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これから5年後のキャリアの準備はできていますか?

コロナをきっかけに、オンライン会議ツールなど、テクノロジーが私たちの生活に欠かせないものになってきています。一方、忘れてはならないのが、そのテクノロジーが私たちの仕事を侵食するという有識者の研究結果です。その中で、私たちは、5年後に向けて、「どう考え」「どう準備」すればいいのかをTech業界の経験をもとにまとめました。

5年後にはAIに私たちの仕事の半分が奪われるって本当?

『(10年後には)日本の労働人口の約49%がコンピューター技術に代替される可能性が高い
(オックスフォード大学オズボーン教授×野村綜合研究所 2015年)』

日本でもAIが人の仕事の半分を奪うといわれてから5年経過し、2020年になりました。
しかし、その間、2018年に総務省が出した情報通信白書では、以下のようにもいわれています。

『職業を構成するタスク(業務)単位でみた場合に大半のタスクが自動化される職業は9%程度にとどまるとの研究結果を示している』

これは、どういう意味かというと、完全な自動化は、全体の業務の約9%に過ぎないということです。
業務の話なので、約9%の職業自体がなくなることを指しているわけでもありません。
有識者の意見では、今ある”仕事”の約半分がコンピューター技術に代替されるといわれていますが全くその片鱗が見えていない状況です。

なぜこのような乖離が起きているのでしょうか?

もう少し詳しくみていきましょう。AIとは、コンピューター上で動くものです。元々、コンピューターは「記録する」「計算する」機能しかありません。

AIの機能とは、「学習する」ことです。
その中でも、人からデータを与えてもらって学習する「機械学習」と
自分から学習する「深層学習」があります。
(今、IT業界の関心事は、そのAIが”自分から学習するか”どうかです)

本題に戻ります。研究結果通りに、AI化が進んでいない理由は、
「オペレーショナルな事務作業が未だにアナログで行われているからです」
(このアナログな業務が、アフターコロナにより、デジタルへ一気に移行すると考えています)


RPAというものの話をさせてください

2,3年ほど前に、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)というものが流行りました。

RPAとは簡単にいうと、あなたがPC上で、マウスでカーソルを動かしたりクリックするような単純作業をシステムに記憶させて、その作業を機械にやらせることで自動化するシステムです。

「RPAは万能?」と当時思われましたが、結局は、システムなので、PC上の作業しか代替できません。

そこでは、まずアナログで行なっている業務を、PC上もしくはシステムに移行する必要があります。
そして、それらをデジタルに移行できた後には、RPAを適用するための”単純作業”レベルまで業務を落とし込むために、"ヒト"が、
周りを巻き込んで業務を改善する、そして標準化することが必要となります。RPAの実装は、その後の話です。


AIも同じようなことがいえるのではないでしょうか?

AIの導入にあたっては、AIというツールを使って、「どんな業務」を「どのように」改善するかがわかる”ヒト”が必要です。
昨今、AI回りのエンジニアが足りないといわれていますが、彼らは、現場”業務”を理解しているでしょうか?
そこには、“業務”を理解している現場の”ヒト”とAIを実装できる”ヒト”との間にコミュニケーションが発生します。

(そして、あなたがAIを実装しますか?現場とAI実装の中間に立ち、リードしますか?それとも、何もせずにいますか?)

アフターコロナ時代になれば、ほとんどの業務がデジタルに移行し始めると思います、そこで、AIを適用できる準備が整ったときに、この業務にAIを適用してみようとあなたが言い出すのか、
外部の人に無理矢理変えさせられるのかでは、これからの仕事へのモチベーションも変わってきますよね。

(そのためのプロジェクト推進力だったり、システム回りの基礎知識等を身につけているのは、前提となります)

遅くとも5年後に、AIを導入していくことは不可避だと考えているので、人々の”今”の仕事は本当に、AIを使うための仕事に置き換わっていくと思います。
そのときに、主導権をもってあなたが、AIを使う側、活用できる側になれるかで大きくキャリアが変わってくると思います。


おわりに

当時野村マネジメントスクール学長の方と、オックスフォード大学の教授の興味深い対談をご紹介させてください。

『昇進を繰り返しながら会社の情報を収集していく伝統的な手法も、ある程度は膨大なデータを活用したモニタリング手法に置き換えられる』
『アルゴリズムを活用するスキルは長いキャリアを通じて社内でじかに得た経験や勘よりも重要になってくる』
『データから得ることのできない知見を伸ばしていくことが重要』

とあります。この意味は、あなたのスキルは、あなたがその業務に携わった単純な年月では、評価されにくくなります。これは、全ての職種にいえることかと思います。
もちろん経験自体を否定するわけではありませんが、そこで、人間が求められるのは、データを用いた意思決定です。

これからは、ITを使いこなすか、ITにできない人とのコミュニケーションなどができるかがキャリアを考える上でのポイントとなってくるのではないでしょうか?

私も、ITを使いこなせるように、Python*をはじめとして、プログラミングの習得を頑張りたいと思います。

Python* AI(機械学習)、科学計算の分野で最もシェアを獲得している言語

(参考)
金融×IT対談 「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601種の職業ごとに、
コンピューター技術による代替確率を試算 ~」(2015)
https://www.nri.com/-/media/Corporate/jp/Files/PDF/knowledge/report/fis/thoughtleader/2016/itf_201603_2.pdf?la=ja-JP&hash=5FDFC46E27C6D7C354F8439F54BA4A5F31D3A5FC

総務省 平成30年度版 情報通信白書
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd145210.html

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