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ゆれる洗濯物と缶ビール

日曜日は掃除をすると決めている。

いい加減で大雑把な私は、昔から部屋を片付けられず、床はペットボトルやら食べ終えたコンビニ弁当などで常に散乱していた。
別に掃除が嫌いなわけではないけれど、掃除を始めても少し他のことが頭をよぎるとそっちに気が向いてしまい掃除をすっかり忘れてしまうのです。

学生の時から、授業である事柄が気になってしまうと、その背景とか関係した人物を調べたくなり、調べないと前に進めなくなったりすることが多かった。そのくせ、飛びぬけた集中力やクリエイティブな才能の欠片も無かった上、心配性な性格でもあったので、授業で聞かなかった点を後から勉強してしまうような自分がどうしようもなく嫌だった。

ゴミ出しや、公共料金の支払いは、「来週でいいや」を繰り返し、どんどん溜まっていき、もう後がないという状況になるまで動けない。

おそらく、何かを順序立てて行うことが苦手なのだと思う。
24歳にもなって、恥ずかしいけれど。

日曜日に掃除をするようになったのは、前職の先輩が毎週月曜日に家に来ることが恒例になっていたからなのです。
先輩は初めて家に来た時に、「何で、パソコンと醤油と小説とドライヤーが、全部机の上にあるねん。汚いとかじゃなくておかしいぞ」と怪訝な顔で言った。先輩が掃除してくれるのが申し訳なくて、日曜日は掃除をするようになり、先輩と会わなくなった今もその習慣だけは残っている。
順序立てることは苦手だけれど、習慣にすればこなせることが分かってよかった。

そのおかげで、今日も朝から洗濯機を回して、洗濯物を干すことが出来ている。ありがとう先輩。


しかし、今まであまり意識していなかったけれど、前にあるファミリー向け分譲マンションのせいで日光がほとんど当たらないことに、1年以上住んでから気が付いた。だから洗濯物が全然乾かなかったのか。
私の洗濯物は、でかいマンションの隙間から零れたわずかな日光が乾燥させていたことを知り、悲しくなった。
1Kで、ウォシュレットも無くて、壁もサガミオリジナルで、部屋の形も台形で、網戸も完全に閉まらなくて、お湯も時折出なくて、その上、太陽まで遮られているのか。
太陽は、平等に照らしてくれるんじゃ…

私は缶ビールを飲みながら、けなげにゆれるシャツを眺めた。

頑張ろうと思った。いつか、隣のマンションに移れるように。
零れたわずかな日光で必死に乾こうとする、可哀そうなシャツ達のために。


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