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何かを手にしたくて渡ったアメリカで、私が求めていることが少しだけ見えてきた。

「……今、家?」

2日前だったか3日前だったか、NYで滞在している家で自分の独り言(寝言?)で目が覚めた。朝の5時、初めての感覚。ぼーっとまどろんでいる中で、急に様々な想いや感覚が溢れてきて、ベッドから飛び起きる。

パソコンを立ち上げている間に大切なことが消えて行ってしまいそうで、そばにあったメモ帳を開いて、真っ白なページに殴り書きしていく。

私が大事にしたいこと。私がありたい姿。私が何ヶ月も何年も感じていたモヤモヤ。それらの答えがぼんやりした視界の中から滲み出てくるような不思議な状態。これが覚醒ってやつだろうか?

私は何に焦っていたんだろう?誰と比べていたんだろう?

日本を発つ前の数年間、自分が前に進んでいない感じがしていた。起業したりフリーランスになったりして、傍目には少し精力的に映っていたかもしれないけれど、ずっと ”このままでいいんだろうか……” 勝手にそう感じて、どうしようもない気持ちになることがあった。

そうこうしているうちに、「転職しました」「こんなプロジェクトやってます」「このサービスを社会に広めたい!」そんな周囲の報告が毎日のようにSNSで流れてきて、「すごいなー、私も何かやんなきゃなー」と羨ましい反面、余計に目の前に霧がかかったような気持ちになっていった。

気付くと ”特に新しい話題のない自分” に引け目を感じ、キラキラしている周囲に「今、何やってんの?」と聞かれたくなくて、人と会うのが怖くなったりもした。「こいつ、この前と進んでねーな」って思われたくなくて。

誰かが「お!すごいね!」という何かをやっていないと自分はイケてない気がして、無理にでも何か作ろうとして、でもそれができなくてやっぱり苦しかった。

そんなことが続いていて渡米し、数日経ったその日。朝5時にこれまた不思議なことに、日本語と英語が一緒に出て来てメモに汚い文字で書いていた。

「仕事」が私じゃない。
私のすべてが私。

JOB is not me.
My whole life is ME.

英語で書くなんて笑っちゃう。正直私も一瞬思ったけど、どちらかというとそっちの方がしっくりくる感じがして、どうしても消せなかった。

私が大事にしたいものは、何だったのか?

色々書き出して矢印を引っ張ってメモ帳のページを埋めていったあと、自分でも信じられないくらい簡単な言葉に落ち着いた。まるで小学生みたい。ずっとやりたい事ややるべき事、「自分は〇〇だから△△に貢献したい。」みたいな真っ当な解を無理にだそうとして全然見つけられなかったこと。

それは、

好きな人と仕事をして、ある程度のお金がほしい。

たったそれだけ。シンプルだった。だって、私に「やりたい事」なんて今まで一度もなかった。いつもやってる最中やその後に「あー、これやって良かった」って思うだけ。それを、たかだか数ヶ月や数年、片手間で見つけようとしたってそれ自体が無理だったんだ。

なんだか自分を許せたような気がして、泣きそうになるのを堪えて更に書いた。

「仕事が楽しいと、人生が楽しい」

これは、私が働いていたリクルートで掲げられていた、媒体のメッセージ。その通りだと思った。1日の1/3以上の時間を費やす仕事が楽しくないって、結構地獄的。でも、私はここでいう「仕事」を誤解していたのかもな、とも思う。私にとって仕事とは何か?を先に考えないと本質をとらえられない。

私にとって仕事とは、、、

・お金(orそれに準ずる価値のもの)を得る手段
・人の役に立っている喜びを感じられること

極論、この2つでしかない。もちろんそれに、”やりがい” とか ”没頭できること” とか ”人にカッコいい、先進的と思われる” とかおまけが付くと嬉しいけど、どんどんそぎ落として目の前に残ったのは、この2つだった。

もう少しだけかみ砕くと、それぞれこんな感じ。

【お金】
会いたい人に会うために、または行きたいところへ行くために必要なレベルは持っていたい。
【人の役に立っている喜び】
どこか遠くの誰か、では不十分。一緒に仕事をする人が”この人と働けて良かった”と思える価値を提供したい。

だから、そこそこ稼げることを仕事にしないとだめだし、楽しいと思えることの方が好きな人たちと盛り上がれるからいい。職種や業種を考えることは本質的じゃないのかもしれない。

人は誰しも変わるから、自分の中で軸を作らないとダメだと思い込んでいた。でも「好きな人と働きたい」は「好きな人の"ために"働きたい」ではない。依存していないから大丈夫。もっと言えば、ずっと同じ仕事じゃなくていいし、人は変わるということを前提として、そのとき一緒にいたい人と仕事をすればいい。

今の私と、これからの私。

今日でNYに来て9日目。今はビザとか現実的な障壁のことを頭に入れつつ、会ってくれる海外在住の方に話を聞かせてもらっている。NYのあとは、シアトル・バンクーバー・サンフランシスコ・ロサンゼルス・ハワイ・メキシコが今のところの訪問先。話を聞きたい人がいる都市をベースに私が選んだ目的地。

離婚してひとりになって、でも誰かに寄り掛かる人生は送りたくなくて。カッコつけと言えばそうなのかもしれないけれど、この気持ちは多分一生変わらない。誰かと一緒にいることになっても、自分の人生に責任を持てるのは私だけ。

これから、会えるだけの人に会って、合間で少し観光もして、3月までには住む場所を決めたいなと思う。日本の住民票もないし、片道航空券で来たし、荷物だってスーツケースひとつだけ。今すぐどこかで何かを始められる。

「仕事?仕事はこういうことをやってる。でもプライベートはこんな感じで、トータル楽しくて幸せ。」

こんな感じが今の私の身近な目標。そのステージを海外に置いたのは、また別の話。「移住先を探す旅」でこの先更新予定です。

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