子連れ客と他のお客さんとの板挟みに高級ブランド店はどう応える?
こんにちは。
牧 菜々子です。
小さい子どもが、お店の中で騒ぐ。
赤ちゃんの泣き声が、響き渡ることもあります。
他のお客さんから、クレームが来るかもしれない。
かといって、子連れ客を断ることもできない。
こんな板挟みに、高級ブランド店は、どう対応するのか?
どちらも満足させる、究極の声掛けがあります。
それが、「私どもで関わらせていただきます」というものです。
「私どもで関わらせていただきます」
高級ブランド、エルメスの店員さんに、聞いたことがあります。
「小さい子どもがお店で騒いだら、どうなさっていますか?」
すると、店員さんは、こうおっしゃいました。
「お子様が騒がれても、私どものほうで、一緒に遊んだり、お話したり、気が紛れるように関わらせてもらっています。」
たしかに、ブランド店では、子どもへの声掛けが多い。
すぐに子どもにジュースが出て来ますし、いすやソファーに案内してくれたりもします。
店員さんが、子どもの相手をしてくれたり、泣き止ませてくれたり、問題があれば支障を取り除いてくれたり。
「私どものほうで、関わらせていただきます」。
子連れ客にとってはありがたく、心強い対応です。
他のお客さんへの対応
一方で、他のお客さんは、子どもの泣き声が気になるはずです。
「他のお客さんから、クレームが来ることもありますよね?」
そう聞いてみると…。
「それは、大丈夫です。
お気になさらないでくださいね。」
たとえ、他のお客さんからクレームが来ていたとしても、子連れのお客さんに対しては、「大丈夫です。お気になさらずに。」というスタンスなのです。
つまり、他のお客さんに対しても、店員さんたちがきちんと対応してくれているということです。
おそらく、「申し訳ございません。今、静かにしてもらえるように対応しております。」ということを言っているはずです。
そして、それは事実です。
騒ぐ子どもが静かになるように、一緒に遊んでくれたり、ジュースをくれたり、店員さんが関わってくれるわけですから。
つまり、他のお客さんに対しても、「私どものほうで関わらせていただきます」という対応。
子連れ客にも、他のお客さんにも、同じ内容で対応していることになります。
どちらのお客さんにも関わってくれる
子どもの泣き声が気になるお客さんも、静かにさせようともせずに店員さんが関わろうとしていなければ、不快感を持つはずです。
逆に、店員さんが関わっていることが分かれば、自身の意向がちゃんと伝わっているということになります。
子連れ客にも、他のお客さんにも、「関わる」ことで、板挟みに応えている。
人員や、お店の運営に余裕がないと、こうはいきません。
でも、どちらかを無碍にすることなく、どちらのお客さんにもまた来てもらうことを考えると、こういう対応になるのでしょう。
両方を満足させる解決策。
それが、「私どもで関わらせていただきます。」なのです。
この姿勢を貫けるのは、このやり方が双方にとって最善だということの証なのかもしれません。