インチキ整体列伝 — 神経難病に無力な東洋医学


僕には多発性硬化症という持病がある。だが長年理由が分からずに病院や整体の扉を叩いていた。

僕の出会った整体はインチキばかりだった。

今思えば彼らはまったくのデタラメしか言っていなかった。自分たちの流儀に合わせてテキトウに理由を当てはめて商売のレールに乗せるだけなのだ。

無責任な整体

たとえばILC国際腰痛クリニックという名前の整体もひどかった。よく分からないがまるで医療機関のような名前をつけたただの整体屋だったと思う。

病院の整形外科で診察したMRIの画像データをこのクリニックに送ると電話での答えが返ってきた。骨盤の歪みによる機能障害だろうと言われた。

今考えてみるとMRIの画像でも特に異常が見られないのに何故骨盤の歪みが原因だなんて言えたのだろう。

このクリニックは罪に手を染めていると思う。

金槌を持てば全てが釘に見える。

整体の悪癖はたやすく原因を特定しようとすることだと思う。

患者の話を注意深く聞いてあらゆる可能性を考えるということはしない。体に支障が起こるのは日常の動作が悪いというような基本態度をとるので批判的なアプローチを取ることが出来ない。あくまで自分たちの狭い世界の中だけにとどまっているのだ。

仮にこれがたまたま整体で治せるような症状であれば良いのだろうが僕の場合は結果的に多発性硬化症という列記とした神経の難病だった。

整体師だってプロフェッショナルなのだから自分たちのカバー範囲でないと思ったら医学的な診断を勧めても良いとは思うのだが。

謎の施術

ある整体では神経をつなげるセジュツと称して腰回りを回した。確かにそのセジュツを受けた後は少し歩きやすくなったが理屈がまるで分からない。それが何をしているかの詳細を聞いても要領を得ない答えが返ってくるばかりだった。

自分たちの商売のためにいいかげんなことを言う整体は百害あって一利なしだ。

玄米万能論を唱えるマクロビオティックの先生

東洋医学というものは総じてアテにならないと思っている。

たとえば元妻が僕の体の症状をマクロビオティックのセンセイに相談したことがあった。するとそのセンセイは玄米食を勧めてきたらしい。「玄米を食べるのとこのまま歩けなくなるの、どちらが良いの?」とさえ言ったらしい。しかも例にもれず又聞きのわずかな情報から原因を特定しにかかった。

確かにマクロビオティックに陶酔すれば全てがマクロビオティックで解決できるような気がしてくるだろう。それで自分の食い扶持は稼げるかもしれないがあまりに盲点が大きすぎる。

もし全てが玄米で解決するならこの世にガンで悩む人もコロナで悩む人も存在しなかったはずだ。

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