男性のヘルスマネジメント 性感染症編⑭ 病気の特徴を詳しく知って受診・治療の参考に!② 2024.6.7(190)
【非クラミジア・非淋菌性感染症】
マイコプラズマ、ウレアプラズマなどの細菌による感染症で、クラミジア感染症に似た症状をあらわす。クラミジアおよび淋菌の検査が陰性の場合、この病気が疑われる。性器への感染のほか、のどや口腔にも感染する。
〔おもな症状〕性器に感染した場合は、尿道のかゆみ、ムズムズ、違和感。排尿時の痛み、熱感、しみる感覚。睾丸の痛み、腫れ。口に感染した場合は、口腔内や口のまわりの痛み、腫れ、違和感、咳など。
〔感染経路〕感染者とのコンドームを使わないセックス、オーラルセックス、アナルセックスをはじめ、のどの場合は感染者とのディープキスでも感染する。
〔潜伏期間〕2日~1週間前後。
〔検査と治療〕疑いがある接触から24時間以上経過していれば検査可能。検査方法は尿検査、およびうがい液のPCR検査。結果がわかるまで1週間前後。治療は抗生物質の内服
〔放置した場合〕自然治癒はしない。放置すると慢性的な前立腺炎や精巣上体炎に進行して不妊症になるケース、尿道が炎症を起こして狭くなり排尿困難になるケースがみられる。
【ヘルペス症】
単純ヘルペス1型および2型への感染症。「性器ヘルペス症」あるいは「口唇ヘルペス症」を発症し、髄膜炎や脳炎を引き起こすこともある。治療ではすべてのウイルスを死滅させることができないため、一度感染すると体内に半永久的に残り続け、疲労やストレスなどにより再発することが多い。
〔おもな症状〕性器、肛門、口やその周辺に、ブツブツ、水ぶくれ、できもの、しこり、赤い発疹、ただれ、かぶれ、カサつき、皮がむける、赤くなる、などの症状が出現する。痛みが強く、鼠径部のリンパ節にも痛みをともなう腫れがみられるケースがある。また初回の感染では、発熱などの合併症もみられる一方、無症状の感染者も多くみられる。
〔感染経路〕感染者との接触により粘膜や傷ついた皮膚から感染する。コンドームを使わないセックス、オーラルセックス、アナルセックスがおもな感染ルート。キスでも感染するので注意が必要。
〔潜伏期間〕初回感染の場合は4日~1週間前後。比較的、急激に発症する。
〔検査可能な時期〕疑いがある接触から24時間以上経過していれば検査可能。
〔検査と治療〕検査は水泡内容物による抗原検査、およびPCR検査。結果は抗原検査では15分程度、PCR検査では1週間前後で判明。治療は抗ウイルス薬を内服し、ウイルスの活動を抑制する。
〔放置した場合〕水ぶくれや発疹の痕が残る、他者に感染させてしまうなどのリスクがある。またHIVへの感染リスクが高まることに留意しておく必要がある。
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