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レモンのイメージは真夏だけど旬は秋冬

前回、スイカの旬について述べています。

今回はレモンにします。
レモンの旬は秋冬なんです。(本当)

レモンには真夏のイメージがある

レモンには真夏のイメージがあります。

けれども、イメージに過ぎません。
野生のレモンの旬は秋冬です。
レモンもミカンと同じ柑橘類なんです。

真夏に売られているものはハウスレモン。
温室栽培で調整したものなんですね。

※ハウスレモンは真夏に出荷するために栽培されているので、良いも悪いもありません。

ただ、旬は秋冬なのに、イメージは真夏ですね。
しかも夏真っ盛りの真夏のイメージです。
何故でしょうか。

イメージは1986年(昭和61年)から

少し調べてみました。
イメージは1986年(昭和61年)からのようです。
以下の記事が参考になりました。

返す返すも1980年代半ばというのは、人々と酸味の付き合い方のターニングポイントだった。酢大豆が流行り、「食べる酢」から「飲む酢」への転換が起きた〝第一次お酢ブーム〞のまさにそのとき、もう一つの甘酸っぱい「飲む」ヒット商品も生まれていた。

それは、1986年(昭和61)にサントリーが発売したレモン果汁入り清涼飲料水「はちみつレモン」だ。

上記リンクより筆者引用。原文は下記参考書籍。

戦後どころか、昭和末期からなんですね。
昭和末期から平成初期にかけて、便乗した商品が出ていたようです。

そんな便乗商法が長く続くわけがなく、バブル崩壊の足音が聞こえてきた1991年(平成3)にブームは沈静化。はちみつレモンブームは、バブル期に食品業界で起きたお祭り騒ぎだったのかもしれない。

ブームが去ったあとに残ったのは、レモンへの好印象だ。以来、レモンを使った商品はたびたび話題になっている。

同上。

その背後には国産レモンの復調がある。国産レモンは1964年(昭和39)の輸入自由化で打撃を受けたが、1975年、輸入レモンに日本で禁止されている防カビ剤が検出されたことを機に国内生産が再開され、生産量は徐々に回復していった。

同上。

1975年に画期があったようですね。

けれども、国産レモンであれば秋冬のはずです。
「こたつにミカン」のように「こたつにレモン」としたほうが、温室でないレモンが売れるはず。

けれどもレモンは夏のイメージです。
ミカンは冬のイメージなのに。
レモンに冬のイメージがある人はいますか。

見た目と味

著者の澁川さんはこう述べています。

酸っぱければ酸っぱいほど、効き目がありそうな気がする──つまり、酸味が健康とリンクし、健康のイメージからビタミンCも混同され、レモンがありがたがられているということだ。

同上。

レモン神話を生んだ源が酸味にあるという(植物学者の)塚谷(裕一)の指摘に賛同しつつ、加えてもう一つの要素を挙げてみたい。それはレモンイエローと呼ばれる、あのあざやかな黄色である。

上記リンクより筆者引用。原文は下記参考書籍。
括弧内筆者。

ビタミンCが豊富な酸っぱい果物といえば、レモンのほかにもビタミンC含有量ナンバーワンのアセロラや、1997年(平成9)に本格的に輸入が始まったアマゾンのスーパーフルーツ、カムカムなどが浮かぶ。でも、それらはみな赤い。赤は完熟した果実を連想させるため、甘さをイメージさせる。対して黄色の明るさは、若さやフレッシュさを思い起こさせ、酸っぱさと結びつきやすい。

あざやかなレモンイエローとさわやかな酸味、つまり見た目と味とがぴったり重なるからこそ、レモン神話が定着したのではないか。そしてそれは、広告がカルチャーとしてもてはやされた1980年代を通じ、さらに強固なイメージとなっていったのだ。

上記リンクより筆者引用。原文は下記参考書籍。

あざやかなレモンイエローとさわやかな酸味が、真夏のイメージであるから、なんですね。

見た目と味の話なのか、と思いませんか。

桃と葡萄の旬は夏後半

思い当たる節があります。

桃と葡萄の旬は夏後半です。
けれども、あまり夏のイメージがありません。

完熟した甘い果物だからです。
酸味が強い桃や葡萄は好まれません。

梨もそうです。
香水が先、二十世紀梨が後です。
けれども色のイメージでは前後が逆ですね。

レモンは色と味のイメージだけで真夏を代表する果物になっているのです。
野生は秋冬なのに。

悪い話ではない

ただ、悪い話でもないのです。

レモンの酸味はビタミンCの正体ではないのですが、クエン酸です。
真夏日や猛暑日などにクエン酸を摂取するのは、悪い話ではありません。

大根もそうです。
根菜類の旬は冬です。大根も旬は冬です。
けれども、大根おろしでサッパリと食べるのは、悪い話ではありません。

大根は、ビタミンCの宝庫だからです。
大根でビタミンCの結晶化が試みられていたぐらいですからね。

植物学者の塚谷裕一は『果物の文学誌』(朝日新聞社、1995年)で、おもしろいことを述べている。世界の化学者たちがビタミンCを取り出そうと格闘していた同じ頃、日本でも慈恵医大の永山武美は柑橘類やダイコンから、また日本初の女性農学博士である辻村みちよはダイコンのしぼり汁や夏ミカンから、ビタミンCの結晶化に挑んでいた。

そして、もしこれが先に成功していたら、「『これ一錠にダイコン30本分のビタミンC!』/などという宣伝文句となっていたかもしれない」というのである。

同上。

真夏はビタミンCが不足しがちになります。
ビタミンCが水溶性なので、汗と同時に排出されるからです。

レモンも大根も旬は秋冬ですが、汗でビタミンCが不足しがちになるので、夏も摂取しましょう。

人体はビタミンCを生成出来ませんからね。

参考リンク

参考リンクを再掲します。

参考図書

参考リンクの原文はこの書籍です。

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