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「精神科はタンポポのせる作業」

みたいだね、と旦那がいった。


先日会社の休職を決めた私は診断書を手に入れるべく、メンタルクリニックに足を運んだ。

混みようにびっくりした。狭い部屋にざっと数えて4,50人。

当初の予定の時間よりも1時間近く遅れて名前が呼ばれた。

住んでいる近くの病院に3,4件電話するも、「初診の方は来月以降になります~。」と言われ続けた。なので、遠いけど都内に足を運ぶことになった。

どこもかしこも大盛況だ。人類病みに病んでいる。

4、50人が狭い部屋でぎゅうぎゅうになってるところを見て、私も含め病んでる人ってこんなにいるんだ、とぼーっとした。

立って待ってる人もいた。

コロナ過も拍車をかけてるみたい。日本人は病んでる人が年々増加している気がする。

みんな病院に来て救われているのかな。

私は名前を呼ばれたあと、淡々と先生に症状と診断書が欲しいと伝えた。

先生は慣れた様子で、とにかく私の話の腰を折らないように聞くことに徹していた。傾聴のスキルのプロだった。私はそれを見て自分だったらこの仕事したら病むだろうな、と思った。今も病んでるけど。

帰って旦那にメンタルクリニックがすごく混んでいたことを話したら、「精神科ってタンポポのせる作業に似てるよね」と言った。どうやら私たち患者はベルトコンベアーに乗せられたお刺身らしい。


はい、今日は、どうしました~。眠れません、死にたいです。お辛いですね。はい、じゃあ、薬と診断書を出しておきますね~。はい、次の方~。


ぐーるぐるぐーる。ぐーるぐる


工場で働く人


お刺身用の菊


何に救いを求めて私は病院にいくのだろう。

でも先生に話すと何だかほっとした。

たんぽぽ乗せてもらうとただのお刺身をパックしてるより華やかだし、なんかいいよね。

それでいいや。

なんとなく、その時にほっとしたらそれでいい。


また今週の木曜日に先生に会いに行こう。




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