永椎晃平『星野、目をつぶって。』|絶対に忘れられない漫画が、そこにはある

学校で人気者の美少女ギャル・星野は、その超地味な素顔を隠していた。同級生の美術部員・小早川は、星野の素顔を知ってしまい、メイクが自分でできない星野の代わりにメイクをしてあげることに――。

星野にメイクをしてあげたいけどトラブルでできない、素顔がバレちゃう、どうしよう、というドタバタコメディの展開は読む前から想像できてしまう。その予想した期待通りのコメディ展開が発生するのだが、どうも、様子が違ってくる。冠にもなっているのに、星野はすぐに脇役みたいな扱いになる。作者も人気などから方向転換したのかもしれないが、早々から、小早川メインの青春ドラマに変わっている。なんだこれは………いやいや、これが大正解だった。小早川のキャラがとても良い。星野と出会うことで、星野と強制的に関わることで、小早川の何かが変わる。小早川の取り巻く環境が変わる。どんどん、どんどん、小早川を応援したくなる。主人公を応援したくなるなんて、こんな漫画は初めてだ。現実にこんな奴がいたら、小早川がいたら、学生生活を楽しめた人は、もっといたかもしれない。そう思わせてくれる、不思議な奴だった。学園ラブコメ&青春群像劇としか言い表せないのがホント悔しい。

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