見出し画像

祝!日本における民主的な学びについての共著本が出版されました

ファシリテーター・ライフコーチのまなみです。
「自然の中に学びの場をつくる」ことを目標に、2024年2月から東京都日野市に越してきました。
美しい作品を考え、作り、表すことで学習者の主体性を育み、学習者・コミュニティ・世界中の生命を豊かにする、そんな学びの場をみなさんとつくっていけると嬉しいです。


今回は夢が一つ叶ったご報告をみなさんにしたいと思います。
私は小さいときからずっと本が好きで、いつか自分の本を出版してみたいと思っていました。2016年に自由大学の「自分の本をつくる方法」の講座に通って以来ブログを続けるなど、コツコツと自分の夢に向かって行動していました。

この度、その夢が共著という形で実現しました!
ハーバード教育大学院でLinda Nathan先生の「Schools in Action: Observing, Reflecting, and Acting in a Time of Crisis」という授業を受けていたのですが、Linda Nathan先生や同級生、過去の卒業生たちとともに出版した「Designing Democratic Schools and Learning Environments: A Global Perspective」という本の中に、日本における民主的な学びについての一章を書かせていただきました。

この本は面白い形式を取っていて、より多くの人に手にとってもらいたいということで、オープンアクセスの本になっています。下のリンクから無料で各章のPDFをダウンロードして読んでいただくことが可能です。
実際の本をご購入いただくこともできるのですが、今は円安の関係もあって7000円ほどします…が、日本の本ではあまり見ないようなしっかりとしたハードカバーで、中の写真もカラーになっています。
ぜひ周りの人にご紹介いただき、英語の勉強も兼ねて読んでみてください!



実際の本を手に取れるって嬉しい!



なぜ共著本を出版することになったのか


今回「Designing Democratic Schools and Learning Environments: A Global Perspective」に共著者として参加することができたのは、ハーバード教育大学院でお世話になったLinda Nathan先生の一声からでした。
ハーバード教育大学院は基本的に一年間のプログラムなので、卒業に修士論文は必須ではありません。でもせっかく留学したので学んだことを何かしらアウトプットできる機会を探していることをLindaに伝えると、今Lindaの授業の卒業生と共著の企画が立ち上がっているから、あなたも参加したら?と誘っていただきました。


お世話になったLindaと。


Linda Nathan先生は、ボストン初の公立芸術高校であるBoston Arts Academyを創設し、初代校長に就任。ボストンの初期の研究指定校であるFenway High Schoolの立ち上げに関わったほか、3つのNPO(El Pueblo Nuevo、Center for Collaborative Education、Center for Artistry and Scholarship)を創設。現在も民主的な学校/組織の開発等、ボストン/ケンブリッジ市のコミュニティに根差した数々の活動に従事しています。

私自身、秋学期に受講した「Schools in Action: Observing, Reflecting, and Acting in a Time of Crisis」、春学期に受講した「Building a Democratic School: School Design Workshop」はもちろん、Deeper Learning Bostonのカンファレンス、ハイテックハイで行われたDeeper Learning San Diegoのカンファレンスでもとてもお世話になりました。ハーバードで「主体的な学び」というテーマを探究する上で、欠かせない先生の一人です。

そんなパワフルな先生から共著にお誘いいただいたら頑張って書くしかない。お話をいただいてから期日まで一ヶ月もなく、おまけに秋学期の最終試験の時期と被っていました。ハーバード燕京研究所というアジア系の図書館にあるわずかな日本語の資料を頼りに、ヒーヒー言いながら書いたのもいい思い出です。


↓実はこの記事の最初にある夜の雪景色の写真は、図書館に籠もって原稿を書いた日の写真です。ここから出版されるまで、一年以上の月日がかかったと思うと感慨深い…!


民主的な学びとは?日本においては?


「Designing Democratic Schools and Learning Environments: A Global Perspective」の大きな特徴として、民主的な学びに向けた取り組みが多国籍に紹介されているということです。各章を見ていくとアメリカの最先端の取り組みはもちろん、チリ、パキスタン、エジプト、インドネシア、イスラエル、日本、香港、ペルー、インド、セイシェル、メキシコ、南アフリカ、ミャンマー、ポーランドと様々な国で民主的な学びを進めようとする取り組みについて読むことができます。脱詰め込み教育からより民主的な学びに結びつける取り組みは日本だけが苦労しているわけではなく、各国でもそれぞれの社会に合わせて色々な挑戦がなされているということです。

本は、各取り組みのフェーズに応じて、四つのパートに分かれています。民主的な学びについての構想、公平性を重視した教育の実践、教育を公共財として見たときにできること、そして最後は喫緊の社会課題への取り組みについて読むことができます。最後の章では、戦争によるウクライナの難民をポーランドの教育制度でどうサポートできるかなど、教育と実社会が今この瞬間も深くつながりながら運営されていることを感じることができます。

今回私が担当した日本における民主的な学びの章には「Starting with Self, Sharing Academic Success, Co-creating the World」という題名をつけています。この三つが私が日本で民主的な学びを実現するために必要だと感じた三つの要素です。章の中では、今の日本の教育制度が抱える問題点や民主的な学びとそぐわない点について説明し、その後この三つの要素を紹介して、最後に民主的な学びにつながる取り組みとして、以前私が担当していた「大学での学び探究講座」について取り上げています。



学びにかかわる人の全体性、学びの共有、行動と創造を大切な価値観として置いています。


「命を育てる」「成果物をつくる」「人と話す」ことを重視すると、教科横断型でも各教科の学びを取り入れることができるのではないかということを提案しています。


読書会&英語TAKIBIやります!


せっかくこのような民主的な学びについて多文化・多国籍に学ぶことができる本の出版にかかわる機会をLindaからいただいたため、今後日本でも「民主的に学ぶとは?」という議論を広めていきたいと思っています。
ぜひみなさんの力をお貸しいただけると嬉しいです!


お願い①:翻訳本を出版できる出版社さんを探しています


一つ目のお願いとして、この本をぜひ日本人の読者にも幅広く届けたいと思っています。したがって、翻訳本を出版できる出版社さんを探しています。

日本でも総合学習や探究学習など、生徒主体での学びを進めようと様々な取り組みが行われているかと思います。その中で、自分たちがやっていることが正しいのか疑問に思う場面も多いでしょう。「民主的な学び」は生徒個人だけではなくて、学校全体として生徒主体の学びをサポートする仕組みだと考えています。生徒主体の学びをより進めていくために、他の国での事例を知ることができる素晴らしい機会かと思います。

翻訳本を出版できる出版社の方がいらしたら、ぜひお声かけいただけると大変嬉しいです。


お願い②:読書会&英語勉強会で一緒に議論しましょう


私の方でもまず私が書いた日本についての「Starting with Self, Sharing Academic Success, Co-creating the World」の章について、読書会と英語勉強会を開こうと思います。文章については現在和訳がないので英文を読んでいただく形になるのですが、日本語での読書会と、英語で議論する英語勉強会の二種類を開催する予定です。


日本語での読書会は一時間程度で、カメラオフでも参加できるライトな内容を考えています。私からこの本の背景や経緯を話しつつ、「日本における民主的な学びとは?」という問いについていくつかアンケートやチャットを使った形式で深めることができればと思っています。
7/24(水) 20:00-21:00と7/28(日) 16:00-17:00にそれぞれオンライン読書会を無料で実施する予定です。(両日同一の内容です)
この本を幅広く読んでいただきたいと思っているので、ぜひお誘い合わせの上、ご参加ください。

↓日本語での読書会申し込みはこちらから


もう一つ、英語で議論するTAKIBI形式の勉強会を一時間半ほど開く予定です。こちらも取り扱うのは私が書いた日本についての「Starting with Self, Sharing Academic Success, Co-creating the World」の章ですが、もしかしたら色々な国籍の方も参加するかも…?英語のレベルは二段階にして議論のグループを分けようと思っているので、いずれにせよ「英語で話すことに挑戦したい!」「久しぶりに英語で議論したい!」と思っている方にご参加いただけると嬉しいです。こちらは8/4(日) 10:00-12:00でのオンライン実施で、参加費形式を取りたいと思います。

↓英語でのTAKIBIへの申し込みはこちらから


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
自分が出版する初めての本が、母国語ではなく英語になるとは人生何が起きるかわからないものです。
これからも「Designing Democratic Schools and Learning Environments: A Global Perspective」の議論を盛り上げつつ、単著本の出版の夢も叶えていきたいと思うので、引き続き応援よろしくお願いします。



自分の名前が本に印刷される感動は一入でした。




すべての人が組織や社会の中で自分らしく生きられるようにワークショップのファシリテーションやライフコーチングを提供しています。主体性・探究・Deeper Learningなどの研究も行います。サポートしていただいたお金は活動費や研究費に使わせていただきます。