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(46)HIV検査を受けに行くーーchinko to america by mano

 午前2時を回ったころ、ようやくパーティーが終わった。
 それぞれが別れの言葉を交わし、寮やアパートに帰っていく。アパートのポーチで立ち話していたニックもそろそろ帰るつもりらしい。
「マノ、ソフィアの見送りは頼んでいいよな?」
 そう言うと、帰り支度をしていたソフィアに別れを告げ、自分のアパートに戻っていった。
 ソフィアがアパートから出てくると、オレは「楽しかった?」と聞いてみた。するとすぐに「うん、とっても」という答えが返ってきた。
 彼女は、ここから歩いて5分ほどのキャンパス内の女子寮に住んでいる。
(あと5分しか一緒にいられないのか……)
 このとき、オレの中に「ソフィアともっと一緒にいたい」という衝動が渦巻き始めた。こうなったらもう、細かいことを考えるのはナシだ。
「ソフィア、あのさあ、もう少し話をしたいんだけど、オレのアパートに来ない?」
 すでに夜中の2時過ぎ。断られるのは十分覚悟の上だった。

「えー、ホント。いいの? 私もマノともう少し話をしたいと思ってたんだ」
 驚いたことに、ソフィアの返事はオレの予想を見事に覆してくれた。
(今日は絶対に悪いことは起きない)
 オレはまだ無敵のようだった。
 
 アパートに着き、ソフィアをリビングに招き入れて2人きりになる。冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、それをグラスに注ぎ、ソフィアに手渡す。
 オレたちは、ソファーには座らずに、壁を背もたれにしてカーペットの上に横並びになって腰を下ろした。そっちのほうが落ち着くような気がした。
 オレには、ソフィアについて色々と聞きたいことが残っていた。彼女の年齢から始まって、家族のこと、コロンビアの大学で何を勉強しているのかなど、質問したいことはいくらでもある。それらの中でも、一番聞きたかったのは「付き合っている人がいるかどうか」だった。
 本当は、そのことを最初にずばりと聞きたかった。だが、それをグッと我慢して、無難な質問から始めていった。
 それらの質問からわかったのは、ソフィアはオレよりも3つ年下の21歳であること、3人姉妹の次女であること、ボゴタの大学でマーケティングを専攻していることなどだった。

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