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【読書】できるだけすべてを言語化する~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.457 2023.6.15)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第60弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「ニューロダイバーシティ 発達障害アップデート」です。


ニューロダイバーシティとは「ニューロ(脳・神経)とダイバーシティ(多様性)を合わせた造語で、脳や神経に由来する多様性という意味があります」(p.6)。

印象的だったのは、臨床心理士の村中直人さんのインタビュー。

そもそも人間は多数派(定型発達者)を含めて、すべての人が”バーチャルリアリティな世界(仮想現実)の住人”なのだと村中さんは言う。
「ところが私たちはそのことに普段は気づかずに生きています。(中略)一次視覚野で処理する情報のうち、外部(目の網膜)から送られてくる情報はたった4%とも言われていて、私たちが見ていると感じている映像のほとんどが脳内でつくり出されている可能性が高く、隣の人と同じものが見えている保証はどこにもありません」

p.6~7

「ニューロダイバーシティは、すべての人がそれぞれに特性の異なる脳をもっているという考え方ですが、それは”人間は根本的なところがけっこう違っている”という人間観でもあります」

p.8

まさに「あなたも私も(多かれ少なかれ)発達障害」と思えば良いのかもしれません。

「コミュニケーションが難しいと感じる相手と話す時は、前提や文脈によらずに、できるだけすべてを言語化し、同時に背後にある相手のロジックなどを理解することが大切です」

p.9

難しいけど、これからの時代、これを意識しなければいけないのですね。


特集以外で心に残ったのは、「浜矩子の新ストリートエコノミクス」。

「ゲラをチェックする中で新たな発見がある。印刷された状態になって初めて見つかるエラーや論理矛盾もある。その過程をロボットに奪われる研究者は哀れだ。(中略)ロボットは面倒な作業から人間を解放してくれるという。だが、その面倒な作業の中からこそ、創造性が湧き出してくる。知的生みの苦しみの歓びをロボットに奪われてたまるか」

p.17

チャットGPTにレポートや論文の執筆を頼むことに抵抗感を持たない人には、絶対に分からない感覚でしょうね。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。

もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった坂本さん、いつもありがとうございます!


なお先日、ベニシアさんことベニシア・スタンリー・スミスさんが亡くなりましたね。追悼の気持ちを込め、以前書いた、ベニシアさんの映画のレビュー記事を再掲しておきます。



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