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向いているの、向いていないのどっち? (旅の適性チェック・その1)


「旅先で、危ない目にあったことはある?」
これは、私が実によく訊かれる質問だ。
単身、女の身で、いわゆる先進国から辺境の地まで二十年以上巡っているが、私の場合は幸いにも「ない」と答えることができる。

まぁ、サハラ砂漠にあるオアシスの街で、顔見知りの少年に乳をムンズと掴まれたことぐらいはあるけれどね。「何するの!」って怒ったところ、少年はあわてて「パルス! パルス! パルス(脈)を診ようと思って。ちょっと疲れてるみたいだから」とのこと。
「ばっかもーん! 乳で脈が取れるかーい!!」
こういうときは日本語でぜんぜんOKなので、しっかり怒鳴るのが肝だ。胸を捕まれれたショックでボーゼンとしていると、「あれ、触ってもいいのかな」と相手に誤解させてしまいます。
でもこれくらいの騒ぎはトラブルのうちにも入らず、よくあるっちゃあ、ある。

はい。話がヨコに逸れたので戻すが、
「でも、やっぱり個人旅行は危険なの? どのくらい危ないの?」と問われれば、それは何とも言えないのが正直なところ。個人の資質やそれまでの経験値にもよる。行く場所によって難易度もまったく違う。
かく言う私でも、あくまでも今までは大丈夫だっただけであり、この先はわからない。

なので「このマガジンさえ読めば、みなさん! 海外旅行はダイジョーブデスヨー!」と言ってあげたいところだが、正直者の私としてはそうも言い切れない。
やはり向いている人もいれば、向いていない人というのもいると思うのだ。
「『適性』さえ合えば、トラブルに遭わない確率は高いです」ぐらいしか書けない。

そう。適性というのが確かにある。たとえこのマガジンを読んでもリスキーな人は、根本から自分を変えない限りリスキーなままだ。

旅先で、同じ旅行者同士で会話をしているうちに、「なんだかアナタ、めちゃくちゃトラブルに巻き込まれてませんか?」とか「今まで、よく命があったよね」と思わず相手の身を心底案じてしまう人種、というのが確実にいる。案外いる。
そんな人たちは言わんこっちゃない、ってほど外を歩けば棒(トラブル)にあたる。あまり単身で旅をしないほうがいいのではと、おせっかいながらつい思ってしまう。できれば、それこそまずはツアーで出掛けてはどうか。さもなければ頼れる友人などと旅行して、スキルアップに努めてはどうだろうか、と。

なので私の経験から、あまり向いていない人の傾向をピックアップしてみた。もちろん私だってすべての条件を完璧に満たしているわけじゃない。そう、完璧じゃなくてもいい。弱点さえわかれば、気をつけることもできる。
今ここで、自分に問うためにも、己の性格と照らし合わせてみてほしい。


【1】一番わかりやすい向いていない人は、この犯罪発生率の低い、治安がいいと言われる我が国日本においてさえ、何回もスリや置き引きにあってしまう人 。

いるでしょう。春先でもないのに、四季を問わず生息しているウララカなお人が。
まぁそんな方は、誰でもご想像できるだろうが、外国ならよりカモネギだ。
トラブルに見舞われる確率がものすごーく高い。本人に自覚があるといいのだけれど、あまりボンヤリ度がハイレベルなのであれば、ちょっと個人旅行は危険かもしれない。まず、国内旅行をして修行を積んではどうだろうか。


【2】次に来るのが、「疑わない人」 

老い先を見据えて一軒家からマンションに引っ越した、私の母。その住まいには1階の住人の特権として、かわいい庭がついている。マンションの各庭は簡単なフェンスで仕切られているだけなのだが、その隣の女性は自分の庭に出るついでなのか、よくジロジロと母の家の中を覗き込んでくる。母のところへ遊びにきた私は、その不躾な視線に思わず閉口したのだが、我が母はひと味違った。
「あの人本当にいい人だから、毎日ウチを気にかけてくれるの♡」と両手を合わせて感謝するのだ。本当にオメデタイですよね。
女子校育ちの温室育ちとはいえ60歳そこそこの母は、常に監視が必要なボケ老人でもなく、女の一人暮らしでもない。何か病気があるわけでもなく、むしろ私よりバイタリティがあるというか。
「いったい何を気に掛けてもらいたいんだ」とツッコもうとしたけれども、これからの母と隣人の長い付き合いを考えて、その雑言をぐっと飲み込んだ次第。
その隣人はドロボウでもなく、単に下世話な人なのかもしれないが(そうでなくては困るんだけど)、その覗き見行為以上に私を仰け反らせたのは、母の恍惚とした呑気さであり、ある種の尊敬の念さえ覚える人の良さであります。こんな感じに私に似てない母は、まったくと言っていいほど放浪の旅には向いていません。  

とにかく「あの人、本当いい人だよね〜!!」と、なんでも真っ正直から受け取れる心根の澄んだ人よりは、私のように「あんなにいい人って本当にいる? 何かウラがあるんじゃないの?」といちいち斜に構えて疑ってしまう、そんなちょっと残念な人のほうが、哀しいかな、海外旅行には向いてます。

そんな人は友だちは少ないかもしれないけれども、人生はプラマイゼロ。いいこともあります。海外旅行ではトラブルに遭いにくいと言えましょう。

残念なことに旅先でのトラブルというのは、「人」によってもたらされることがほとんどだ。人災は気を抜きさえすれば、いとも簡単にスルリとやってくる。とりわけ旅行者はターゲットにされやすい。呑気に人を信じたために泣くのは自分だ。性善説ではやっていけないのが、海外旅行。まず人をどこかで警戒し、観察しながら進まなくてはならないのだ。

( 今回は殺伐として終了! その2へ続く )



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😍 サッカーの久保建英くん、マジすごいんですけど……!
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出版社勤務ののちフリーランスの編集者、ライターに。🌿仕事、子育て、旅、暮らしを通して、日々の気づきをつぶやきます(鋭意更新中‼︎)⭐️放浪の旅の準備すべきアドバイスを書いています。
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