星山 海琳
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2019年10月の日記
2019年10月7日(月)映画館へ行くために車を走らせたとき、いま自分はひとりだと思った。迷いたいから迷う、悩みたいから悩む、でも尽くせるものは思考しかない。川沿いで信号待ちをしていたら、橋から右折してくる車のヘッドライトの光の先端が、わたしの胸の上を旋回していく。そのとき見えるものはなんだ。暗がりにだけ出現する出口、祈りの類の導き、メッセージ。でもそれはまだ読めない。読めないというメッセージ。だ
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2019年9月19日(木)七時半起床、九時に寝床を出る。昨夜、ベッドへ行くと、吾輩が毛布に埋もれていて、起こさないつもりでそーっとおじゃましたら、あんのじょう彼は身体を起こし、顔をのぞきにきて、においをかいで、胸を踏みつけて、それからまた足もとへ戻って、わたしの股の間に身を落ち着けた。クーラーや扇風機の風が、彼にとって寒くないだろうかと心配する季節が過ぎてよかった。
朝ごはんに、つみれと白菜とし