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教育記事から教育を考える

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教育関連の記事の中から気になるニュースをピックアップ。現在の日本の教育事情を解説していきます。お子さんをお持ちの方、教育関係者の方の参考にしていただければと思います。
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#学校

教員研修を良質なものに!(教員免許更新制、来年度早期に廃止へ 新しい研修制度は23年度から 朝日新聞 11月19日)

教員研修を良質なものに!(教員免許更新制、来年度早期に廃止へ 新しい研修制度は23年度から 朝日新聞 11月19日)

免許の更新制度は、不適格教員をなくすために行われた感がある。
しかし、重要なのは教員の質・教授法の質を上げることだ。だから、一律に10年ごとに免許更新の研修をすることにはあまり意味がない。教員によって、抱えている問題が違うからだ。もっと言えば、成長段階が違うからだ。

教育委員会は、色々な研修メニューを「お金をかけて」企画することだ。私も神奈川県や千葉県・青森県・三重県で、教育委員会の依頼で、教員

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教員の働き方改革は、ここから始まるのではないか! (公立校教員の残業代訴訟、請求を棄却 埼玉地裁 毎日新聞 10月1日)

教員の働き方改革は、ここから始まるのではないか! (公立校教員の残業代訴訟、請求を棄却 埼玉地裁 毎日新聞 10月1日)

私立学校の理事をしている時に、教員の残業代や休日出勤手当が社会常識からは随分とかけ離れていると驚いたことがある。そして、その学校での学園改革の一環として、給与体系を一新した。退職金と支給給与の関係を見直し、在職中の給与を厚くして、退職金の比重を下げた。その結果、10年以上前から、その学校は、働き改革を行ったことになった。

今回の訴訟は、ある面、教員の給与体系に一石を投じたはずだ。この裁判での裁判

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学校が、どんどん商業主義に飲み込まれていく!(埼玉県教委が中学校へのスマホ持ち込み緩和 懸念は? メリットは? 産経新聞1月26日)

スマホを学校へ持ち込んでも良いという意見が出だして、何年たつだろうか。緊急時にスマホがないと困るという意見が出てきて、日常でも使っているからと、どんどんスマホの持ち込みが認められるようになったが、教育という観点から見て、それは、本当に良いことなのだろうか。

もう一度、本当に良いことなのかどうなのかを考えてみるべきではないか。私の一番の危惧は、この問いに、皆さんは、何を思うかなのだ。
「スマホは、

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一般企業では考えられない!(小中学校の給食費「校長の口座で管理」7割…文科省が初の調査 読売新聞11月4日)

一般企業では考えられない!(小中学校の給食費「校長の口座で管理」7割…文科省が初の調査 読売新聞11月4日)

学校が集める給食費を校長の私的口座で管理するなどということをやっていたとは、驚いた。企業なら、そのようなことにはならない。会社名義の口座を作って管理するはずだ。

早急に、教育委員会が口座を開設し、管理した方が良い。ただし、教育委員会が給食費を収めていない家庭に連絡するルートと、学校の教師が連絡するルートの、2つルートを持っていた方が良いのではないかと思う。それは、形式的に催促するものと、事情を知

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大人としての自覚と職業倫理の欠如が体罰を招くのではないか(なぜ体罰なくならない? 柔道技の教諭、研修の後すぐに 朝日新聞デジタル 10月18日)

今回の事件を知って、またか!と思った。常軌を逸した体罰をする教師が後を絶たない。ルール違反をした生徒に対して、ルール違反以上に罰してしまった教師は、自分がどのようなミッションのある職業についているのか、全く理解していない。教師という職業がどういうミッションなのか。ここを再教育することだ。

教師という職業のミッションとは、子どもを一人前の大人にするということだ。ここを忘れていけないのだ。だとすれば

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なぜ、インクルーシブ教育が必要なのか(特別支援学級の児童を「邪魔だと思う人は手を挙げて」 …小学教員、一緒の授業の場で  読売新聞9月9日)

今回の事件は、特殊な教員がろくでもない対応をした、というだけの事件ではないように思える。学校全体がインクルーシブ教育の意味を理解しているのかどうかに関わる事件ではないだろうか。

多様な人たちが、一緒に活動することがこれから求められていく。その一つとして、この学校も特別支援学級の児童と普通学級の児童が一緒に授業を受けていたのではないか。

だとすれば、この教員は、その意味を理解して授業に取り組むべ

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