石川雅俊

石川雅俊

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男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑰ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!⑤ 2024.6.10(193)

【B型肝炎・C型肝炎】 肝臓に炎症を起こすウイルスの感染症。ウイルスにはA型、B型、C型、E型があり、このうちB型とC型は性行為で感染する可能性がある。性器などに局所的な症状は現れず全身症状のみなので、自分では性行為感染症と気づきにくい。 〔おもな症状〕継続する全身のだるさ、疲労感、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢など。 〔感染経路〕コンドームを使用しないセックス、オーラルセックス、アナルセックスなど性行為全般による体液、血液を介した感染。また注射器の共有や入れ墨・タトゥーを入れ

    • 男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑯ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!④ 2024.6.9(192)

      【尖圭コンジローマ】 ヒトパピローマウィルス(HPV)が、性器の粘膜や皮膚の小さな傷口から侵入して感染する。180種類以上あるHPVのうち、ローリスク型の感染によるもの。ハイリスク型のHPVは、子宮頸がん、咽頭がん、陰茎がん、膣がん、肛門がん、外陰がんの発症に強く関連している。HPVは、性交経験がある人のすべてが人生で一度は感染するともいわれている。 〔おもな症状〕性器や肛門、その周囲に、大きさが1~3ミリほどの先が尖っているイボができ、ニワトリのトサカ状、あるいはカリフラワ

      • 男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑮ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!③ 2024.6.8(191)

        【カンジダ症】 カンジダ菌という真菌の感染症で、無症状の場合も多い。カンジダ菌は健康な人の性器や皮膚、口腔内、直腸などさまざまな部位に存在する常在菌で、これが免疫力の低下などで増殖した場合(自己感染)や、増殖した人との接触感染で発症する。 〔おもな症状〕亀頭や陰茎の水ぶくれ、ただれ、かぶれ、カサつき、皮がむける、赤くなる。尿道の痛み、かゆみ、違和感など。炎症が悪化すると尿道から白いカスのような分泌物がみられることもある。 〔感染経路〕自己感染の場合は、免疫力の低下や抗生物質の

        • 男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑭ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!② 2024.6.7(190)

          【非クラミジア・非淋菌性感染症】  マイコプラズマ、ウレアプラズマなどの細菌による感染症で、クラミジア感染症に似た症状をあらわす。クラミジアおよび淋菌の検査が陰性の場合、この病気が疑われる。性器への感染のほか、のどや口腔にも感染する。 〔おもな症状〕性器に感染した場合は、尿道のかゆみ、ムズムズ、違和感。排尿時の痛み、熱感、しみる感覚。睾丸の痛み、腫れ。口に感染した場合は、口腔内や口のまわりの痛み、腫れ、違和感、咳など。 〔感染経路〕感染者とのコンドームを使わないセックス、オー

        男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑰ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!⑤ 2024.6.10(193)

        • 男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑯ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!④ 2024.6.9(192)

        • 男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑮ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!③ 2024.6.8(191)

        • 男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑭ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!② 2024.6.7(190)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑬ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!① 2024.6.6(189)

          【クラミジア感染症】  クラミジア・トラコマチス菌の感染症。性感染症の中でもっとも多くみられる疾患。比較的おだやかな症状で、無症状の患者も多い。感染部位により「性器クラミジア感染症」「咽頭クラミジア感染症」がある。 〔おもな症状〕性器に感染した場合は、尿道のかゆみ、ムズムズ、違和感。排尿時の痛み、熱感、しみる感覚、透明な膿。睾丸の痛み、腫れ。のどに感染した場合は、口腔内や口のまわりの痛み、腫れ、違和感、咳など。 〔感染経路〕感染者とのコンドームを使わないセックス、オーラルセッ

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑬ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!① 2024.6.6(189)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑫ 賢く治すための〝性感染症セルフチェック〟〝性感染症ガイド 2024.6.5(188)

          自覚症状が現れ不安になったら、次の2段階ガイドを参考にした上で医療機関を訪ねて診察を受けましょう。重複感染や、性感染症以外の病気の可能性もあるので、自己診断はくれぐれも禁物です。 【STEP1】症状をもとに、どの病気に感染した可能性があるかを調べる 【STEP2】それらの病気について予後や治療法、受診のポイントを理解する 【STEP1】症状から〝可能性のある病気〟を知る! 性感染症セルフチェック 症状が出ている部位はどこですか? 以下から該当する部位を選び、当てはまる症

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑫ 賢く治すための〝性感染症セルフチェック〟〝性感染症ガイド 2024.6.5(188)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑪ B型肝炎、HPVに予防ワクチンという手もある 2024.6.4(187)

          コンドームの装着は性感染症の〝暴露前予防〟の一つですが、もう一つ有効な暴露前の予防法として、ワクチン接種が挙げられます。  性感染症のうち、B型肝炎と、子宮頸がんや尖圭コンジローマ等を引き起こすHPV感染症に対しては、すでに有効なワクチンが開発されています。自身のセックスライフについて「感染リスクが高い」と自覚している場合は特に、あらかじめ接種を受けておく事が一つの賢明な予防法になります。  このうちHPVワクチンは、特に女性にとって非常に重要な意味があります。  18

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑪ B型肝炎、HPVに予防ワクチンという手もある 2024.6.4(187)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑩ 性感染症を防ぐ3つの「NO」! 2024.6.3(186)

          性感染症の予防法については、「ノーセックス(NO SEX)、セーフセックス(SAFESEX)、セーファーセックス(SAFER SEX)」と表現される事があります。「ノーセックス」とは、決して性生活を放棄するよう求めているわけではなく、「不特定多数や見知らぬ相手とは、セックスをしない」という意味です。もちろん性風俗サービスの利用も含まれます。 セックスライフは人それぞれであり、全ての人に適切な予防をしてもらうことは難しいでしょう。性風俗サービス利用や不特定多数の相手とのセック

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑩ 性感染症を防ぐ3つの「NO」! 2024.6.3(186)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑨ 治療をやめると身体の中で薬剤耐性菌を作り出すことも 2024.6.2(185)

          「中途半端な治療」は、さらに別の問題も引き起こします。近年、増加している薬剤耐性菌を、自分の身体の中で作り出し、世の中に放出してしまう危険があるのです。 薬剤耐性菌とは、それまでは効いていた特定の薬が効かなくなった菌のことをいいます。中途半端な服薬治療、つまり容量や飲む期間が不充分だと、体内の菌は弱ったまま残存する事になります。すると、菌のほうも生き延びようと必死に抗生物質への抵抗力をつけ、その結果、耐性を獲得してしまうことがあるのです。 こうなると、以前の抗生物質は効き

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑨ 治療をやめると身体の中で薬剤耐性菌を作り出すことも 2024.6.2(185)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑧ 女性にうつすと、不妊、流産・死産、母子感染させてしまう怖れも 2024.6.1(184)

          パートナーが女性の場合、性感染症にかかると、男性とは異なった問題が生じます。女性特有の問題は、不妊症、妊娠中の感染による流産や死産、母子感染等です。  女性がクラミジア感染症に感染した場合、無症状や軽症の場合も多いため、女性は感染に気づくことができません。そして治療がおこなわれなければ、不妊症になる可能性があるのです。また妊娠中に感染した場合、流産や死産を引き起こしてしまう事もあります。  また、妊娠中の女性に梅毒をうつしてしまった場合、赤ちゃんの感染率は60~80%とさ

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑧ 女性にうつすと、不妊、流産・死産、母子感染させてしまう怖れも 2024.6.1(184)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑦ 「人にうつさない」「悪化しない」ための過ごし方 2024.5.31(183)

          性感染症について調べると、それぞれの病気について「感染経路」を知ることができます。この情報は、生活上の注意点として活用可能でしょう。 例えば、感染ルートがセックスのみの場合は、治療が終わるまでセックスを控えれば問題ありません。しかし病気によっては、タオルや食器の共用を避けるべきケースがあります。家族やパートナーに感染させないためには、そういった事に気をつける必要が出てくるのです。  一般的には、受診前の生活上の注意点はおおよそ以下のとおりです。 ①患部をつねに清潔に保つ

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑦ 「人にうつさない」「悪化しない」ための過ごし方 2024.5.31(183)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑥ 「かかったかも?」という局面での手順をおさえておこう 2024.5.30(182)

          注意しておきたいのは、感染から一定期間を過ぎると、表面的な症状が消え、知らぬ間に進行していく病気です。 近年、患者数が激増している梅毒は、感染後に性器や肛門周辺に無痛性のしこりや潰瘍ができます。しかし、これらはいったん消失するので、ついホッとして受診をやめてしまうのです。ところがそのまま治療しないでいると体内で菌が増殖を続け、数年から十数年という長い経過をたどり、最終段階で脳の障害、手足の麻痺、失明等、重篤な状態に陥るのです。 現在、性感染症の治療法は確立されていて、早期

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑥ 「かかったかも?」という局面での手順をおさえておこう 2024.5.30(182)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑤ 性感染症は自然に治る病気ではない 2024.5.29(181)

          「かかったかもしれない」、そう気づいてから、どれだけ迅速かつ、適切なアクションをとることができるか――、それが病気の予後をはじめ、ダメージの大きさを左右します。 多くの人はインターネット等を通じて、本当に感染したのか、どのような病気なのかを、自分で調べる事でしょう。その際に、「決して自己判断をしない」事も重要です。 性感染症は、風邪のように、「放っておいても治る病気」ではありません。最初は軽微な症状で始まり、それがいったん治まったり、特に悪くなる様子がみられかったりして、

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑤ 性感染症は自然に治る病気ではない 2024.5.29(181)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編④ 全身症状のある性感染症に注意 2024.5.28(180)

          もうひとつ覚えておきたいのは、性感染症によって、全身症状が引き起こされるケースでしょう。 先にお伝えした咽頭クラミジア感染症、咽頭淋菌感染症、HIV/AIDSなどの場合、のどと口腔内の症状の他に、熱や筋肉痛など全身症状があらわれる事があり、そのため益々風邪と誤解してしまいやすいのです。 また、蕁麻疹や赤い斑点が生じ、アレルギー性疾患と思い込み受診したら、実は、梅毒やHIV/AIDSだったというケースや、長引く全身のだるさ、疲労感、嘔吐、下痢、食欲不振の原因が、B型・C型肝

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編④ 全身症状のある性感染症に注意 2024.5.28(180)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編③ 知っておきたい性感染症の意外な「嘘」「本当」 2024.5.27(179)

           性感染症の情報は、誰にとっても必須の知識だといえるでしょう。ただし日常で表立った話題になりにくいこともあり、多くの人が誤った知識に惑わされているかもしれません。 「性器に症状が出ていないから大丈夫」 「性風俗サービスを利用していないから大丈夫」 「パートナーとシャワーを浴びてからセックスをしているから大丈夫」 「コンドームを使っているから大丈夫」 「症状が出たけれど、自然に治ったから受診しなくても大丈夫」  こんな勘違いをしていないでしょうか。 感染していても無症状の

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編③ 知っておきたい性感染症の意外な「嘘」「本当」 2024.5.27(179)

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編② 罹患件数の多い疾患とは 2024.5.26(178)

          現在、日本において圧倒的に罹患件数が多い性感染症はクラミジアです。 これは、クラミジア・トラコマチスという菌に感染して起こる病気で、1~2週間の潜伏期間の後、排尿時の痛み、かゆみ、頻尿、尿道からの分泌物等の症状があらわれます。 比較的、予後はよいものの、5%くらいの患者さんは悪化して副睾丸炎(精巣上体炎)を発症し、睾丸に強い痛みや腫れ、発熱等を起こし、場合によっては不妊の原因につながるという指摘もあります。 厚生労働省が公表した医療機関の定点調査によれば、2019年のク

          男性のヘルスマネジメント 性感染症編② 罹患件数の多い疾患とは 2024.5.26(178)