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記事一覧

【パリ行ったことないの】 山内マリコ

本を閉じて眠りに落ちると、当然のようにかなりの頻度で、あゆこはパリの夢を見た。行ったこともないのに。夢の中では細部まではっきりと、そこはパリなのだ。目醒めたとき…

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10か月前

【2020年の恋人たち】 島本理生

初対面のときに青が似合うと言った瀬名さんの言葉を思いだす。瑠衣は美術部だったこともあって色使いに敏感なのは分かるけれど、男性に言われたのは初めてだったかもしれな…

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10か月前
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【冷静と情熱のあいだ】 江國香織

夕方のお風呂は、自分がきちんとした社会生活をしていないことを思い知らされるので好きだ。 p32 所有は最悪の束縛だもの。 p52 帰る場所。人は一体いつ、どんなふ…

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10か月前

【女のいない男たち】 村上春樹

人と人とが関わり合うというのは、とくに男と女が関わり合うというのは、なんていうか、もっと全体的な問題なんだ。もっと曖昧で、もっと身勝手で、もっと切ないことだ p…

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10か月前
1

【不倫】 パウロ・コエーリョ

やきもちを焼かないことは、互いへの愛が足りないせいではないかと思ってしまう。  p10 あなたが人生を選ぶのではなく、人生があなたを選ぶのだ。そこに用意されてい…

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10か月前

【蘇る変態】 星野源

世間が「あんた曲がった考え方をしてるね」と言う時は大抵、思考が曲がっているのではなく自分の中の「真っすぐの考え」が周りの「真っすぐの考え」とズレているだけなのだ…

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10か月前
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【夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです】 村上春樹

僕たちはいつも、たがいにすれちがっています。相互に理解し合うことはできますが、一般的に言って、距離は残る。交差し別れながら、前進を続け、出会いの素晴らしい記憶と…

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10か月前
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【パリ行ったことないの】 山内マリコ

本を閉じて眠りに落ちると、当然のようにかなりの頻度で、あゆこはパリの夢を見た。行ったこともないのに。夢の中では細部まではっきりと、そこはパリなのだ。目醒めたときに足の裏に、バレエシューズで石畳を歩いた感触がたしかに残っている。
p11

そしてあのころ自分が想像していたような”将来”とか”未来”なんて、結局どこにもなかったんだなぁと思った。あるのはただ、”現在”のみだ。
p147

いまから考える

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【2020年の恋人たち】 島本理生

初対面のときに青が似合うと言った瀬名さんの言葉を思いだす。瑠衣は美術部だったこともあって色使いに敏感なのは分かるけれど、男性に言われたのは初めてだったかもしれない。必要な服を畳んで段ボール箱にしまいながら、このままがいいな、と口の中で呟く。どうして男女は触れた途端にすべてが違ってしまうのだろう。
p85

「別れの言葉が言えることは、幸せなのかもしれないね」
p254

出会って別れて、別れてまた

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【冷静と情熱のあいだ】 江國香織

夕方のお風呂は、自分がきちんとした社会生活をしていないことを思い知らされるので好きだ。
p32

所有は最悪の束縛だもの。
p52

帰る場所。人は一体いつ、どんなふうにして、それをみつけるのだろう。眠れない夜、私は、人恋しさと愛情とを混同してしまわないように、細心の注意を払って物事を考えなければならない。
p219

【女のいない男たち】 村上春樹

人と人とが関わり合うというのは、とくに男と女が関わり合うというのは、なんていうか、もっと全体的な問題なんだ。もっと曖昧で、もっと身勝手で、もっと切ないことだ
p47

若いときにはそういう淋しく厳しい時期を経験するのも、ある程度必要なんじゃないかしら? つまり人が成長する過程として。  
p100

恋をするというのはそもそもそういうことなんです。自分で自分の心がコントロールできなくなり、理不尽な

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【不倫】 パウロ・コエーリョ

やきもちを焼かないことは、互いへの愛が足りないせいではないかと思ってしまう。  p10

あなたが人生を選ぶのではなく、人生があなたを選ぶのだ。そこに用意されているものが喜びであろうと悲しみであろうと、それはあなたの理解が及ぶものではない。ただそれを受け入れ、前に進むしかない。どんな人生かを選ぶことはできないけれど、そこにある喜びや悲しみをどうするかを決めることはできる。 
p103

世界のだれ

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【蘇る変態】 星野源

世間が「あんた曲がった考え方をしてるね」と言う時は大抵、思考が曲がっているのではなく自分の中の「真っすぐの考え」が周りの「真っすぐの考え」とズレているだけなのだ。  p22

人はどこから来てどこへ行くのかという問いはベタではあるけど永遠の謎で、答えは死んでみないとわからない。けど死んだら無になるから結局わからない。答えは出ないので考え続けるしか、生き続けるしかない。それは、ものづくりも一緒だ。答

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【夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです】 村上春樹

【夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです】 村上春樹

僕たちはいつも、たがいにすれちがっています。相互に理解し合うことはできますが、一般的に言って、距離は残る。交差し別れながら、前進を続け、出会いの素晴らしい記憶とともに生きつづけるんです。  p175

小説を書くことは、夢を見ることに似ているのかもしれない。それは現実には起こっていないのだけれど、それを見ているときには、その人にとっては、その夢の中の出来事は、実際に起っているのです。  p185

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