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【第16話】そしてまたフリーターに
「いやぁ、インドネシア人なんだし、これくらいでいいでしょ」
そんな声が聞こえてくるような契約書が作成されてきて、
「これ送っておいて」
と渡されました。
え、なに考えてるんだろう、今まで自分がやってきたことって「この人たちだけ」が儲かるようなめちゃくちゃなものだったんだ。
その会社がインドネシアに工場を建てようとしていたので、そのためにぼくはインドネシアの方でも色々な人を巻き込んで、色ん
【第15話】コーヒーに本気で向き合い始めた時期
製薬会社で猛烈に働くかたわら、コーヒーの専門学校に通い始めました。
コーヒーを学び始めた理由は2つありまして。
1つはこれから自分の手で仕事を出来る技術を身に付けたいということ。
もう一つは日本人の日常生活の中で欠かせないものの中から選ぼうとしていたので、日本人が毎日していること、持っているもの、飲んでいるもの、食べているものをずっと観察していました。
すると、どこの駅前にもコーヒーショップ
【第14話】また一歩先に進む一歩を踏み出した瞬間
「そうか君がリノくんか。妻から話は聞いてるよ。今まではどんなことをしてきたんだい?」
「今までは日本語学校に通っていたときは主に百貨店のデパ地下で働いていたり工場で働いていたり、
日本語学校を卒業をしたあとはITの専門学校に行って、その後就活をしてコンビニの会社に就職して、
新規店舗の開発などをやっていました。
そこの仕事が忙しすぎてちょっと自分がなにをして生きていきたいのかがわからなくなって
【第13話】先生のご主人
日本語学校時代の先生の家にパソコンを教えに行き、2、3時間くらいインターネットのつなぎ方だったり、メールの書き方だったり、検索の仕方だったりを教えたあと、先生がお茶を淹れてくれました。
「そういえばリノくん仕事してないって行ってたわよね?就職活動とかはやってるの?」
「ハローワークからの紹介とかはあるんですけど、いまはまだどこかに就職しようという気はあまりないですね。」
「そう実は主人がね、
【第12話】仕事地獄からの解放。そして。
そのコンビニの会社を辞めた後はしばらくフリーターをやっていました。
それまでが働きすぎていたので少しゆっくりしたいなと思って特に何をするわけでもなく、ふらふらと過ごしてたんです。
幸いなことに失業保険がすこしもらえたので、
久しぶりにどこでも働かずに気楽に過ごせました。
働かない生活ってこんなにも楽しいんだ、とこれまで何年間か働くということが生活の8割以上を占めていた生活を送っていたちょっと前ま
【第11話】 いよいよ社会人として世にでることに
その後もいくつもの企業を受けて、受かったり落ちたりしてました。
ホントはね、大手の自動車企業も受かりそうだったんです。
そしたら最終面接で日本の地方勤務かミャンマーで働いてくれって言われたんです。
せっかく日本の東京の近くで働くためにインドネシアから出てきたのに、田舎に行って働くことや東南アジアに戻るのはイヤだなと思って、丁重にお断りをしました。
そんな中ビビっときた企業が一つだけありました。
【第10話】 就職活動
毎日が飛ぶように過ぎていく毎日を相変わらず過ごしている中で、僕にもようやく就職活動の季節がやってきました。
IT起業家になってバッリバリ稼いでやる
と息巻いていながらも就職活動はバッリバリやっていました。
正確には覚えていませんが、たしか65社くらい受けていました。
そんな就職活動のなかでも印象深かった企業がいくつかありまして、
大手ホテルチェーン
大手自動車企業
大手家電メーカー
大手セ
【第9話】 ITバブル
その当時はインターネットという言葉が少しずつ世間にも広まっていっていました。
テレビでは毎日のようにサイバーエージェントや、ライブドア、Yahooや楽天などと、今ではメガベンチャーと呼ばれるほどの規模に広がっている企業の社長も、当時は20代中盤とかで、
20代の若者がITバブルで億万長者に!
と言ったような見出しの雑誌やテレビでの特集も多く組まれていました。
そんな様子を、毎日へっとへとにな
【第8話】 リノ、ホストクラブに行く
「これからは板みたいな電話が世界を席巻するよ」
その当時はまだまだガラケーを使われていた世の中で、
僕は工場ではガラケーの基盤を作っていました。
そんな中でその工場の社長が言っていました。
工場で働いている時に社長が来てそんな少し未来の話を聞くのは、
見たことない世界を見ているようでワクワクしていました。
ただ、、、
流れてくる基盤をプラスチックの側にくっ付けて、
ガラケーを完成させるという
【第7話】 どん底に貶められた一つの電話
相変わらず朝は学校、昼は総菜屋、夜は工場といった生活が続いていました。
夜の工場の仕事が終わり、ちょうどその日は学校が休みだったので、くたくたに疲れた身体を引きずって家まで帰りました。その日はやけにカラスが自分の上空を飛び交っていました。
シャワーを浴びて朝を迎える少し前に眠りに落ちました。
そうすると夢の中で誰か知らない声で自分の名前を呼ぶ声が聞こえて来た。
ハッと目を覚ますと自分の携帯電話が鳴
【第6話】 自由への洗礼
下宿先を出て向かった先は柏にあるとある不動産屋さんでした。
なにせ家を自分から飛び出したので家を借りないと帰れる場所がなかったので、
その焦りと、新しい生活への勇み足で自然と不動産屋さんに向かう足取りも早足になっていました。
ただそこで向かった不動産屋さんでは新しい生活への洗礼が待っていたのです…
対応してくれた不動産屋さんのスタッフは髪の毛をきっちり固めたオールバックで銀縁の横長のフレーム
【第5話】 下宿先からの脱出前夜
ある日下宿先の夫婦がインドネシアに一時帰国する話をリビングでしてるのを耳にしたのです。
よし今だ。
と思いその隙を見てその家から抜け出す準備をしてました。
居心地は悪くなかったんですが、その当時の生活と言えば朝は学校、昼はデパ地下でバイト、夜から朝は工場で携帯電話を作っていました。
そんな生活をしていたので家に帰らなくてもあまり困らないし、逆に一度自動車学校を辞めてしまっているのでそれに心