リレーコラム＃15 「web漫画のおかげで、我が家は円満なのかもしれない」

　10年ほど前、チ・カ・ホのイベントスペースで、数名の若者が彼らのプロジェクトについて熱心に語っていた。当時の私は、高校生や大学生と一緒に様々なプロジェクトを行う仕事をしており、若者たちはそのメンバー。彼ら、彼女らが、自信をもって発表する姿を見て、とても誇らしく、成長を感じ、嬉しくなって泣きそうになったことを思い出した。

　それからも、「若者たちの学びと成長の機会をつくる！」なんて息巻いて、活動を行ってきたし、「ちょっとは知見があるよ！」という自負もないわけではなかった、、と思う。

　ただ、妻のお腹にこどもが宿り、動いたり、蹴ったり、大きくなっていくのを感じたり、無事に生まれてきてくれてからも、あっという間にできることが増えていく姿を見て、なんだか、「成長」という事に関しての自分の理解の浅さを感じ、恥ずかしい気持ちになったりもした。

　今はどんなことに興味があって、何がしたくて、次はどんな環境が必要なのか。登ってほしくないテーブルにニコニコしながら登ってくるわが子を見ながら、「この子はどんな特性なのかな？」とか、「この視点はチームマネジメントに活かせそうだな」とか、考えながら過ごす時間が本当に楽しい。

　話はそれるが、「出産すると旦那のことが嫌いになる」という噂を聞き、妻の妊娠中は、ダメな夫の振る舞いにより家庭が破綻する系のweb漫画をたくさん読んだ。これから奥様の妊娠、出産を控える夫のみなさんには是非おすすめしたい。自身の価値観や振る舞いを見つめ直す良い機会になると思う。

　人生100年時代とは言うものの、40歳直前での第一子。どれくらい自分がピンピンしていられるかもわからない。在宅勤務をはじめ、働き方も多様化してきているので、家族と過ごせる時間を大事にしながら、仕事との付き合い方も考えていきたい。

田中靖人
コンサルティング業　
家族構成：妻、息子(10ヶ月)