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Drive!! 【2章】 (ボート X 小説)

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大学のボート部を舞台にした小説です。(第2章#22〜#45)
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2021年8月の記事一覧

Drive!! #44 ボート X 小説

レート28を指定したが、先ほどまで高レートで漕いでいたので、後ろのクルーが突っ込みがちに漕…

まさき
2年前

Drive!! #43 ボート X 小説

川田は頭の中で、残り時間で実行可能な一番有効なメニューを素早く計画した。 *** まずはさっ…

まさき
2年前
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Drive!! #42 ボート X 小説

不安そうにエイトのストロークのシートに乗り込んだ橋本に、「いつも通り漕げば良いよ」と川田…

まさき
2年前

Drive!! #41 ボート X 小説

井上の漕ぎの改善で安定感をエイトは安定感を増していた。COXの川田は次なるブレイクスルーを…

まさき
2年前
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Drive!! #40 ボート X 小説

さっきまでオールが潜りがちだった井上のブレードの動きが改善されていた。COXの川田は自分の…

まさき
2年前
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Drive!! #39 ボート X 小説

ここからインカレまでは主力の3人以外の5人の伸びが鍵を握っている。 その中のひとりである井…

まさき
2年前
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Drive!! #38 ボート X 小説

インカレを3週間後に控えた漕ぎ込みの時期。COXの川田は、いま目の前で漕ぐ8人の特徴を改めて頭に浮かべていた。 *** まずはストロークの雄大。バウの翔太。この二人はうちのクルーの中でも盤石だろう。雄大は淡々と自分のリズムを刻み、一番後ろの翔太は主将になってからさらに艇全体を俯瞰して漕いでくれている。 雄大はここ最近本来の漕ぎを取り戻しつつある。1回生で入部した年のインカレで、兄の翔太とペアで優勝を逃してからの長いスランプを脱していた。エルゴスコアも6'25"とチームでは一

Drive!! #37 ボート X 小説

ミーティングルームで、帝東と紅陵の漕ぎに驚いた後、4回生でCOXの川田は、頭の中で練っていた…

まさき
2年前
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Drive!! #36 ボート X 小説

「下屋、来月の試合、俺とダブルだ」 「どういうことだ?俺は聞いてないぞ」 「すまんが、お前…

まさき
2年前
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Drive!! #35 ボート X 小説

久しぶりの運動着は肌にすんなりと馴染んだ。 そして今、桂とふたりでダブルを船台まで運んで…

まさき
2年前
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Drive!! #34 ボート X 小説

桂翔太との約束の時間。俺は艇庫に着いた。 桂は先についていたようで、モニターで今朝のビデ…

まさき
2年前
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Drive!! #33 ボート X 小説

高校3年の夏。下屋はスプリンターとして関東大会の4x100mリレーの決勝に臨んでいた。この試合…

まさき
2年前

Drive!! #32 ボート X 小説

それは約3年前のこと。下屋がまだ1回生の秋だった。 朝練が終わった艇庫のミーテングルーム。…

まさき
2年前
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Drive!! #31 ボート X 小説

試合の映像を見終わって、翔太が口を開く。 「まあ、いま見てもらった通り、日本一への壁は厚いぜ。それもとてつもなくな。」 部屋中をピリついた空気が満たしていた。 厳しいことは、覚悟はしていたはずだ。しかし帝東の漕ぎ、それから紅陵の猛烈なスパート。 下屋は、画面越しにも萎縮している自分がいることを強く意識していた。 「泣いても笑っても、俺にとっては最後のインカレだ。」 翔太が呟く。彼にしては珍しく、慎重に言葉を発したように感じた。 競技人口の少なさから、大学のボート競技は、事