類を育てています。自給率は5%満たない程度だと思います。
畑をする理由は、健康のため、少しでも自給したい、生産したいという意味付けもありますが、それ以上に楽しいから、おもしろいから、美味しいからということに尽きます。
そして、食卓に一品でも自分の畑で採れた野菜をつかった料理があるというのは、わたしにはとても感動的なことです。

東京で始めた当時はエコやSDGsに対する想いもありましたが前に記事で書いたように、エコを大義名分とするのではなく純粋な動機を大切にしています。それがエコを意識していたときよりも、自分には穏やかにマッチしていて行きつく先は意識せずとも、よりエコに繋がっている、と思っています。

そう思うようになった一つのヒントをくれたのが、料理研究家の土井善晴さん著『料理と利他』の一文にあり、それを引用させていただきご紹介したいです。

地球環境のような世界の大問題をいくら心配したところで、それを解決する能力は一人の人間にはありません。一人では何もできないと諦めて目先の楽しみに気を紛らわすことで誤魔化してしまいます。しかし大きな問題に対して私たちができることは何かというと良き食事をすることです。環境問題となるとco2を減らしてなど本当に大変な問題なのですが…(中略)料理をするというのは自然に触れる、さっきまで畑にあったものを使うとか。ただ食べるだけ、効率よく栄養摂取することだけ考えられてきたことが今の時代をゆがめてきたのです。まな板を前にしてやれることがあります

料理と利他/土井善晴 著書より

この文章が、当時のわたしのなにかを融解させるように響いて、ひとつの指針のようになっています。

畑と食卓が繋がっていて、まな板を前にしてやれることがあり、今日もちいさなちゃぶ台を賑わせるためにまな板に向かい料理をして、それが自分と家族の喜び、そして自分の豊かさに繋がっていると思います。

この記事は2023年の「豊かさ」に必要な8つのことの中の
4.なんでも手作りを補完する:野菜、果物を説明する内容でした。元になる記事はコチラ▼

次回は4.なんでも手作り#28【玩具、絵本】について書きます。

読んでいただき、ありがとうございました!


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