男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑦ 「人にうつさない」「悪化しない」ための過ごし方 2024.5.31(183)

性感染症について調べると、それぞれの病気について「感染経路」を知ることができます。この情報は、生活上の注意点として活用可能でしょう。

例えば、感染ルートがセックスのみの場合は、治療が終わるまでセックスを控えれば問題ありません。しかし病気によっては、タオルや食器の共用を避けるべきケースがあります。家族やパートナーに感染させないためには、そういった事に気をつける必要が出てくるのです。

 一般的には、受診前の生活上の注意点はおおよそ以下のとおりです。
①患部をつねに清潔に保つ
②患部を触ったら、必ず手洗いをする
③自分で水泡を破ったり、イボを取ろうとしたりしない
④可能性のある病気によっては、タオルや食器の共用を避ける
⑤セックスやキス等の濃厚な接触を避ける

基本的に、発症まもなくはウイルス量が多く、感染力が強い時期にあたります。そのため感染を広げないよう、患部に触れたら必ず手洗いを励行しましょう。ついやってしまいがちなのは、患部に水泡ができた場合に「つぶしたほうが早く治るだろう」と考え、指や尖ったもので水泡を破ってしまうパターンです。これは、まったくの逆効果で、症状が治まるのが遅れる他、新たな細菌に感染したり、痕が残ったりすることがあります。

 性感染症には、もうひとつ覚えておいてほしい重要な特徴があります。

あなたが性感染症にかかった場合、パートナーも感染している可能性があります。この時、あなただけが治療を受けて治ったとしても、パートナーと性交渉をする事でまた感染してしまうかもしれないのです。

このようにパートナー間で感染を繰り返す状況は〝ピンポン(=卓球)感染〟といわれ、残念ながらめずらしいことではありません。完全に治すには、パートナーと一緒に治療することが欠かせません。

 よくみられるのは、自分の感染がわかっても、パートナーの女性に症状が出ていないと「うつっていない」「大丈夫だ」と希望的な解釈をしてしまい、パートナーに検査や治療を受けさせずにすませてしまうパターンです。デリケートな話題なので、なかなか言いにくい部分もよくわかるのですが、ピンポン感染を防ぐためにもちゃんとパートナーにも報告が必要です。特に女性は無症状のケースが多いので、たとえ症状が現れていなくても、受診が必要なのです。

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