マーノ

ライター/翻訳家。かつて住んでいたアメリカでの経験を「chinko to americ…

マーノ

ライター/翻訳家。かつて住んでいたアメリカでの経験を「chinko to america(ちんことアメリカ)」というエンタメノンフィクションに仕立てて投稿していきます。

最近の記事

(45)ソフィアとのダンスーーchinko to america by mano

 ホセたちのアパートには、すでにたくさんの人たちが集まっていた。  アパートの中に入り切れない参加者たちは、外の芝生のところにたむろしている。この辺りの住人は学生ばかりで、そのうちの多くがパーティー参加者している。そのため、週末はどれだけ騒いでも文句を言う者はいない。    友人たちと挨拶を交わすと、オレはすぐにソフィアの姿を目で追った。今夜はニックがソフィアのエスコート役のようになっていて、彼女がパーティーの参加者たちから取り残されないようにその場にいた人たちに紹介して回っ

    • (44)chapter 8ーーchinko to america by mano

       大学に入学してから三度目となる夏休みも終わり、9月に入ると秋学期がスタートした。シニア(4年生)に進級したオレは、いよいよ学生生活の最終年を迎えた。  この3年間、オレはこれまでに想像もしていなかったような世界を見てきた。その主たるものは、やはりエリンやダニエラ、アナ、クレアに関することだった。 目を閉じると、すぐに彼女たちの姿が鮮明に瞼に浮かび上がってくる。こうなると、もうオレはどうすることもできない。彼女たちが無性に恋しくなり、胸の内が急に締め付けられていくのだ

      • (43)我に返るクレアーーchinko to america by mano

         クレアとオレの関係を真っ先に不審に思い始めたのは、彼女のシェアメイトではなかった。 シェアメイトの1人にエイミーという名前の女の子がいる。彼女のボーイフレンドのジョシュアが、オレたちの関係を怪しむようになった。  確かに、クレアの家でジョシュアと顔を合わすたびに、「こちらを睨むような厳しい表情を向けてくるな」とは気づいていた。事実、挨拶をしても、軽くあごを突き出すようにして反応するだけで、言葉にして挨拶を返すことはない。感じは良くなかったが、大学でも接点はないし、友

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        • (42)血の滴るような赤身の肉ーーchinko to america by mano

           オレとクレアは、誰にも言えない秘密をさらに持つことになってしまった。そのことがより強く2人を結び付けたのか、スペイン語クラスの前期が終わってからも、理由を見つけては毎日のように顔を合わせていた。  後期が始まるまでの2週間ほどの休みの間、クレアには済ませなくてはならない大仕事が待ち受けている。秋からシニア(4年生)になるのを前にして、女友だち2人とキャンパスの外にある一軒家に引っ越す計画を立てていたのだ。 「引っ越し、手伝おうか?」  オレがそう言うと、彼女は少し困ったよう

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        (45)ソフィアとのダンスーーchinko to america by mano

          (41)女子寮のベッドーーchinko to america by mano

           週末が終わり、スペイン語の授業が始まった。クレアに会えると思うと、月曜の朝を迎えるのもさほど苦にはならない。  教室に行くと、すでに彼女はいつもの席にいる。隣に座ると、クレアはオレの顔を見て微笑んだ。その微笑みに含まれる意味をオレはすべて承知している。週末の出来事については、どちらも具体的に触れようとはしない。ただし、絶対に明かせない秘密をシェアしているという事実は、お互いの意識をこれまで以上に引き付けているように感じる。  秘密を生み出した張本人ともいえるディエゴは、2

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          (41)女子寮のベッドーーchinko to america by mano

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          (40)久しぶりに開かれたパーティーーーchinko to america by mano

           クレアが実家に帰らず、夏休みの間、大学にいることがわかると、オレはレは彼女を夕方から始まる中庭の集まりに誘うようになる。彼女はメインストリートにあるファストフード店でアルバイトをしているので、さすがに頻繁には来てくれない。それでも、週に一度くらいは顔を見せた。  この集まりの常連は、ギリシャ人のニック、アメリカ人のサム、日本人のユージ、ポーランド人のデニス、コロンビア人のパオラとサンドラ、そしてオレという顔ぶれだった。それ以外にも、入れ替わり立ち代わり、飲み仲間が日替わりで

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          (40)久しぶりに開かれたパーティーーーchinko to america by mano

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          (38)アナとのセックスーーchinko to america by mano

           自分を抑えられなくなったオレは、アナの乳首に舌を這わせ、同時に胸を激しく揉んだ。彼女は小さな吐息をもらし始めている。胸に飽きると、今度はスウェットパンツの中に手を入れて、パンティーの上から割れ目のあたりに触れてみた。だが、そんなじれったいことをしているのがバカバカしくなり、アナの両脚の間に体を入れ、両手でパンティーとスウェットパンツを一気に剥ぎ取った。自分の目の前には両脚を広げたまま真っ裸になったアナの体がある。 (やっぱりそうなんだ……)  アナの裸体を眺めながら、オレは

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          (38)アナとのセックスーーchinko to america by mano

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          (39)chapter 7ーーchinko to america by mano

           5月になり、ジュニアとしての最終学期を終えると、アメリカでの大学生活はシニアイヤーを残すのみとなった。3年前に学部生としてこのキャンパスに戻って来たとき、先の道のりは途方もなく長いものに見えた。だが、今こうして振り返ってみると、瞬く間に過ぎたように思えてくる。あと1年で卒業だなんて信じたくはない。大学での生活は底抜けに楽しく、できることなら時間の流れるスピードを緩めたかった。  ここから秋学期の始まる8月下旬までは、3カ月半の長い夏休みが始まる。日本に帰ってアルバイトをし、

          (39)chapter 7ーーchinko to america by mano

          (37)シャワーを浴びるアナーーchinko to america by mano

           ステファンの家に着くと、すでに20人ほどが集まっていた。 「どうしてアナはマノと一緒なんだ?」という顔をする人もいたが、細かい詮索はせずに、すぐにアナを囲む輪ができる。今日は何と言ってもアナが主役だ。  オレは彼女を遠巻きに眺めながら、ビールを飲む。少しすると、ニックやパオラたちもやって来て、賑やかさが一気に増していく。    ステファンたちのパーティーは、コロンビア人たちが開くパーティーとは違い、音楽に合わせて踊りまくるというものではなく、好きな音楽をかけながら、お酒を飲

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          (36)赤毛のアナとの最接近ーーchinko to america by mano

           12月になり、ジュニアとしての秋学期も終わろうとしていた。ファイナルテストを済ませれば、無事に冬休みを迎えられる。  このころのオレは、初めての映画デートの相手だったフランス語講師のアナとカフェテリアでよく話をするようになっていた。彼女を映画に誘ったのは、ソフモーになったばかりのころだ。あれからもう1年以上が過ぎている。当時に比べるとオレの英語力はかなり上達し、「英語ができないから、女性と話すのは苦手」という状態からは脱していた。    たった一度だけでも、一緒に食事をして

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          (36)赤毛のアナとの最接近ーーchinko to america by mano

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          (35)アパートでオレを待っていた女の子ーーchinko to america by mano

           アパートの建物の階段を上り、2階のドアの前に立つと、わくわくしながらドアをノックする。すると、すぐに中から足音が聞こえてきた。果たして誰が待っているのだろう。気持ちはもちろんだが、それよりも下半身のほうがうずうずしてたまらない。    ドアが開き、オレの目の前に現れたのは、ロングヘアとすらりと伸びた脚が何とも言えない美しさを放つラウラだった。その魅力を強調するかのように、今夜は太ももが露になったミニスカートを履いている。その姿を見て、オレの興奮度は一気に高まっていった。 「

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          (35)アパートでオレを待っていた女の子ーーchinko to america by mano

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          (34)chapter 6 ーーchinko to america by mano

           オレはダニエラの前から消えた。だが、ダニエラはオレの前から消えなかった。なぜなら、キャンパスやその周辺に、ダニエラとの思い出がたくさん詰まっていたからだ。  彼女がまだここにいたころ、オレたちは早めの夕食をカフェテリアで食べて、人気のない集会場の近くの細い道をよく散歩した。そして今、カフェテリアでの食事を済ませたオレは、気が付くとダニエラの面影を追い求めて集会場の周囲を当てもなく歩いている。ふと立ち止まり、後ろを振り向くと、はにかむような笑顔のダニエラがそこに立っているよう

          (34)chapter 6 ーーchinko to america by mano

          (33)大学での暴露ーーchinko to america by mano

           コロンビアから帰ってくると、5日ぶりに大学に顔を出した。この間、オレはいくつかの授業をさぼっていた。  ダニエラに会いにコロンビアに行くことは、ソフモアのころに仲良くなった政治学専攻のクレアに伝えていた。  オレが大学をさぼってダニエラに会いにコロンビアまで行くと話すと、彼女は「マノ、それはクレージー過ぎるよ。考え直したほうがいいんじゃない」とアドバイスしてくれた。だが、そんな言葉が耳に入ってくるはずもなく、「内緒だからね」と念を押し、オレはコロンビアに旅立っていた。  

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          (32)厳しい現実ーーchinko to america by mano

           ダニエラの家を訪れた日の午後も、オレたちはドライブに出掛けた。  彼女が住む郊外の町を離れ、丘陵を1つ越えた公園に向かう。にぎやかなメデジン市街で過ごすよりも、人影が少ない静かなところで2人だけになりたかった。    駐車場に車を止め、ゲートをくぐって広大な公園の中に入っていく。メデジン周辺は花の栽培でよく知られる。そのためか、公園の中には名前のわからないきれいな花が咲き乱れている。ダニエラとオレは、残された時間が少なくなってきているのを感じながら、庭園のような散策路をひた

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          (31)刹那の愛欲ーーchinko to america by mano

           翌朝9時過ぎ、ノックの音で目が覚めた。ドアを開けると、ダニエラが立っていた。彼女を見た途端、昨日の不安はどこかに遠のいていく。    どうしようもないストレスを振り切るには、ダニエラの体にすがるしかない。オレはすぐに彼女を抱き寄せ、服を脱がせ始めた。ダニエラも同じことを考えていたようで、スウェット姿のオレのパンツの中に手を忍ばせ、ちんこの先のほうから手のひらをゆっくりとスライドさせていく。  ベッドに横になると、オレはダニエラの体の隅々に鼻を押し付け、執拗に匂いを嗅ぎ、舌

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          (30)別れーーchinko to america by mano

           時間はもうあまり残されていない。あと2週間でダニエラはコロンビアに帰っていく。それまでにオレはもっとダニエラを好きになっていくだろう。彼女に対する愛情が頂点に達した状態の中で、ダニエラはオレの元を去る。そのことを今から考えただけで、心が張り裂けそうだ。  だが、帰国の時は容赦なく迫ってくる。その証拠に、買い物をしにショッピングモールに立ち寄ると、ダニエラは5歳になるという自分の息子へのプレゼントを探し求めた。  一方、オレは、アジア人の血が混じったようなアメリカ人の子どもが

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