「私を家政婦だと思わないでほしい」と妻は言った。
「私を家政婦だと思わないでほしい」と妻は言った。障害者を背負う重圧に耐えられなかったらしい。僕からそんなことは一言も言っていないのだが。最初は妻も僕が障害を負っても能天気に構えていた。いずれ運命が味方してくれて快復するだろうと。途中で急に現実に気付いたらしく夫を生涯支えることは出来ないと悟った。このままでは自分は障害者を支える家政婦になるとでも思ったのだろうか。この発想がどこから出てきたのか分からない。自分が障害者を捨てたひどい人間にはなりたくない。自己防衛本能が働いていたの