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短編小説

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短編小説をまとめています。 コメント欄に『あとがき。』があります。 よろしければそちらも併せて読んでみてください。 いただいたスキ・コメントは励みになっております! ありがとう…
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記事一覧

曇天とこしあん。

曇天とこしあん。

なんの代わり映えもない毎日。
大層な夢を描くことができるほど大した人間じゃない。
ああ、退屈な人生だ。
今日も雲がまだらに流れる空を見つめて息を吐いた――。

猫と世界。

綺麗な家がある。
門扉のまわりには季節の植物が。
夜になれば暖かい明かりが灯り住人を迎え入れてくれる。
そんな家で私は暮らしていた。
いびつな家とは誰も想像がつかないであろうこの家で。
どれだけ綺麗に梱包したって、どれだけ丁寧

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ココア座談会

ココア座談会

『どうぞ、こんな日には1杯のココアを。』のリレー小説を終えた2人で座談会を開いてみました。

曇戸晴維先生 (以下 曇)
◯◯ちゃん (以下 ◯)

『どうぞ、こんな日には1杯のココアを。』

前編

後編

まずはじめに軽く自己紹介をお願いします!

◯:はじめましての方ははじめまして!
そうじゃない方はいつもお世話になっております、◯◯ちゃんです。
普段は小説と"エッセイ、のようなもの"を投稿

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どうぞ、こんな日には1杯のココアを。

どうぞ、こんな日には1杯のココアを。

※こちらの作品は、曇戸晴維先生とのリレー小説です。

雨が降っている。
ここ最近降っていなかったからか、ここぞとばかりに派手な音を立てて降っている。
この様子だと桜は早々に散ってしまいそうだ。

夜中泣いていたのだろうか。
開きにくい目をどうにか少しこじ開けて、時間を確認した。
「まだ寝られるじゃん…」
アラームが鳴るまで2時間ほどあった。
どうしようか。
このまま起きても支度をしているうちに眠た

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今日も308号室で、

今日も308号室で、

「重なり合ったところで、幸せでいられたらいいよね。私たち」

***

月曜日。

***

午前8時。
目が覚めた。
何も考えずとも勝手に洗面所へ向かってくれる身体。
顔を洗って髭を剃り、Yシャツに着替えた。
そっと気配を消して、寝室の扉を再び開くと穏やかに寝息を立てている妻の姿があった。 気配を消さずとも彼女が目覚めることはまずないのだが、自分が立てた物音で安寧の睡眠を妨害したくない。

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通い妻と同棲彼女

通い妻と同棲彼女

「俺、YouTuberになる」
結婚3年目、ある日急に夫がYouTuberになると言い出した―――

2人の結婚生活

生まれて32年、大体のことは要領を得て上手くやってきたと思う。
きっとこうなるから、今のうちにああしておこうなんて風に、予想を立てて行動してきた。
外れたことの方が少ない。
なのに、なのに。
これが青天の霹靂というやつか。

夫の祐二(ゆうじ)とは結婚して丸2年。今日から3年

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彼女になりたくない物語 -鈴蘭-

彼女になりたくない物語 -鈴蘭-

◎鈴蘭
科・属:キジカクシ科・スズラン属
英 名:Lily of the valley
花言葉:『再び幸せが訪れる』

***

彼との出会いは、ふらっと立ち寄った大衆居酒屋。
―私の世界にあなただけじゃ、私はだめな女になってしまう。

「鈴蘭って、俺がいなくても生きていけそうだよな」
よく聞く台詞。使い回された台詞。
あなたたちだってそうじゃない。
私じゃなくちゃいけない理由なんてないくせに。

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彼女になりたくない物語 -なのは-

彼女になりたくない物語 -なのは-

◎菜の花
科・属:アブラナ科・アブラナ属
英 名:Turnip rape ・ Chinese colza
花言葉:『快活』『明るさ』

***

彼との出会いはSNSのコミュニティ。
―他にもたくさん人はいたけど、それでも好きになったのはあなただけなの。

コミュニティのメンバーが結婚することになった。

「何かプレゼントしよう」言い出しっぺは私だった。
最初は本当に思いついただけ。
結婚は人生の

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私は、コーヒーが飲めない。

私は、コーヒーが飲めない。

「ただいま…」
薄暗い玄関にか細い声が響く。
電気のスイッチへ手を伸ばした。
暖かい光が自分を称えてくれる。
「今日も社会の歯車よく頑張ったね!」とでも言っているのだろうか。

1日共に頑張ってくれたストッキングを脱ぎ捨て、洗濯カゴがあるであろう方面へ放り投げた。
ひとり暮らしを始めたばかりの頃は、このカゴが満杯になる前に洗濯機を回そうなんて思っていたっけ。
いつ雪崩が起きてもおかしくない洗濯物を

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スニーカーはもう捨ててしまった。

スニーカーはもう捨ててしまった。

パソコンのファンの、キュイーーーーーーンという甲高い声で目が覚めた。

いつも隣で猫みたいに丸まって、時々鼻をすすりながら眠っている彼女の姿はなかった。
珍しい。俺が眠っている間に起きることなんてほとんどないのに。

どうせしばらくしたら勝手に寂しがって、俺の背中に額を擦りつけに来るだろう。
アイツの所在など確かめようともせず、携帯電話をいじり始めた。

俺の周りには、常に一定数、飼い犬のような女

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僕は、コーヒーが飲めない。

僕は、コーヒーが飲めない。

薄暗い部屋にあるのは、乱雑に置かれた漫画としわくちゃの布団、それから夕飯に食べたカップ焼きそばのゴミ。
傍らの携帯電話からは、特に親しくもない女の寝息が聞こえてくる。

この女は僕より歳上なのに、気まぐれでわがままで小さな女の子みたいだ。
気まぐれとわがままの違いってなんだっけ。
まあいいや。
夜中に突然電話をかけてきては、かすれた声で僕の名前を呼ぶ。
その声を聞く度に、胸の奥がきゅっと締めつけら

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