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【25〜30日目】 まあまあ元気になった私の金沢無職日記/本当の別れの日が来る

2024年3月21日(木)〜3月26日(火)
24:春分 72:雀始巣(すずめはじめてすくう)〜桜始開(さくらはじめてひらく)

2024年3月21日(木)
荒天時は天気が変わりやすいので、けっこう晴れるという金沢パラドックス。週間天気予報を見ると絶望的でも意外とそうでもない。

家に閉じこもるつもりだったが、自転車で整骨院と喫茶店へ。こういうロードサイド型の純喫茶ってほとんど入ったことがなかったかもしれない。外は素朴だが中はかなりゴージャスで、かつ手入れの行き届いた喫茶遺産だった。
若い頃はまったく中をイメージできなかったようなお店に、プリンアラモードを求めて老いも若きも集っている不思議よ。

有松「ノバール」
外観は素朴なのだけれど、中はかなりのゴージャス喫茶遺産。また来ます

金沢に来てそろそろ1か月。「みなさん! 仲良くしてください! どうかおねがいします!!」というハイな状態は終わった感がある。無理に金沢に根づこう、一人で生きなきゃと思うとしんどい。毎日でも夫と連絡取って、ここは一時避難所と思って暮らしてもいいんだ、というスタンスを、心の片隅に置くようにしている。

2024年3月22日(金)
クリニックとカウンセリングのため、昼前からバスで金沢駅方面へ。
商品券があるので、フォーラスの「ぶどうの木」でランチ。地元チェーンも貴重だ。

サラダバーにスイーツもあり。アイスしこたま食べた

カウンセリングはカウンセラーさんの自宅にて行なっている。ふたたび実家のようなマンションの一室に足を踏み入れてほっとする。この感じはどうしたら出るのか。私の部屋にも欲しい要素だ。ドライフラワーがいっぱいある。

母と同い年のカウンセラーさん。とてもおしゃれなおばあちゃんだ。きょうは真っ赤なタートルネックに花柄ジャガードのようなスカート。
正直、いちばん悩んでいたことは前回のカウンセリングで話してすっきり解決してしまったので、今日は話すこともなさそうだな、と思っていたが、話してみれば、いろいろ明るみになった。

「余りの末っ子」人生の私。誰からも期待されず当てにもされず自由に生きてこれたが、役割がなさすぎるという辛さも大きく抱えているのだとわかった。加えて、いまはがんばって生計を立てなくても生きていける。器用貧乏。そのため、まわりからは羨ましがられ、贅沢な悩みだと思われる。
「久しぶりに絵を描き、ミシンを使った」という話をした時の私は輝いていたそうだ。

ようやく澄んだ青空が見えた。気温は高くないが、風はなく穏やか。
此花公園のベンチで休む。
やっと、大変だった今年の冬が去ったのか。

良品週間でちょこちょこ買って帰る。軽い気持ちで買ったコットンのランチョンマットがヒットで、テーブルにずっとひいている。なんとなく、上に何を置いてもテーブルがサマになるようになった。

2024年3月23日(土)
注文の品がいろいろ届いたため、汗だくになりながら部屋のあれこれをする。

まず大変だったのが、キッチンに貼るために買ったタイル模様の壁紙。
フェイクは好みではないのだが、どうにも真っ白で窓もないキッチンが寒々しく、寂しかったのだ。綺麗なんだけれども。
広い面積をいっぺんには貼れないとわかったので、何分割かし、切れ目がわかりにくいようにつなげて貼る。高い場所だし椅子にのぼって手を伸ばしっぱなし。大変。

それを貼り終わった頃、待ちに待ったリビング用のカーテンが届く。
遮音、断熱効果のある裏地と組み合わせてセッティングする。仮でかけていたカーテンを寝室に移動させる。これもまた大変。

リビングのカーテンの色合いなどを見て、今度は寝室の遮光カーテンを注文する。今はまだ前の部屋で使っていた、長すぎるカーテンをかけている。
この日はコンビニに行ったくらいで、ほとんど外出もせず、人と話すこともなかった。

before
after お天気が全然違うのでアレだが…

2024年3月24日(日)晴れ
水曜から、渡航直前の夫がこちらへ来る。そろそろ買い出しなどが必要なので、リニューアルしたばかりの近所のスーパーへ行き、保存のきくものを買う。

その後、前から行ってみたかった、まあまあ近くのキャラバンサライ(金沢のコーヒー専門チェーン)へ行く。店内でデカフェが飲めるということで期待していたが、カフェスペースはそんなにくつろげる感じではなかった。また、以前あったケーキセットは今はないとのこと。残念。
ただ、デカフェはとても美味しかったので、豆をひいてもらって買う。パンチを重視したスタバのデカフェなどと違い、浅煎りでフルーティーなのに、薄くない、しっかりとした味の貴重なデカフェだと思う。

2024年3月25日(月)雨のちくもり
月に一度だけの、近所の神社での古紙回収の日。
時間も場所もよくわからないまま朝7時ごろにダンボールを抱えて行ってみる(最近異様に早起きなので平気だ)と、すでにダンボールが少し出されていたので助かった。こんなに早く行かなくてよかったのかもしれない。ううむ。
朝の用水にはカモが2羽いた。うれしい。洗足池を思い出す。

日中は見かけたことがなかった

きのう買いきれなかったものを買いに、近所のスーパーへ再度行く。野菜の品揃えがいまひとつで残念。リニューアル工事中に通っていた少し遠いスーパーのほうが、地元の野菜がいっぱいあってよかったな。お惣菜は充実したけれど。
お昼のために天ぷら、夜のためにお刺身を買う。今日はこれでじゅうぶん。

午後、訪問看護の人が来る。こちらでは私のような軽度の疾患でも、気軽に利用できる体制が整っているらしく、医師が紹介してくれた。
といっても、私が必要としているのは、訪問よりも、夜発作を起こした時などに看護師さんに電話連絡ができるシステム。これは、実際に利用しなくても、すでに大きな心のお守りになっている。
看護師のIさん、動物好きなので、うちへ来ると猫がいて喜んでくれる。

生理がはじまって眠い。部屋もようやくかなり整ってきたので、これからどんなふうに時間を使っていこうかと思う。
というわけで、インスタに溜めていた文章をこのnoteに活用する作業をやっている。絵のつづきも少しやってみる。少しずつ。
夫から預かったCDの中から、中園みなみを聴く。

2024年3月26日(火)雨
金沢でもこれだけ終日、やみ間なく降り続けるのはめずらしい。
私がこちらへ来てからも初めてかもしれない。

5時すぎに猫に起こされる。6時間ちょっとしか眠っていないのでもう少し眠りたかったが、二度寝できず。6時からの瞑想のクラスに参加する。最近ずっとこんな感じ。
生理でだるい。ゴミを出した後は、ゆっくり朝食をとり洗濯をする。
明日の朝、夫が金沢に来る。
初日は家でゆっくりしてもらおうと思い、夫の好きな料理の仕込みをする。
「食べればコロッケ」、いわゆるスコップコロッケというものを作る。
本当はグリーンピースを入れたかったのだが、手に入らなかった。冷凍でもなかった。残念。かわりにお肉とコーンをたくさん入れる。

ほか、自分が今日食べる用を兼ねて、味噌汁、にんじんラペをつくり、菜花を茹でる。
ふだん自分ひとりのためにする料理よりは手がこんではいるが、あれこれ家事を並行しつつ作っていたら、出来上がったのは15時半。つくづく、私は料理がしんどい。だって一日つぶれるんだもの。

(ただ、もし私が夫とともに渡航し、専属料理人とならざるをえないのなら、案外私はできる気がする。何事も仕事であれば、かえって苦ではなくなるタチなのだ)

鳴いてさわぐミヨの相手をしばらくする。ミヨ、ふみふみする。ようやく最近、またふみふみをしてくれるようになった。
夫に会えるのはうれしい。が、悲しい。だって、2泊3日の後は、8か月会えないのだ。猫を撫でながら泣く。
8か月だよ。いままで会わなかった最長が一か月半だったというのに、8か月だよ。
大海原にほおりだされるかのよう。まだ仕事も始まっていない、クルマもないというのに、どうやって日常を作っていったらいいのさっぱりかわからない。こんなむちゃくちゃなことが人生であっただろうか。そう思うのは、やっぱり私が健康ではない、病人としての人生を歩んでいるからなんだろうか。

でも、そのために私は金沢へ来たのだ。せめて家族が住んでいるところ、と思って。今はまだ、意味なくおためし別居をしているだけなのだ。

こちらへ来てよかった、悪かった、正しかった、間違いだった、そんな結論は出るのだろうか。案外すぐ出てしまったりするのだろうか。それはそれで困る。

日が暮れるまで、デスクに向かい、キャンバスで絵のつづき。
簡単に色を塗っただけの絵を1枚描きあげる。拍子抜けするくらい簡単だった。悪くない、が、もうひとつ、とも思う。キャンバスに描けばもう少し雰囲気が出ると思っていたなあ。
きれいなブルーグレーが出せなかった。難しい。まあ、でも、たぶん上出来なのだろう。



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