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1976年金沢生まれ、東京在住。渋谷系と文学部を経て雑誌編集、ライターなど。20代はカ…

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1976年金沢生まれ、東京在住。渋谷系と文学部を経て雑誌編集、ライターなど。20代はカフェのウェブサイト、ZINEの制作。30代前半から療養と快復を経験。40代なかば、テーマはセルフケアと解放。2024年、単身金沢へ帰ることに。お仕事https://fori.io/matonao

マガジン

  • 40代後半、金沢ひとり暮らし開始日記

    18歳から30年近く過ごした東京を2024年春に離れ、ねこ2匹を連れて郷里の金沢でひとり暮らしをすることになりました。やや持病あり。仕事で遠くへ旅立つ夫からの精神的自立や、さまざまな克服、回復の記録をつづります。

  • 呼吸と情景

    40代なかば、パニック障害だった私のセルフケアの記録。瞑想、料理、ファッション、住まい、クルマの運転、旅など、あらゆることを通して解放へ向かう道の途上。経済的に自立していなくても。

  • Archives

    過去にいろいろなところに書き散らした断片のまとめ。

  • 200字作文

    2020年よりInstagramで発表している短文のまとめ。

最近の記事

【58日目】 sick -これが金沢暮らしの現状

2024年4月23日(火) 24:穀雨 72:葭始生(あしはじめてしょうず) 石川県に一軒しかない、ドトール。 ここにいると、時空が歪んで、まるで何事もなかったかのように、東京にいるみたいだ。 蒲田に職場があり、大岡山の家に帰れば、猫がいて、夫がいる。 そんな当たり前の日々はもうない。 実のところ、私は金沢で、ちょっと映えた生活をしようと思っていたのだ。 世界から観光客が訪れる古都の中心部に住んで、 自分の好きなものだけに囲まれたひとり暮らし+かわいい猫たち。 東京よりず

    • 【53〜日目】 ちょっと書けなくなりました

      2024年4月18日(木)〜4月日() 24:穀雨 72:葭始生(あしはじめてしょうず) 父と車庫入れの練習をし、敷地面積上、想像以上に大変なことに呆然とする。 そして、クルマの練習も、何もかもが、自分にとって気が遠くなるくらいしんどいことを父にぶちまけた。 除霊問題が少しだけ軽くなった数日前から、もう強いお薬なしでは自分を保てなくなっていた。 もはや何がそんなに不安なのかもわからない。 ただ、なぜ私がこの街にいるのか、何のために生きているのか、夫婦とは何なのか、もう何も

      • 【43〜52日目】 塹壕と除霊の日々/おともだちができたのか

        2024年4月8日(月)〜4月17日(水) 24:清明 72:鴻雁北(こうがんきたす)〜虹始見(にじはじめてあらわる) ここで指す除霊が何であるのか、もう書きたくない。 (前回までの日記に少しあり) とにかく、部屋に霊がとりついているような、床下に死体が埋まっているまま生活しているような日々だった。 戦場に送られた兵士はこんな心境で生きているのだろうか。呼吸が深くできるわけがないし、私にとっては命の危険とまったく変わらない恐怖に常につきまとわれているに等しい。「これからどん

        • 【38〜42日目】 自宅で仕事はじめました/息もたえだえ生きています

          2024年4月3日(水)〜4月7日(日) 24:清明 72:玄鳥至(つばめきたる) 在宅での仕事が始まった。 前々職も在宅だったのでなんとかペースはつかめそう。 フリーランスになったが、今のところバイト時代となんら変わらず。請求書とかまだ作ったことないけれど… ただ、これからやっとプリンタを買い、Adobeを入れる。まだまだバタバタするなあ。 やはり途中で気軽にスーパーなど買い出しに行けるのが在宅のよいところ。 ようやく、お昼に最寄りのカフェ(図書館の中にあるベーカリーカ

        【58日目】 sick -これが金沢暮らしの現状

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          【34〜37日目】 クルマ、レコード、あまり書きたくないこと

          2024年3月30日(土)〜4月2日(火) 24:春分 72:桜始開(さくらはじめてひらく) noteあるあるなのですが、時間をかけて書いたものが消えてしまったので、ぐったり。 基本的にinstagramの再編集なので、こちらから数日間ご覧ください。 やっぱり自動の下書き保存に頼ってはいけない。 ここにはあまり書いていないが、実は精神的にけっこう参り始めている。 G問題。書きたくない。プロに相談、対策してもらっているが、すぐに結果は出ないらしい。 部屋でくつろげない。部屋

          【34〜37日目】 クルマ、レコード、あまり書きたくないこと

          【31〜33日目】 生まれた場所へ

          2024年3月27日(水)〜3月29日(金) 24:春分 72:桜始開(さくらはじめてひらく) 私よりはるかに大変なのは、異国で それこそ本当にひとりで、慣れない難しい仕事をしなければならない夫 健康でフルタイムで働けさえすればなんとかなると 健康を失った私は誰より説得力を持って言うことができるから 「何からどう逃げてもいいからどうか無事でいてほしい」 と伝えて、小松空港行きのバスを見送りました 香林坊のバス停で、夫と別れ 思わずそのまま裏道に入り、聖堂に向かった 長町の

          【31〜33日目】 生まれた場所へ

          【25〜30日目】 まあまあ元気になった私の金沢無職日記/本当の別れの日が来る

          2024年3月21日(木)〜3月26日(火) 24:春分 72:雀始巣(すずめはじめてすくう)〜桜始開(さくらはじめてひらく) 2024年3月21日(木) 荒天時は天気が変わりやすいので、けっこう晴れるという金沢パラドックス。週間天気予報を見ると絶望的でも意外とそうでもない。 家に閉じこもるつもりだったが、自転車で整骨院と喫茶店へ。こういうロードサイド型の純喫茶ってほとんど入ったことがなかったかもしれない。外は素朴だが中はかなりゴージャスで、かつ手入れの行き届いた喫茶遺産

          【25〜30日目】 まあまあ元気になった私の金沢無職日記/本当の別れの日が来る

          【20〜24日目】 仕事の話をして少し元気になる/絵を描いて元気になる/カーテンのダーニングと裾上げをして元気になる

          2024年3月16日(土)〜3月20日(水・祝) 24:啓蟄〜春分 72:菜虫化蝶(なむしちょうとけす)〜雀始巣(すずめはじめてすくう) 土曜の夕方、これから京都の大学に進学する甥っ子の送別のため、実家へ。 シェアバイクとバスを乗り継いだ。バスはなかなか来なくて、実に行きづらい実家。クルマなら15分もかからないのだが。 姉と甥っ子も、それはもういろいろあったようだが、私から見れば甥っ子はとても真っ当に育ったように思えた。希望だ、と思う。 寺の近くに住み、歴史学を学ぶそうだ

          【20〜24日目】 仕事の話をして少し元気になる/絵を描いて元気になる/カーテンのダーニングと裾上げをして元気になる

          【18〜19日目】 ようやく自転車を手に入れたが、少し後悔している話

          2024年3月14日(木)〜3月15日(金) 24:啓蟄 72:菜虫化蝶(なむしちょうとけす) よく行く金沢駅前の商業施設、フォーラス。 エスカレーターは、前の人に合わせて、エスカレーター、右に立ったり左に立ったりしている。真ん中に立つ勇気はない。 こちらに来て少し意外だったのは、OLさんがOLさん然とした服装をしていること。雪の日でも革のバッグにヒール。クルマ生活ならもっとカジュアルになるのではと思っていたが逆だった。歩かないからそういう服装ができるんだ。 東京で働いて

          【18〜19日目】 ようやく自転車を手に入れたが、少し後悔している話

          【15〜17日目】 はじめてトイレットペーパーをネットで買う/いま大田区は、わずかに遠くにある

          2024年3月11日(月)〜3月13日(水) 24:啓蟄 72:桃始笑(ももはじめてわらう) 小ぶりとはいえ、金沢駅のスーパーで、のどぐろ1パック100円。 スーパーの食材が東京よりはるかに安くてついつい買ってしまい、「一人暮らしになったらもう料理なんて絶対しない」といいながら、してしまう日々。 特に、カレイ(ナメタカレイのような大きなものではなく一尾食べられる種類)やハタハタ、めぎす、かわはぎが安い。アイスプラントも県内産だ。 私はこれまで、納得のいく味噌汁が作れたこ

          【15〜17日目】 はじめてトイレットペーパーをネットで買う/いま大田区は、わずかに遠くにある

          【12〜14日目】 カウンセリングを受けたらいきなりラクになった話/祈る役割

          2024年3月8日(金)〜3月10日(日) 24:啓蟄 72:蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)〜桃始笑(ももはじめてわらう) 暦とはうらはらの、寒い寒い日々。 今年は寒いらしい。 健保組合と提携している機関が石川県に一か所だけあったので、カウンセリングへ行く。 金沢駅近くのマンションの一室ながら、まるで実家のような空間。出迎えてくれたのは白髪のおばあちゃん先生で少々心配だったが、じっと話に聴き入ったのち、シャーマンの如くしっくりする言葉が天から次々と降ってきた。 なんと

          【12〜14日目】 カウンセリングを受けたらいきなりラクになった話/祈る役割

          【10〜11日目】 街と見知らぬ人に助けてもらう/魂の旅の途上

          2024年3月6日(水)〜3月7日(木) 24:啓蟄 72:蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく) 運転免許証の住所変更へ行くなどする。 ショートカットのために入った裏道は、どこを歩いても風情がありすぎて、これが自分の地元だなんて改めて信じられない。 何も感じなかったのか、高校生までの私は。 それ以前に、バスで犀川大橋を渡った時、白山連峰のあまりの美しさに驚かされた。 たとえ曇り空でも、やけにはっきり見える日があるのだね。  タテマチ通りの向こうにも涅槃(山々)が見える。 私は

          【10〜11日目】 街と見知らぬ人に助けてもらう/魂の旅の途上

          【4〜9日目】 突然鬱の大波がやってきた/私は、むき身になりたい

          2024年2月29日(木)〜3月5日(火) 24:雨水 72:草木萠動(そうもくめばえいずる) この時期の胸の苦しい感じは、一体何だったのか過ぎた今もわからないし、数日続く長い発作のようで、つくづく人の心理や意識の不思議を思う。 2月27日の火曜日夜、作家の安達茉莉子さんによる「オンラインむき身クラブ」に参加した。 夫と別居になって2日目、この日を無事に迎えようと、予約して励みにしていた。 この会自体はとても実り多きもの、心強いものだったのだけれど、 「果たして私は本当

          【4〜9日目】 突然鬱の大波がやってきた/私は、むき身になりたい

          【1〜3日目】 そして、それ以降の人生が始まった/「泉」と名のつく町から

          2024年2月26日(月) 24:雨水 72:霞始靆(かすみはじめてたなびく) 転入届を出した。「私本当に一人暮らしになったのか? 正気か?」とまだ思っている。 その後、はじめて最寄りのコンビニとスーパーにひとりで行った。それだけで何か緊張した。スーパーのポイントカードを作る。 徒歩3分圏内にスーパーが2軒あったこれまでの東京駅チカ生活。徒歩7分くらいの今のスーパーを「遠い…」と感じてしまう。 天気もおおむね悪いので笑、買い置き大嫌いな私にしてはかなり買い込んだ。なんでも

          【1〜3日目】 そして、それ以降の人生が始まった/「泉」と名のつく町から

          【あと0日】 夜を越えて

          2024年2月25日(日) 24:雨水 72:霞始靆(かすみはじめてたなびく) 近所の氏神様へお参り。 夫とともに暮らすのは、今日が最後。次は数年後になる。 あまりのことに、明日以降の人生の想像がつかない。 明日の夜はただただ「光る君へ」を観るのだ、私よ。 夫との最後のごはんは、那覇の珈琲屋台ひばり屋の辻さんが金沢に来るたび訪れるというおすすめのお店で。 新居からはクルマで10分ほど。 食べながら少し泣く。 ホタルイカをたくさんいただいた。黒文字のドリンクに驚く。家でも

          【あと0日】 夜を越えて

          【あと3日】 猫2匹と陸路480km引越しの日

          2024年2月22日(木) 24:雨水 72:土脉潤起(つちのしょううるいおこる) 4時45分起床。 引越屋さんが来る7時前、私は猫たちに安定剤を飲ませ、夫はレンタカーを借りに行く。 3時間半にわたる大変な搬出。11時近くになってようやく部屋と大岡山に別れを告げる。 大好きな八ヶ岳方面をかすめ、諏訪湖を右に、松本からものすごい山道へ。 雪、ダム、猿。トンネルを抜けると濃霧。生きた心地がしない。何度も発作を起こしかける。なんか新宿行きたいな、目黒とか大井町とかもうとんでもな

          【あと3日】 猫2匹と陸路480km引越しの日