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【詩】結い重ね ~文章を重ね、心を結ぶ~|文と詩:洋々(詩人)@石垣島|人×ことば×詩 vol.7

結い重ね
~文章を重ね、心を結ぶ~


風景も、何気ない家族の日常も
取って残すのが好きでした

日常を織りなす縁
住人十色の鮮やかな風景

人と自然とが当たり前のように共存する
「環(わ)」の一部でありたい

願いが心を育み
食が身体を育てる

食べる事は生きることだとよく言うけれど
美味しい物は生きる希望だと、その時思った

願いと食がひとつになって
生きる希望はたった一皿の上にも

お金もなかったし
誰も自分のことを知らない土地だから
失うものは何もなくて
今日食べるためのお金を稼ぐ
という綱渡りの日々は
「生きてる!」
って強く実感出来て、まさに遅くきた青春だった

ひどくシンプルで
不純物のない
眩いほどに真っ直ぐに
『生きている』

「今に見てろよ東京のバカヤロー」

土地に揺られ
人に揺られ

揺さぶられて、ぶっ叩かれて
"自分"や"本音"が明らかになってこそ
変化の選択をしていけるんだろうなぁ

揺られ続けた先で見えてきたもの

こうしてみると、あれにもこれにも意味があったなぁ

人生の全てに
意味があると思える幸福

できれば知らん顔したい
しかし涙が止まらない
二度とと戻らない時間への取り返しのつかなさに
途方に暮れた

過ぎた時間に
途方もない空白を
見つけてしまう
底の知れない虚空は
不安や恐怖を呼び込むの

それでも

どこに行っても誰かが楽器を演奏したり歌ったりしています
石垣島の雰囲気が
音楽や人生にとって
インスピレーションになると感じています

僕たちは唄える
思うがままに
音を奏でることができる

岩って硬くて 重くて 大きくて カッコイイんです

好きなものを
好きだと叫ぶことができる

年齢関係なく
初めての事に挑戦しようとする心意気と
その初めてを楽しむことが出来る心の余裕があることが
すごく素敵な人だなって
改めて思わせてくれました

人を
慈しみ
想いを
シャッター音に乗せて
残すことが出来る

老若男女
おじーおばーから若者までが声を枯らして
血眼になって力の限り応援する姿
それはまさに島人ぬ宝
島人みんなの魂が宿っていた

想いを乗せて
言葉を吐く
それだけで
言の葉に魂がのる

ふざけたり力を抜くとね~
結構良い線行くんですよ

力を抜いていいんだよって
いつだって誰かが言ってくれる

だから
心配しないで
その扉に手をかけて

飛び込んでみるといつも
世界は温かく迎えてくれて
みんな喜んでくれたんだ

おわりに

文章が好き。
飾らない、見栄のない、まるで装飾に興味のない。
気付いた時に、ふっと落としてしまったような
裸の言葉が好き。

この島は、『縁』が濃い。
たくさんの縁が、結われ、重なり、幾重にもなって、日常に数多の物語を生んでいる。
この『月刊まーる』もそんな物語の紡ぎ手が集まった、発信地だと思う。

そんな人たちが落とした言葉だから。
結い重ねたら、どうなるのだろうと、ふとした好奇心が頭をもたげた。
この詩の始まりは、幼くて純粋な興味。

『詩』というひとつの円の中にそれぞれの言葉が収まった時、
まるで知らない人が書いた物語のように、目線は外にあった。
私は、彼ら彼女らの文章を読ませていただいたので、言葉に載る想いの推察はできる。
だけれども、ひとつの連なりの中に置かれた言葉は、また違った意味を持つ。
不思議と、読むたびにワクワクした。

それはきっと、読み手によって違う物語が始まるような期待感。

人を知ると、同じ人の同じ行動が違って見えるように。
物語を追うと、言葉にのる想いは違って見える。

この詩にほんの一部でも興味をもったなら
ぜひ、その人を見て欲しい。
ほんの短い文章が
この島で巻き起こる物語の片鱗を見せてくれるから。

参考文言

・どこに行っても誰かが楽器を演奏したり歌ったりしています! by 天願チアゴ

・食べる事は生きる事だとよく言うけれど、美味しい物は生きる希望だと、その時思った。 by 若尾 藍/circus

・できれば知らん顔したい。しかし涙が止まらない。2度と戻らない時間への取り返しのつかなさに、途方に暮れた。 by 若尾 藍/circus

・絶対に忘れないからなーっ!! by すずきくにひこ

・お金もなかったし、誰も自分のことを知らない土地だから、失うものは何もなくて、今日食べるためのお金を稼ぐ、という綱渡りの日々は、「生きてる!」って強く実感出来て、まさに遅くきた青春だった。 by 輪(りん)

・最初はドッキドキだったけど、飛び込んでみるといつも、世界は温かく迎えてくれて、みんな喜んでくれたんだ  by 輪(りん)

・「人と自然とが当たり前のように共存する「環(わ)」の一部でありたい」 by 西表島 大浜農園

・年齢関係なく、初めての事に挑戦しようとする心意気と、その初めてを楽しむことが出来る心の余裕があることがすごく素敵な人だなって改めて思わせてくれました。 by オオヤマチカシ

・岩って硬くて 重くて 大きくて カッコイイんです。 by 鈴木邦彦

・「こうしてみると、あれにもこれにも意味があったなぁ」なんて、過去の出来事を回収して、自分に起こることの受容がしやすくなる。 by 屋宜ちえ

・揺さぶられて、ぶっ叩かれて、"自分"や"本音"が明らかになってこそ、変化の選択をしていけるんだろうなぁと思います。 by 屋宜ちえ

・「今に見てろよ東京のバカヤロー」 by 田福雄市(空手家)
 「みぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいっ!」

・老若男女、おじーおばーから若者までが声を枯らして血眼になって力の限り応援する姿…
それはまさに島人ぬ宝、島人みんなの魂が宿っていたのです。 by 渡辺直由

・風景も、何気ない家族の日常も撮って残すのが好きでした。 by 石垣亜実 (いしがき あみ)

・ふざけたり力を抜くとね~
結構良い線行くんですよ! by 大嶺 あいり(アーティスト名 air.)

・どんな仕事をしていても、笑顔いっぱいで楽しく働いているだろうなって思えるヒトに出会えて良かったです  by オオヤマチカシ


この記事を書いた人

洋々(詩人/作家/整体師)
1989年生まれ。『自由に表現できる心を』石垣島を拠点に活動中。PSJ2019年大会で、日本3位。KSJ2021年大会、名古屋大会優勝。静岡でポエトリーユニット『分水嶺』を結成。


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