男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑮ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!③ 2024.6.8(191)

【カンジダ症】
カンジダ菌という真菌の感染症で、無症状の場合も多い。カンジダ菌は健康な人の性器や皮膚、口腔内、直腸などさまざまな部位に存在する常在菌で、これが免疫力の低下などで増殖した場合(自己感染)や、増殖した人との接触感染で発症する。
〔おもな症状〕亀頭や陰茎の水ぶくれ、ただれ、かぶれ、カサつき、皮がむける、赤くなる。尿道の痛み、かゆみ、違和感など。炎症が悪化すると尿道から白いカスのような分泌物がみられることもある。
〔感染経路〕自己感染の場合は、免疫力の低下や抗生物質の服用が原因となる。包茎、糖尿病、ステロイドの利用者もかかりやすい。また他者との接触感染の場合は、コンドームを使わないセックス、オーラルセックス、アナルセックスがおもな感染経路。ただし感染力はあまり強くないので、シャワーなどで清潔を保つことが有効な予防になる。
〔潜伏期間〕接触感染の場合は3日~1週間前後。
〔検査可能な時期〕疑いがある接触から24時間以上経過していれば検査可能。
〔検査と治療〕病変部を綿棒でこすって培養し、結果は1週間前後で判明。治療は抗真菌薬の外用。
〔放置した場合〕非常に軽症である場合は自然治癒するケースもみられるが、かゆみや痛み、分泌物などの症状が生じている場合は投薬治療が必要。放置すると慢性化してしまうケースがある。

【トリコモナス症】
トリコモナス原虫という小さな寄生虫が原因の性感染症。クラミジア感染症や淋菌感染症との判別が難しい。性行為以外でも感染するので、性的な体験がない人や幼児でも罹患する可能性がある。
〔おもな症状〕尿道の痛み、かゆみ、違和感。ただし男性の大半、女性の半数が無症状。
〔感染経路〕セックス、オーラルセックス、アナルセックスなど性行為全般のほか、下着、タオル、石鹸、便器、浴槽などからも感染すると報告されている。
〔潜伏期間〕10日前後
〔検査可能な時期〕疑いがある接触から3日以上経過していれば検査可能。
〔検査と治療〕検査は顕微鏡による鏡検、尿の培養。結果は1週間程度で判明。治療は抗原虫薬の内服。服用中はアルコールの分解遅延が起こり、飲酒すると悪酔いした状態になるので、投薬治療中はかならず禁酒する。
〔放置した場合〕精巣上体炎に進行して不妊症になるケース、尿道炎が悪化して尿道が狭くなり排尿困難になるケースがみられる。女性の場合、悪化すると不妊症や早産、流産をまねくことがあるため、うつさないよう注意が必要。

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