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つれづれなる日々のこと

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2020年2月の記事一覧

二分の一の確率には当てはまらないという、根拠のない自信

有料マガジン「&JOY」を廃刊します。

有料マガジン自体を削除する予定なので、そこにしまっていたnoteをぽつぽつと出しています。

2018年に書いたものなので、ここに登場する父は2019年2月に亡くなっています。ですが、病気が見つかってすぐのころに話していたことなので残しておきます。(年齢等、一部加筆修正しています)

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父が病気になったことで、最近頻繁に実家に帰省することになった。

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非日常に慣れたくない

非日常に慣れたくない

「日常の中の非日常を演出して」という文脈をときどき見かける。けれど、演出としてではなく、突然転がり込んでくる非日常に対しては困惑するしかない。

いまはもう撤去されているのだけれど、会社近くの空き地に仏壇がおかれていたことがある。

普段通らない道だったので、いつから置かれていたのかは分からない。野ざらしの状態で置かれている仏壇は、気味が悪く、非日常にほかならない。

気味が悪いとはいえ、通り過ぎ

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ぐずぐず悩むのは。

ぐずぐず悩むのは。

自分が下した判断だけれど、あれで合っていたのか、本当に良かったのか思い出しては何度も悩んでしまう。

ぐずぐず何度も悩んでしまう、ということは自分の気持ちとか信条に背いた判断をしてしまったんだよな、とそれについてもまた悩んでしまう。

夫に相談しても「いや、それは正解がないよ」と、わたしを擁護してくれるし、夫自身もそうするだろうとも言ってくれた。

それでも、何度も思い返す。

自分がとった行動が

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あなたはどこから? わたしは胃から

あなたはどこから? わたしは胃から

ちょっともう、無理だなと思うことが増えてきた。

むずかしい話じゃない。食べ物のはなしだ。
油っぽいもの、塩っぱいもの、味が濃いもの。そうした料理を少しずつ身体が受け付けなくなってきた。

39歳になったところだけれど、いわゆる「老化」なのだろうか? 

夫が買ってきたコロッケをお昼にひとつ食べただけで、夜眠る前まで胸焼けし、朝もすっきり起きられない始末。夫はコロッケ3つと、うどんまで食べているの

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フクロウの声に耳をすませて

梅雨が明けたかどうか。そのくらいの季節、わたしは夜毎そっと耳をかたむける。

わが家の近くに、どうやらフクロウが来ているんじゃないかと夫と話したのは、もう何年前のことだろうか。

海の近くに住んでいるためか、夏場でも風が通る。窓を閉め切ってエアコンをつけるよりも、眠るギリギリまで網戸にして、吹き込んでくる風で涼を取ることが多い。

「ホッホー、ホッホー」

はじめに鳴き声に気が付いたのは夫だった。

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わが家に増殖するピンクのエビ

わが家に増殖するピンクのエビ

数か月前、夫に「うちにストローある?」とたずねてきた。

確かずいぶん前にコンビニでもらったものがあるような、無いような……。そんなふうに答えると、夫は「あ、曲がらないタイプのやつか。じゃあ要らない」とスッと興味を失った様子だった。

曲がるストロー? うちではストローなんて使わないし、ましてや曲がるタイプのものは、あまり巷では見かけない。

何で曲がるストローが必要なのか、気にはなった。けれど、

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夢ぐらいゆっくり見させてよ

夢ぐらいゆっくり見させてよ

夢と言っても憧れとか、将来の希望的観測とかではない。

本当に睡眠時にみている映画のような、自分ではどうにもままならない映像のことだ。

他人が見ている夢の話はおもしろくない、というけれど、自分自身が見ている夢ですら、まったくおもしろくない。むしろ見たくない。

ここ最近、覚えている限りだけれど、見ている夢は「仕事の夢」なのである。1月末くらいから、にわかに仕事が忙しくなっていて、その仕事のしわ寄

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わたしたち、入れ替わってる?

わたしたち、入れ替わってる?

実家の体重計に乗ると、奇妙な感覚に陥る。わたしの身体は「70歳」と認識されるためだ。

実家で使用している体重計は、タニタ製。体組織も計測できるタイプだ。

少し前までは体重と、簡単な体脂肪率くらいしか測定できない体重計を使用していた。しかし昨年、姉の骨密度と筋肉量がどうやら少ないことが分かり、すこし意識して計測したほうがいいということで買い替えたという。

体組織も測定できる体重計は、とてもかし

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流す涙の意味は変わって

流す涙の意味は変わって

もっとしんみりとした気持ちになるかと思っていたのに。流した涙は意外にも、大笑いのはてに流れた涙だった。

父がさっさとこの世を去って一年が経過した。

ただ、父の名残のようなものが実家にはたくさん残されているので、一年という節目でまた母は悲しみに沈んでしまうかもしれないなと、心配もしていた。

しかし、一周忌の法要は、想像していた以上に混乱を極めていた。姉がなんども笑いを堪えているのがわかったし、

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