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野に放たれて〜私的働き方・暮らし方改革〜

人生は驚きに満ちている

この記事を書き始めたのは、渡名喜島に向かう船の上のことだった。セカンドキャリアを求めた看護大学を華々しく首席で卒業し、たくさんのお祝いの言葉をもらい、意気揚々と保健師としてのスタートを切って、まだ2ヶ月。4月1日時点では、まさか自分がそのとき名前も知らなかった島に向かっているとは、想像もつかなかった。

人生100年時代の生き方を求めて

1つ目の大学を現役で卒業した頃は、超就職氷河期で、これと言って望んだ就職先に入ったわけではない。それでも、貿易会社や研究機関で働いたり、海外(ドミニカ共和国)に住んだり、副業として翻訳や通訳に携わったり、どれも楽しい経験だった。

でも、安定して雇われながら何だか「しっくりこない」感覚が高まって、専門性を追求しようと看護大学の門を叩いたのが30代半ば。別にリンダ・グラットンの言葉を聞いて決めたわけではないけれど、「ライフシフト」のジミーの新しいシナリオのパターンにすっごく類似してて、「お、この選択イケてるんじゃね?」と1人悦に入ったり(笑)。

しかも、子育てや家族の介護・看取りを経験していたので、「生活」「人間全体」を見る看護の勉強が、とてつもなく面白く、学生生活は順風満帆。これで、引き続き努力さえすれば、シングルママのセカンドキャリアは安定する、と胸を撫で下ろしていた、、、けれど、そうは問屋がおろさなかった!

いきなり人生の夏休み!

やる気に満ちて会社に入ったものの1週間でご縁がないことがわかり、茫然自失。意味がないので細かいことはここでは書かないけれど、自分の意欲とか努力とかではどうにもならない不可抗力な力で思いっきり背中をどつかれた感じだった。

ただ今回ミラクルなのは、半年間は経済的な不安がない状態がセットでついてきていること。よくわからない衝撃が過ぎ去り、現状を俯瞰して見られるようになると、そこには人生の夏休みが待っていた(笑)。これはもうギフトとしか思えない。

色々な「お志事」が舞い込んで来る

「またもや就職活動か〜」と最初は焦っていたけれど、"人生の夏休み"と腹をくくってしまうと、毎日がキラキラしてくる。今住んでいる三浦半島の葉山はビーチやトレイルもあって、自然の遊びには事欠かない。元々、走ったり漕いだりが好きな自分としては、願ってもない毎日に。

そして、このフリーな状態をオープンにして、行きたい場所に行き、会いたい人に会っているうちに、何やら色々なお話が舞い込んで来るようになった。

ほんの2ヶ月の間に、国際会議の運営、へき地の保健師さんの応援、大学の先生の調査研究のお手伝い、翻訳、ソーシャルビジネスの若手起業家と米国に行くプログラム、健康相談と、有給・無給、関わり方の濃淡は色々だけど、同時並行でたくさんのことをさせていただいている。

専門家として突き詰めて行こうと思ったセカンドキャリアでつまずいてからのまさかの広がり。得意なことだし、楽しいけど広がり過ぎじゃないか?

広がったっていいじゃない!

そんなことを考えているうちに、伊藤洋志さんの「ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方」に出会った。前述の「行きたい場所に行く」で訪れた東京稲城市のカフェ「いな暮らし」で手に取った本だ。「ああ、私が長いこと仕事に持っていた『しっくりこない感』はこれだったのかあ」と、伊藤さんの言葉がストンと入ってくる。

“ナリワイで生きるということは、大掛かりな仕掛けを使わずに、生活の中から仕事を生み出し、仕事の中から生活を充実させる。そんな仕事をいくつもつくって組み合わせていく。いわば現代資本主義での平和なゲリラ戦だ。”伊藤洋志:ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方 P.33 

貿易会社での仕事なんか海外に行けて、美味しいものが食べられて、いい仲間がいて、お給料も安定していて、不満らしい不満はなかったのだけど、「仕事」と「暮らし」が乖離している気がして、上滑り感が否めなかった。確かに、1つの仕事で全てを稼ごうとすれば、時間もなくなるし、生活と離れていくのも当然っちゃあ、当然かも。

“100の仕事を持つという意味の百姓という言葉があるように、もともと大多数の日本人は一つの仕事じゃなくて複数の仕事を持っていた。”伊藤洋志 ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方 P.39 

プロフェッショナル、1つの仕事を突き詰めるのがいいみたいに思う節は私にもあった。でも、色々やって生きていくのって結構当たり前のことだったんだ。広がったっていいじゃない!これなら、あれこれやってきた自分が活きる。

私的働き方改革・暮らし方改革

人生の夏休みをいただいて、葉山の自然の中を駆け巡っていると「この季節の移り変わりを感じて生きていたい」、娘とたっぷり話す時間があると「この子の心の小さな変化、成長を近くで見たい」、楽しいお誘いがあると「仕事だからと諦めたくない」と心底思うようになる。生活のために稼ぐことは必要だけれど、この瞬間のを損なってしまったら、少なくとも今の私にとっては意味がない。

だから、この短い間にもいくつかいただいた定職のお話は、全てお断りした。せっかくいただいたこのギフト、相当の荒療治だったけれど、本気で働き方をゼロベースで考えてみる機会ができたのだから、色々試してみないともったいない!

“子供の頃のように、したことのないことはとりあえずしてみたいと思う。もっと遊びたい。知らないことがたくさんある。だから、毎日がすごく長くて楽しい。”佐谷恭「ありえない」をブームにするつながりの仕事術 P.24

大学時代に所属してたバックパッカーサークルの主宰者で、パクチーハウスを無店舗展開にした佐谷恭さんのこの言葉が、今の自分にしっくりくる。

それやってどうなるの?とか、広がりすぎていないか?何のために?は一先ず置いておこう。自分から湧きあがったり、誘われたりする中で、心が動くこと、心に叶うこと、面白いことを自然体で躊躇せずにやっていく。そこから見える景色を私は見てみたい。私的働き方改革・暮らし方改革はもう始まってる♪

そして、つづく

私的働き方改革・暮らし方改革は始まったばかりだけど、枠の外に一歩出ることでどんどんアイディアが湧きあがったり、既に色んなミラクルな出会いが起こってる。これから、ちょこちょこと、心が動いたことを記事にまとめて行くよ。興味がある方はよければフォローを!楽しいお誘いもお待ちしてます♪







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