【BL二次小説(R18)】　言えない秘密③

全裸になってオレ達はベッドへ雪崩れ込む。

　

　

　

「新開、新開ィ」

　

　

首筋を舐めただけでデレ北は息を荒くしてオレをきつく抱き締め、両足を絡めてくる。

　

　

いつもの靖友だと、すぐに腕や枕で顔を隠しちまうし、声も殺して、なんか色々我慢してる感じだった。

気持ち良くないんだろうか、オレがしつこく求めるから仕方なしに嫌々受け入れているんだろうか、っていつも不安だったんだ。

　

　

　

「アふ……ン、アァん」

　

　

だけど今夜のデレ北は全然違う。

顔も隠さないし、喘ぎ声もあげている。

なんか解放されてるって感じだ。

　

　

　　

「新開……噛んでェ」

　

　

乳首を舐めている時だった。

デレ北が要求してきたのだ。

　

　　

「か、噛む？」

　

オレは聞き返した。

　

　

「ソ。噛んで。乳首ィ」

「噛んだりしたら、痛いだろ？」

「痛くない程度に優しくゥ。甘噛みしてェ」

　

　　

オレは恐る恐る乳首に歯を立てた。

力加減がわからない。

怪我させたら大変だ。

　

　

　

……カリッ。

　

　

「アアアーーッ！」

　

　

　

その瞬間、デレ北がビクンと全身を仰け反らせ、大声を出した。

オレはびっくりして口を離した。

　

　

　

「もっと、もっとしてェ。今の、してェ」

　

トロンとした瞳でねだるデレ北。

　

　

　

今の感じで良かったんだな。

よしわかった。

　

　

オレはもう一度、そっと甘噛みした。

　

　

「アーーッ！アアッ！あン」

　

　

全身をくねらせ悶えるデレ北。

悦んでくれることが嬉しくて、オレは夢中になって左右の乳首を噛みまくった。

　

　

　

　

　　

こんな感じで、他にも色々オレにどう触れて欲しいのかデレ北は詳細に伝えてきた。

　

首の後ろ、脇腹、尾てい骨、膝裏が感じるスポットだということ。

竿の念入りに愛撫してほしい部分。

蕾の中の突いて欲しいポイント。

一番好きな体位。

　

　

そしてオレが一番驚いたこと。

いつも求めると嫌だヤメロと拒んでいたが、あれは単に恥ずかしかったからであって、本当はそこを無理矢理にでも強引にでも押さえつけてでもヤって欲しかった、ということだ。

　

オレは嫌われるのが怖くて、拒まれたらなるべく引くようにしていた。

だけど靖友は本当はいつもシたかった、と。

　

　　

……って、解るかそんなもん！

　

　　

　

どれも初めて聞く要求ばかりだった。

そりゃそうだ。

今までの靖友はなんにも言わなかったんだから。

　

　

　

　

ずっと……恥ずかしくて言えなかったんだな。

フラストレーション溜まりまくっていただろうに。

言いたくても言えない秘密だったんだ。

ツンの靖友には、その伝え方がわからなかったんだろう。

　

　

　　

ごめんな、靖友。

気付いてやれなくて。

おめさんのこと、オレなんにも理解してなかったんだな……。

　

　

　　

その晩、オレとデレ北は激しく乱れまくった　──。

　

　

　

　

翌朝。

　

　　

「……ツッ。頭痛てェ」

　

　

靖友が隣りで目を覚まし、頭を押さえる。

　

　

　

「おはよ」

　　

オレは手を伸ばして靖友の頬に触れる。

　

　

　　

靖友はゆっくりオレを見た後、お互い全裸なことに気付いた。

　

　

　

「……！！テ、テメェ！ヤりやがったな！」

　

顔を赤らめて布団を被る靖友。

　

　

「ヤりやがったなって……オレ達恋人同士だろ」

　　

悲しくなる。

いつもの靖友だ。

　

　

　

「くっそ！覚えてねェぞ！酔ってンの襲うなんてサイテーだなオメー！」

　

　

おめさんの方から誘惑してきたんだが……まぁいいや。

　

　

　　

　

懸念していた通り、デレ北は消えてしまった。

記憶もないようだ。

酔った時、また会えるのだろうか。

　

　

　

それとも、あれは夢だったのだろうか　──。

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