病名のブランド力

「病名のブランド力」

こんな言い方酷いよね?

でも、あながち間違っていない?

私は人に会った時に自分の病名を言わないことが多い。

でも、たまには言うこともある。

同じ人間が入院した時でも、スタッフがどの病名を知ってるかによってかなり対応や態度が違うことがある。

何故だろう?

実例を出そう。

例えば、血液内科で入院した時には、血管が無くてルート確保が難しいと、スタッフは理解と同情を示す。

しかし、例えば別の科に、別の病名で入院したとしよう。すると、積極的に若いスタッフの練習台にされる。断っても、血管が悪いと言っても、何度も敗血症になったとか、敗血症性ショックになったとか、人工呼吸器を要したとか、ウダウダ言っても、二言目以降は聞いてすらいない場面もある。

どんなにお願いしても、たかがルート確保で苦戦するし、最初から上手い人には回してもらえないことも非常に多い。

場合によっては、基本的な消毒すらもすっ飛ばし、頼むと暗い声で従ってくれる......

しかし、魔法のような変化が起こる言葉がある。

それが病名だ。

実は、一番苦しんで、現状が厳しい理由は別の病気が原因であろうとも、非常に大変な疾患としてとても有名な病名を出すと、別次元にでも飛んだかのように態度が優しくなる場合もある。

何故?

それはおそらく、大変だと授業で教えられていたり、映画で見ていたり、他の患者で見ていたり...... 要するに、予備知識として皆が義務教育で学ぶ内容を知っているように、有名な病気に関しては看護学校や医学部で習うからだろう。そのため、一人ひとりの患者の病歴を10年分のビデオとして見ずとも、ある程度状況や過去の出来事を説明せずとも知っているのだろう。

1️⃣ 知らなければ聞く。

2️⃣ 人が言うことを聞く。

3️⃣ 患者を作業の対象ではなく、人として見る。

このような当たり前のことが実際に行われることで、「病名」を通して得られる「予備知識」の凸凹が埋まるのでは無いだろうか?

目の前の患者に対しての固定概念を一度取っ払い、一人の人として接してみないか?

そうしたら、もしかしたら病名格差が狭められるのかもしれない。

その人は、あなたと同じ人だよ。

あなたが皆と同じ人間であるのと同様に。

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