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人材採用と育成方法

会社のトップは社長ですが、
飲食店のトップは店長です。

店長がスタッフを採用して、戦力に育てていくわけです。
もちろん飲食店に限らず、通常の企業でも同じです。

よく、利益のピラミッドが、引き合いに出されますが、

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この図を基にして、店長教育をしている会社、多いです。
でも、間違えじゃありません。

でも、ピラミッドの上の方の説明にばかり、重点を置きすぎていています。

スタート地点となる、最も大事なスタッフィング(人材採用)は、ものの2~3分の説明で終わってしまっています。

だから、店長も応募に来た人を、即採用してしまいます。

1ヶ月くらい頑張って、教育し終わったころ、辞められてしまい、また募集をする。の繰り返しで、QSCどころか、人材不足に陥るお店がなんと多いことでしょうか。


僕の経験を例に、募集と初期トレーニング方法を公開します。
参考にしてもらえると嬉しいです

因みに、これ自慢なんですが、店長在任中に、僕の採用したアルバイトは、卒業を除いて途中で辞めた人は、1人だけです。
その1人も辞めたというか、3日で辞めてもらいました。なので、実質0人です。
なぜ、こんなにも離職率が低いのか?
ポイントは面接方法と、最初の出勤日です。


本題に戻ります。

先ず採用方法ですが、僕は持ってきた履歴書を満遍なく見ます。
見るといいても、履歴書で注目していた個所は、その内容ではなくて、おもしろいところ(笑いにできる箇所)は無いか探してました。
芸能人と同じ名前とか、笑える志望動機、字が汚い、などの突っ込みポイントを探します。

「芸能人と同じ苗字だけど、親戚なの?」
「志望動機が彼女を見つけるためって、俺と同じじゃん」
「字がきれいじゃないけど、電車の中で書いたの?」

最初の一声は、こんな感じで始めます。
すると、相手の自然な笑顔が見られます。
この笑顔が採用するかどうかの決め手となります。

僕はこの時点で採用か不採用か決めます。
他の質問はほとんどしませんでしたし、可能な勤務時間も、相手が言うまで聞きません。

採用を決めても本人にはすぐには伝えず、「ほかにも面接する人がいるので」と告げて、半日~1日は、時間をおいて連絡します。

ダメ店長は、即決しなければ他の店に取られてしまう。と心配して、その場で採用してしまいます。実はそんな心配、全く問題ありません。

最初の笑顔で、採用を決めた人には、少しだけ店のルール、待遇、時給の上げ方などを混ぜながら、雑談をします。店が暇だったら、既存のスタッフを交えることもあります。

そうすることで、アットホーム感や、働く安心感を与えます。仮に他店で採用が決まっても、最終的にうちを選んでくれます。

だって、大概の店は、面接時に、いつから働けるのか?何時から何時まで?何曜日?土日は働ける?しか聞いてきませんから。

もちろん、最初の笑顔でNGだった人の面接は、「ごめんなさい、もう決まっちゃいましたので」と言って、そこで終了です。

ものの1~2分でお帰り願います。

お互い時間節約の為にも、不適格な人に、無駄に時間を使うことはないです。

さて、
採用した人の最初の勤務日ですが、
ユニフォームはもちろん、名札、爪切り、バンドエイドを準備しておきます。女性の場合は髪止め用のゴムも用意しておきます。

そして大事なのは、ジュースを1本用意しておきます。

通常メンバー+1でシフトに組み込みます。
出勤して、着替えが終わったら、その日の既存スタッフに紹介してあげます。

ここからが重要なのですが、本人の希望通りフロア希望ならばフロアの隅に、キッチン希望ならばキッチンの隅に立ってもらいます。

「ほかの人の作業を見て、自分がやりたいと思うポジションを考えてね。決まったら教えて。」とだけ言って、放置します。

大体、15分くらい経つと、何か手伝おうとします。

僕はすかさず、
「いいのいいの、手伝わなくて。やりたいところ決まった?」
「まだです。」
「じゃぁ、もう少し見てて」また放置します。

平均して30分くらいでしょうか、
「料理運ぶのやりたいです」
「揚げ物の所やりたいです」などと、告げてきます。

そのタイミングで、やりたいと言ったポジションに入れてあげます。

元々プラス1でシフトを組んでいるので、教える方も丁寧に教えられるし、万が一、混雑してきたら、既存のメンバーだけで回すこともできます。

本人も黙々と作業を見た後で、
「やりたい」
と言って始めたポジションなので、
興味も沸いて覚え方がとても速いです。

早い子だと、3日目には一人でそのポジションを回せるようになります。

僕も店長としてコストを削りたいので、本人にあらかじめ「3日目からは一人で、そのポジションをやらせるからね。しっかり覚えてね。」と言っておきます。

既存スタッフの教育係にも同じことを言います。「2日間で一人前に出来るような教え方をしなさい。社会に出た時に、役立つスキルになるから身につけなさい。」と。

駄目な店長は、新人を洗い場や、お客さんが帰った後の片づけ(バッシング)をやらせてしまいます。

洗い場やバッシングなどは、おそらくマニュアルがと思います。

マニュアルの無いポジションを新人が作業するには、非常に苦痛です。

教える方も基準が無いから、自己流に教えてしまうし、また、教える人によって、やり方が異なっていたりして混乱を大きくします。

それ以外のポジションは大体どの店もマニュアルがあり、その基準通り教える事が出来ます。

店長は、教えている口調や、順番などをチェックしてさえしていれば、既存のスタッフで十分現場教育が出来ます。

よく考えてください。
新人は初日が最もモチベーションが高い状態です。
それなのに、洗い場や、片づけ作業をやらされるのは本意じゃないと思いませんか?

しかも目立たないポジションです。

フロアならばお客さんとの接触が一番少ないポジションであり、当初高かったモチベーションは、ダダ下がりです。


仕事が終わる10分くらい前に、新人を呼んで、ちょっとしたミーティングを行います。

そこで、「ジュース飲む?」と言って、
用意しておいたジュースを渡します。

「どうだった?疲れたでしょ?あいつ(教育を担当したスタッフ)の教え方理解できた?」と聞きます。

内容はどうあれ、簡単に雑談をしながら、「次の勤務いつ来れる?」と、聞き出します。

初出勤日だけ決めておいて、後のシフトは、まだ組み込んでません。ここで聞き出して、今後のシフトを目の前で組み込みます。

ダメ店長の場合は、新人が来る前から1~2週間分のシフトを既に組んでしまいます。新人が辞めてしまったら、またシフトを作り直します。

無駄な作業ばかりで、疲れてしまいます。


僕は、このような方法を始めてから、実質離職率を0にできました。飲食店に限らず、離職率高い職場は、だまされたと思って、試してみてはいかがでしょうか。


ありがとうございます。100円で、6本増やせます。 あ、増毛の話です。