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ヒハマタノボリクリカエス 2018

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何故生きるのか? 心が疲れてしまった女子高生の、再生の物語です。僕たちの10代の数年を、ある事実とある視点を交えて、フィクションとして書きました。 サポートや、シェア、スキを… もっと読む
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2018年10月の記事一覧

ヒハマタノボリクリカエス 10

 自分が描くわけじゃないけど、手に汗が出た。  そういえばハルは一年ぶりに人を描くよね。 …

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 11

 いやいや、ハルさん、私、バイクの後ろに乗るなんて初めてですけど。  ハルはそんな怖がる…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 12

 家に入るのを私が躊躇するとわかっていたようだ。  家に着くと、ハルはさっさと先に入って…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 13

 私達は電車に乗った。  三百二十円の切符を片手に、揃って座席に腰をおろした。   この三…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 14

「よろしく、俺ゴンちゃん」  握手をした時、口元にピアスが四つあるのが見えた。この人はど…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 15

 酒だ、酒。  呑まないとやっていられない。  「トレインスポッティング」にはまともな人が…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス16

 私はハルに申し訳がなかった。  きっと、まだみんなと一緒にお酒を呑んでいたかったと思う。それが、私のせいで、途中で離脱するはめにになった。私がハルなら、つまらない女、空気の読めない女って思うに違いない。  ハルはバイクで送ってくれると言った。  私はそれに甘えた。ハルとバイクが置いてあるタカシの家まで歩いた。  まだ夜ではないから、駅前は人もたくさんいる。  私には、彼らがみんな幸せに満ち溢れているように映った。  どうして私なのだろう。  笑いながら歩く前のカップルじゃな

ヒハマタノボリクリカエス 17

 夏休みはただ早かった。  寝て、寝て、寝ていたらもう新学期。  もちろん学校への足は相変…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 18

 学校はクソつまらない。  クソなんて言葉、口には出さないけど。  ココロのなかでだけ思っ…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 19

 ハルの単車でタカシの家までワープ。  道中、バイクのことを単車って呼ぶということを教え…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 20

 今日は待ちに待ったハルとテートの日。  楽しみにしていた癖に、約束の時間ぎりぎりに着い…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス21

 しばらく進むと一軒の古ぼけたレストランがあり、ハルに連れられて中に吸い込まれた。  店…

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス 22

 痩せているハルが言うから、まあ説得力はある。  けど、こういうストレートに語るかな。  …

真木崇志
5年前
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ヒハマタノボリクリカエス23

 そこは、おかまバー、じゃなかった、ゲイバーだった。  いきなり濃いキャラのおかま、じゃなかった、濃いキャラのゲイに迎えられた。  濃いキャラのゲイはついでに髭も濃かった。  ま、どうでもいいけど。  なんか、最近こうやって人を観察する癖がついてしまっている。  それもゴンちゃんに会ってからだ。  髭のゲイにも驚いたけど、席に着いた時、もっと驚いた。  あの写真の男の子がいた。  あの写真展の作品のなかのとくに気になっていた、あの彼だ。  どうして?髭のゲイは名前をユウだと、