【BL二次小説】 親善試合②
鳴「ちょい待ちーや!反則やないかそれー!」
鳴子が慌てて飛んで来る。
新「悠人は来年箱学入学が推薦で決まってるんだよ。現役箱学生じゃないとダメだなんてどこにも書いてなかったよな?」
鳴「ぐっ……!なんで書いとかなかったんすかー!」
金「無茶言うな」
田「……これは計算外だったぜ。新開以外敵は居ないとふんでたからな」
巻「クッハ!まさか弟が居たとは……」
鳴「いやいや!アカンでしょー!新開兄弟て!ダブル新開てー!」
頭を抱えパニックを起こしている鳴子。
黒「弟か……。そっくりだな」
泉「来年、あの新開さんの弟にボクは“泉田先輩”って呼んでもらえるのか……感動」
悠人を見て、目をキラキラさせ来年に思いを馳せている泉田。
店内に入り、選手達はそれぞれのレーンに予約したボックス席を確保する。
応援団は隣のボックス席で普通に食事をしながら見守る。
田「とにかく食えよ!脇目もふらずにだ!」
鳴「言われんでも食いますわ!」
手「頼むから試合中は喧嘩しないでくれよ……」
荒「作戦通り行くぜ」
新「ああ。準備万端だよ」
悠「朝から何も食べてないんだ。腹ペコだよ~」
金「では用意……スタート!」
金城の号令で一斉に食べ始める選手達。
お互いみるみる皿が積まれていく。
東「うむ。作戦通りだ。海老は尻尾でタイムロスだから避ける。軍艦は海苔が噛み切りにくいから避ける。マヨネーズ系はすぐ腹が膨れるから避ける」
福「青魚系も万一骨があった場合にタイムロスだから避ける。イカやタコは噛み切るのに時間がかかるから避ける。結果、マグロや鮭や玉子のような物ばかりになってしまうが、試合の為にはやむを得ん」
泉「味わっている余裕はありませんからね」
黒「イクラや海老はオレ達が代わりに食べますよ」
箱学は緻密な戦略を練り、計画的に進行している。
田「赤頭!ホタテとカニばっか食ってんじゃねぇ!オレにも寄越せ!」
鳴「オッサンこそボタン海老独り占めはセコいわー!」
手「ちょっと待て!ここぞとばかりに二人とも値段の高い皿ばかり!そういう勝負じゃないんだぞ!」
鳴「勝ちゃええんでしょ勝ちゃ!払うのは箱学や!もっと高い皿取ってやパーマ先輩!」
巻「対してオレ達総北は……戦略も何もねぇ。食いたいもん好き勝手に食ってるっショ」
金「……まずいな」
青(純太……トロだ!値段が高くても食べ易い熟成トロを取るんだ……!トロ!トロ!トロ!)
青八木は手嶋に直接言わず、心の中で念じた。
手「……はっ!」
念波をキャッチした手嶋。
手「そうだ!トロ!」
手嶋は金色の皿に手を伸ばし、熟成トロを取りまくった。
田「うおお!旨いなこれ!」
鳴「口の中でとろけますわー!」
二人は気に入ったようで、ばくばく食べている。
手嶋と青八木は視線を合わせ、グッと親指を立てた。
荒「ヤベェ!総北がスピードアップした!」
急に速度が上がった総北に気付き、焦る荒北。
荒「新開!悠人!鬼モード発動だ!」
新「OK靖友!」
悠「yesだよ!」
荒北の号令で、新開兄弟の目がキラン!と妖しく光った。
新「あるるるああああ!」
悠「しゃるるるあああ!」
凄まじいスピードで食べまくる新開兄弟。
黒「すげぇ!」
泉「弟も鬼を出せるのか!」
荒「……ウッ……」
その時、荒北の手が止まった。
荒「……」
なんと荒北は、新開の猛烈な食べっぷりに……みとれてしまったのだ。
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