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【読書】「進化」は性質が変わったことを表すだけ~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.458 2023.7.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第61弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「海をこえて小笠原へ。鳥とカタツムリ」です。

特集の中でも印象的だったのが、カタツムリについて語った千葉聡さんの記事。

「カタツムリの減少で土壌の質が変わる恐れがあります。実際、壊滅状態の父島では、丸くてコロコロした団粒状の土が今、ぺちゃこになってきています」

p.15

「(カタツムリが)死ぬと土にカルシウムが供給され、土壌はアルカリ性になる。カタツムリがいなくなれば、土壌が酸性に傾くかもしれません。本土でもカタツムリが減っている今、同じことが心配されます」

p.15

なお小笠原でカタツムリが減った一因は、「農業害虫のアフリカマイマイ防除のために”自然にやさしい生物農薬”としてニューギニアからもち出され、コントロールが利かなくなって、世界に広がった」(p.15)ニューギニアヤリガタリクウズムシだそうです。人間が環境にやたらに介入してはいけないという、教訓ですね。

「進化を、優劣を表す言葉と勘違いしている人もいますが、それは人間の価値観です。生物学の考え方では、進化は性質が変わったことを表すだけの言葉で、同じ祖先から分かれた生物はみな平等。つまり、人間も他の生物もすべて平等なんです」

p.15


特集以外では、スペシャルインタビューの西加奈子さんの言葉が心に残りました。

自分を愛することってすごく必要なこと。項目を満たしているかチェックをつけるような愛し方ではなくて、生きて息をしているだけでマジすごいと、思いきり自分を愛することなんだと思います。そうして周りを見たら、他の人も生きてるだけで素晴らしいと感じると思うんですよ。

p.7

私はまだその境地には達せませんが、目指したいと思います。


今年2023年4月の杉並区議選を扱った記事には、希望を感じました。

投票率は43.6%と前回より4.19ポイント上昇。数にして約2万票が増えた。そして、現職12人が落選して新人15人が当選。女性が半数を占めるなど議会の勢力図が変わった。

p.19

投票に行く人が増えれば、何かが変わることの証明だと思います。記事中に「『選挙に行こう!』と書かれたポスターを持って駅頭に一人で立つ『ひとり街宣』」が載っていましたが、私も選挙のたびにブログやnoteで、「期日前投票に行こうキャンペーン」を、ささやかながらやっています。

なお杉並区長の岸本聡子さんのインタビューは、「ビッグイシュー日本版」の429号に掲載されているそうです。


映画監督の三上智恵さんの記事中の、以下の一節にはぞっとしました。

「那覇市でも弾道ミサイルを想定した避難訓練が行われています。地下駐車場で子どもたちの頭を手でかばう様子は、無意味ですが義務です。しかし、先の大戦でのバケツリレーや竹やり訓練を思い出させるものです」

p.21

その上で、忘れていけないのは以下の三上さんの言葉です。

「野党が弱いとか平和運動が古いとか言い訳をしている場合ではなくて、戦争をしないために一人ひとりがブレーキを踏むしかない。(中略)『今日から傍観者をやめよう』という人が一人でも増えてほしいと願っています」

p.21


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。

もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった平川さん、いつもありがとうございます!



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