見出し画像

【おもひでドバドバ】体に溜まった毒素、ぜんぶ修善寺に置いてきた。②

前回の記事はこちら↓

修善寺の毒素垂れ流しスポット


3.なんかエモい竹

修善寺を出て正面に見える桂川を渡ると、ちょっとしたお散歩コースが出現する。中でも「竹林の小径」はなかなか見ごたえがある。

木看板の右手から、竹藪の壁をモーセの海割りのようにぱっくり開いたような小路が奥へ続いている。吸い込まれるように中へと入っていく。

夜はライトアップされるゾ

左右を硬い緑に挟まれた石畳の上をとことこ歩く。視界はすぐに地面に突き刺さった筒状の棒でいっぱいになる。息をするたびに木々の湿ったような香りで肺が満たされる。

林の隙間からすぐ脇をながれる桂川の清流の音がさらさらと聞こえてくる。その音に交じって頻繁に「ホーホケキョ」という聞きなれた声が合わさる。
よーく目を凝らすと、体は青色でおなかがオレンジ色の手のひらサイズの鳥がせわしなく飛んでいる。

竹は思ったより背が高い。
調べたところ、大きいもので15~20メートルぐらいだそうだ。その中にまだすこし背の低い少年少女の竹や、まだ皮を被ったもの(笑)が混じっている。笑うのはよくない。

恥じることはないよ!

道そのものは200メートルぐらいで終わってしまう。ちょっと短いけれど、かるく左右にうねった道と中央にある休憩スペース、なにより大きな竹を見上げながら進むため実際以上に長く感じる。

竹の生命力はすさまじい。近年では驚異的な繁殖力による環境被害まで懸念されるようになり、「竹害」という言葉まで登場した。

そんな憂いなどお構いなしとばかりに、彼らは上へと真っすぐにぐんぐん伸びる。つい羨ましくなる。

竹はな、どんな天候でも生きていく、しなやかさがあるんだ!
みんな竹を見習おう!タケタケバンブー!!!

4.茶庵「芙蓉」

少し歩けば小休止。ジジイはほんとすぐ疲れる。運動しよう運動。よし、今は連休中だからしっかり休んで、休み明けからランニングしよう!(願)
いやほんと運動しなきゃやべえな。

さて、温泉郷から15分ほどのところに、明治時代に建てられた古民家を改装した激渋カフェがある。なんと築100年というから驚きだ。

道中はメイン通りから外れた枝道を通るので少し緊張する。
家々の隙間を縫って脇道に入ると、小さな畑やジブリ作品のような木々のアーチなど、いかにも田舎のノスタルジックな風景が眼前に広がる。
「本当にここで合ってるか?」と半信半疑のまま、舗装されていない砂利道を上がっていく。

(?)「めぇぇぇいちゃゃゃゃゃゃん!」

もうすこし斜面を上ると目的地は現れる。
「商い中」の札を目印に麻の暖簾がかかった門扉をくぐる。

するといかにも古そうな木造建築がひっそりとそこにある。入口のすぐ左手には500ミリのペットボトルサイズの盆栽が横にズラリと等間隔で並べられている。
玄関前まで行くと、ドア枠に引っ掛けられた銅鑼(どら)と「銅鑼をお叩きください」の案内書きが目に飛び込んでくる。

やだなにこれすごぉぉい……

なんとも粋な演出である。手元の棒をふんわり掴んで、力加減に注意しながら銅鑼を小突く。

頭の芯まで届くような魅惑の音色が四方に広がり思わず耳を澄ませてしまう。一瞬時が止まったような静けさを待ったのち、とっても気さくな店員さんが案内してくださる。

通されたのは建物横にあるテラス席。せっかくの古民家を味わえないじゃないかと思うなかれ、このテラスからの眺望は大パノラマである。

はい、勝ち。

正直ここで茶をするためだけに修善寺に来る価値があると思う。
山。空。川。鳥。花鳥風月はすべてここにある。

メニューがまたいい。
抹茶アイスや抹茶白玉あずきなど静岡県らしい抹茶スイーツに加え、自家製梅ジュースや修善寺サイダーポンチなど初夏の味も愉しめる。

私が注文したのは「冷抹茶(季節の上生菓子付き)」。


”季節”のとあるように、生菓子の種類はその時々で変わるようだ。
今回頂いたのは「すずらん」の装いである。まるい生垣にちょこんと添えられたすずらんの姿がなんとも可愛らしい。

刃を入れるのが非常に後ろめたいが食欲にはかなわない。

できるだけ丁寧に楊枝の先を通して一口大に切る。緑の間からしっとり色づいたあんこの黒が顔を覗かせる。落とさないように気を付けながら口へと運ぶ。美味い。

続いてひんやりと冷えたお抹茶を啜る。力強いお茶の苦みが口の中いっぱいに広がる。後味の重くなりがちなあんこの甘みがさわやかに流れていく。

美味いに決まってるんだよなぁ。

しばらく休んだ後、せっかくなので建物を覗かせて頂いた。

利休もぶちアガる茶室

どこをどう切り取っても画になってしまう。綾鷹のCMだなぁといういかにも凡な感想しか浮かなばい感性が嘆かわしい。

とはいえ、これだけのロケーションがあればCMの1つや2つ務まるのではないか?「選ばれたのは、綾鷹でした」。言ってみたい。吉岡里穂と共演したい。一緒にお茶したい。やがて逢瀬を重ねたい。結婚したい。結婚しよう。綾鷹婚しよう。

やせ蛙まけるな一茶これにあり。

おわりに

さて、いかがだっただろうか。

実は他にも名所を巡ったのだが、ちょっとここでは書ききることが出来ないので気になった人は実際に足を運んでみてほしい。

このあと帰りがけに熱海をふらっと観光したのだが、異常な混雑ですぐに撤退するという苦い経験をした。それに比べて修善寺は圧倒的に空いている。
混雑を避けるという意味でも修善寺はぜひおすすめである。

あぁ毒素、めっちゃでた♡

おしまい。


この記事が参加している募集

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?