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【2024年8月】最近読んだ本のご紹介

もうお盆も過ぎてしまいましたね。ようやく8月最初の投稿です😅

今回は4冊取り上げたいと思います。

難しくて絶望した本もあり、初めてなのに懐かしさを感じる本ありと、感情がぐらぐらと揺さぶられた本たちです。

それではどうぞ。


📖レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』新潮文庫

🔖心に残った一節
わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

「わたしは、ものごとを不思議に思うことを忘れてしまったのかもしれない」

この本を読んで、わたしは焦りにも似た悲しい気持ちを抱きました。

センス・オブ・ワンダーとは、「神秘さや不思議さに目を見はる感性」のこと。

この本は、センス・オブ・ワンダーを持っている子どもよりも、わたしのような大切な感性を忘れてしまっている大人に向けた、レイチェル・カーソンからの手紙なのではないでしょうか。

本当は「感じる」ことが大切なのに、つい「知る」ことに逃げてしまったり、本当は不思議に思っていることもあるのに、簡単にスルーしてしまっていたり、そんな自分は何かもったいない生き方をしているのかもしれません。

答えをすぐ求めるのではなく、不思議なものを見つけて、「不思議だなぁ」としばらくたたずむ自分がもっとあってもいい。

どこか冷めてる大人を少し子どもに戻してくれた一冊でした🍀

晩年にこの作品を残してくれたレイチェル・カーソンに感謝です。

また、この新潮文庫版に掲載されている、福岡伸一さん、若松英輔さん、大隅典子さん、角野栄子さんの寄稿文はどれも大変素晴らしく、一読の価値ありです🌟

📖ドミニク・チェン『未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために』新潮文庫

🔖心に残った一節
わたしたちは、互いのクオリア(主観的に立ち現れる感覚意識体験)の最大公約数となる言葉に思いを託しながら、かろうじて会話を行っている。

はじめてドミニク・チェンさんの本を読みました。

読み始めから、見識の深さと文体の美しさを感じ、クラシックを聴いてるかのような読書体験でした🎶
(特にクラシックを普段聴いているわけではないですが笑)

「わかりあえない他者と共に在るとはどういうことか」という普遍的なテーマについて、言葉の限界を考えながら、それでもあきらめず関係性をつむぐことの尊さを感じさせてくれます。

言葉は、個々の感覚の最大公約数でしかない。

言葉を最大公約数と表現するセンスが素晴らしい!

そういえば、RADWIMPSに「最大公約数」という曲があったなと思い出して歌詞を見てみました。

(歌詞から抜粋)
「何を与えるでもなく 無理に寄りそうわけでもなく
つまりは探しにいこう 二人の最大公約数を
声にならぬ想いは 無理に言葉にするでもなく
いつか僕も分かる時 まで…」

そうか、すでに野田洋次郎がこの世界観を言葉にしていたのか。。。
RADはやっぱすげーや。

📖ルトガー・ブレグマン『隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働』文藝春秋

🔖心に残った一節
図太くなることだ。人が語る常識に流されてはいけない。世界を変えたいのであれば、わたしたちは非現実的で、無分別で、とんでもない存在になる必要がある。

現代人はどうしたらもっと働かなくなるのか。

最近本気で考えていることです。

そんなときにちょうど積読されていた本書を開き、著者の力強いストレートな文章を読んで、ひたすらうなづくことばかりでした。

個人的にベーシックインカムはあった方が良いと思ってますが、受け取る側の意識の変化も大切だと感じます。
ただ「お金がもらえるラッキー」と思うだけでは世の中は変わらない。

デヴィット・グレーバーが言う「クソどうでもいい仕事(ブルシットジョブ)」が、なかなか無くならない現実。
これ以上働き続けたら、地球がもたないというのに。
それに加担している自分も自分。

そんな世の中で、「とんでもない存在」は何を考えるのか。

問われるのは世界を観る想像力ですね🌍

📖岩内章太郎『〈普遍性〉をつくる哲学 「幸福」と「自由」をいかに守るか』NHKブックス

🔖心に残った一節
〈私〉の自由と他者の自由が支え合う仕組みを考える。複数の自由な存在が、自由の意識を互いに補完する相補的関係に至ることができれば、自由であることはそれほど居心地の悪いものではないだろう。

〈普遍性〉という言葉に惹かれて読んだものの、読後の素直な感想は「完敗」😓
それぐらい今の自分には内容が難しくついていけなかったです。。。

ただ気になって付箋貼った箇所だけもう一度読んでみると、あら不思議、意外とわかるかもしれない。そして納得度も高い。

〈普遍性〉、つまり、世の中には絶対的な善的幸福があって、人間はそれを求める自由を持っている、そして、その精神でいれば、周りに振り回されることなく自分の自由もみんなの自由も守ることにつながるんだよね、ということだと理解しました。

この考え方は、最近触れたアリストテレスの哲学とも通ずるし、何より人間は自由のために学ぶし、幸福のために生きてるんだという、私自身の読書エネルギーの源泉に立ち戻らせてくれる良本でした!

なお、私は、1回目はがーっと読み進めて気になったところに付箋はる、時間置いて今度は問いを立てて付箋貼ったとこだけ読み進めて本のエッセンスを受け取る、という読み方にたどり着いてます。

難しい本を読んでいるとその時は沼にはまっている気持ちになりますが、一読後全体を削ぎ落として、付箋貼ったポイントだけ読んでいくと、「そういうことかー!」とわかったりするから、結構おすすめです🌟

以上4冊でした。この中で夏休みのお供になる本があれば嬉しいです。

読んだ本はインスタでタイムリーに紹介しているので、もし興味ある方はぜひフォローしてください😁

〈instagram〉
https://www.instagram.com/masaki.tomaru/

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