【第13話】先生のご主人
日本語学校時代の先生の家にパソコンを教えに行き、2、3時間くらいインターネットのつなぎ方だったり、メールの書き方だったり、検索の仕方だったりを教えたあと、先生がお茶を淹れてくれました。
「そういえばリノくん仕事してないって行ってたわよね？就職活動とかはやってるの？」
「ハローワークからの紹介とかはあるんですけど、いまはまだどこかに就職しようという気はあまりないですね。」
「そう実は主人がね、製薬会社を経営してて、いま人が足りないって言ってるの。もしリノくんが良ければ主人に話しておくけどどうする？」
せ、製薬会社・・・
そんな薬のことなんてわっかんないよ。
でも今のラーメン屋より給料良さそうだし、ちょっと行くだけ行ってみようかなぁ。
「え、いいんですか？それならちょっと働いてみたいです！」
「それなら今日主人が帰ってきたら聞いてみるわね。リノくんだったらきっと大丈夫だと思うわ。」
「ありがとうございます！」
「また連絡するわね。今日できるようになったメールで。」
照れ笑いしていた先生が急に神々しくみえました。
一番初めに就職したコンビニチェーンで一生懸命に働きすぎて自分の生活がなくなってしまっていて、少し働くことに恐れを抱いていたものの、
やっぱりバイトの毎日だと将来が見えないということにも薄々不安を感じ始めていた頃だったので、不意なその先生の申し出にじわじわと喜びが身体の中から湧き上がってくることを感じていました。
その次の日にその先生からのメールが来ていて、
ーりのくんへ
きのうのよるしゅじんにはなしてみたらいちどあってみたいとのことでした。なのでらいしゅうのげつようびにしゅじんのかいしゃにいってもらってもいいかしら。
ごめんなさいねきのうりのくんにおしえてもらったばかりなのにかんじにへんかんするところがどこかわからなくてひらがなばかりになってしまったわ。
おへんじおまちしてます。
ー先生
ご連絡ありがとうございます。
それでは来週の月曜日にご主人の会社の方に行かせていただきます。
貴重な機会を与えてもらいありがとうございます。
漢字に変換するときはキーボードのしたの方にある長細いボタンを押せば変換してくれますよ。笑
リノ
うまく行かないときはとことんうまく行かないけど、うまく行くときはトントン拍子に進んで行くもんなんだなぁとその先生から来たメールの文面をぼーっと見つめながらしばらく物思いにふけっていました。
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NHKにも出演したオーナーのリノが運営する松戸のインドネシアのコーヒーのみを取り扱ったカフェです。
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住所：千葉県松戸市本町6-8平野ビル1F
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