Motofumi Kozakai

2013年10月放送大学(心理と教育)入学,2017年9月卒。2018年4月同大学院(…

Motofumi Kozakai

2013年10月放送大学(心理と教育)入学,2017年9月卒。2018年4月同大学院(人間発達科学)入学,2020年3月修了。最近の興味関心は統計学。2023年5月 統計検定2級合格。好きなもの、カーリング観戦と将棋観戦。

マガジン

  • 放送大学での勉強

    放送大学での学習、大人の学びに関することを書いていました。現在、私が書いた記事はほぼすべて削除しています。

  • 心理統計をはじめよう

    心理学を学び始めたものの、統計が苦手で、という方のために、練習問題とヒントをお届けしています。放送大学の教科書を参考にして書いています。

  • 統計問題雑談

    統計の問題をネタに雑談します。

  • 心理統計学

    統計学に関する記事

  • 統計検定

最近の記事

エスカレーターは右に乗りたいです。

Cover Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash プリキュアとパ行音言語学者の川原繁人さんが、面白い本を出しておられます。しばらく前に読み終わっておりました。 言語学の研究者である川原さんが、母校の小学生を相手に授業をした記録が本になったものです。川原さんは、日常的に目にする言葉の中に、「どうしてこういう音(たとえばパ行音)が多いのか?」という疑問についても研究しておられるのですが、もっとも面白かったのは、プリキュアの名前につい

    • いっしょにしないでほしい。どんな昔の体験とも、どんな痛みとも。

      Cover Photo by name_ gravity on Unsplash 綿矢りさ「大地のゲーム」を読了しました。もう10年近く前に、図書館で借りて読了していたのを、改めてKindleで買い直しての再読でした。 この作品のある部分、かなり長い部分を、私は自分のノートに書き写したことを覚えています。まだKindleで読書することも、こうしてnoteを書くこともやっていなかったころでした。忘れていませんでした。次の箇所です。 その頃のノートはPDFにして残っていて、見

      • 0か1かで判断することの怖さについて

        Cover Photo by Steven HWG on Unsplash 今回の読書記録はこの本です。まだ最初の2章しか読んでいないのですが、忘れないうちに書いておきたいので、とりあげます。 紹介文に書かれているとおり、39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された著者による、「認知症当事者からみると、社会はこう見える」について書かれた本です。 私は意識して「認知症当事者」と書きました。「はじめに」で書かれている著者の主張の一つは、わたしは「患者」ではく、「当事者」

        • 後ろめたい生き方が悪いのではない

          Cover Photo by D Jonez on Unsplash 今日読み終えた本は、精神科医の益田裕介先生が書かれた本で、『精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法』という、なかなか刺激的なタイトルの本です。益田先生はメンタル系YouTuberとしても活動されている方ですので、そちらの方でご存知の方もおられるでしょう。 本書は、「親を知ること」、具体的には、親がが発達障害であった可能性を考えることや、親が生きた時代、職業上の葛藤などを客観的に知ることが、親子の間の葛藤

        エスカレーターは右に乗りたいです。

        マガジン

        • 放送大学での勉強
          7本
        • 心理統計をはじめよう
          4本
        • 統計問題雑談
          23本
        • 統計検定
          11本
        • 心理統計学
          39本
        • 生涯学習調査
          10本

        記事

          立場を明確にすること

          Cover Photo by Muhammad Haikal Sjukri on Unsplash 荒木博之氏のVoicyで紹介されていた本が気になったので、Kindleの無料サンプルを読んだ後で、購入して読み始めました。気になった本に出合ったらすぐに買う、すぐに読む、途中まででもいいから読む、どこかにアウトプットする。きっとみんな、こういうことを自然にやっているのでしょうね。だからあんなに毎日、膨大な発信をして、それと同じくらいに勉強ができる。同じようにできるとは思いない

          立場を明確にすること

          構成主義という考え方

          Cover Photo by Ian Schneider on Unsplash 荒木博之氏の「独学の地図」を最近読了した。荒木氏の主張する「ラーニングパレット」の構成にはまだ当分たどり着けそうにないのですが(仕事をしていない現状、たどり着けるものかどうかよくわからないけれど)、たいそう刺激的な内容でした。以下、一部を引用しつつ、書きますが、書かれていることとはまったく違う地点に着地しそうな予感がしております。 「独学の地図」の最後の方に、次の引用があります。引用元の書籍

          構成主義という考え方

          安美錦のことば

          Cover Photo by Jr Korpa on Unsplash 渡邊十絲子さんの「今を生きるための現代詩」という本を先日読了しました。その中で紹介されている詩はどれも刺激的で、わけがわからなくて、(いろんな意味で)読みにくいものでした。これらの詩について何か書けそうな気はまったくしないので、書きません。 ところで本の最後のほうに、大相撲の安美錦関のことばが引用されていました。中継のインタビュアーが、作戦をどのように考えるのかについて尋ねたところ、安美錦関の答えはこ

          安美錦のことば

          イデオロギーとしての主体性について

          Cover Photo by Ankush Minda on Unsplash 「「こころ」のための専門メディア 金子書房」で公開されている「主体性とはイデオロギーではないだろうか」(解説:東京農業大准教授:鈴木聡志先生)を興味深く読んだ。 「主体性」には、それと逆の意味を持つ言葉、たとえば「客体性」はない、という考察はおもしろい。なるほど、ある言葉の意味を考察するときに、それとは逆の意味の言葉、「それであるとはいえない言葉」などを探してみるのは有効な方法だろう。たしかに

          イデオロギーとしての主体性について

          総和記号って知ってる?

          はじめまして、Σです。$${\sum}$$(総和記号、Σ)にはじめて出会うのは、どうやら高校数学らしいのですが、私は全く記憶にありません。現行の学習指導要領では、「数学B」で扱うことになっているようです。ふむ。私の頃は「数学ⅡB」とか言っていた気がしますが、このあたり、芳沢先生がずいぶん批判しておられるので、お任せしたいと思います。 さて、いかつい顔をしている$${\sum}$$ですが、要するに足し算の記号です。足し算は「+」の記号を使って書けるのですが、数列の和など、「い

          総和記号って知ってる?

          統計ソフトウェアを使おう

          初めてだったら、HADの一択小杉考司先生が、心理統計の講義をほとんどそのままの形で、本を2冊出版されています。Kindle Unlimitedになっていたので、嬉しくなって2冊ともダウンロードして読み始めました。うん、面白いぞ、小杉節。心理統計学習ののサブテキストとして、激推ししておきます。 しかし、激推ししますと言っておきながら、はじめて統計に取り組み皆さんにはお勧めいたしません。だってものすごく読みにくいんだもの。なぜか行番号が文章の途中に挿入されたままになっているし、注

          統計ソフトウェアを使おう

          心理学で統計学を使う理由について

          心理学と統計今でこそ、「心理学部」という学部が設立されている大学がありますが、かつては、たとえば「文学部心理学科」とか「社会学部心理学科」とか、いわゆる「文系」(この言い方もそろそろ死語にしたい)の学部の中に心理学のコースが設置されていました。なので、私のように数学Ⅱの途中で完全離脱、みたいな人が誤って(?)心理学科に入ったりすると、統計の授業で倒れる、みたいな事態が発生するわけですね。「文系だから選んだのに~!」という悲痛な叫びがあちこちから聞こえたようなのです。 かく言

          心理学で統計学を使う理由について

          「アンケート」ウォッチング:2023.11.3

          ネット上に転がっている「アンケート」をネタにして、あれこれ書きたい放題書きます。「アンケート」を実施される方は、それなりに目的をもってされているのだろうと承知しています。それを批判するようなことはいたしません。しかし、せっかく貴重な資源を費やして調査結果をまとめるなら、できるだけちゃんとやってほしい、というのが私の願いです。 今回のネタはこちらです。 ツッコミたいところは山ほどあるが記事をご覧いただいて、それぞれツッコミどころが見つかると思います。たぶん、書き出すとあれも

          「アンケート」ウォッチング:2023.11.3

          記述統計学と推測統計学

          記述統計学記述統計学という語に、descriptive statistics という英訳が付けられています。descriptive は、動詞 describe(記述する、描写する、説明する) の形容詞形で、結果として記述(描写・説明)されたものが description です。 ところで、「西洋美術史入門」という本に、こんな説明があります。 これにならえば、心理統計学というのは、「人の心の在り方や動きを、データの集合体としてあつかう作業」であり、データの集合を言語情報とし

          記述統計学と推測統計学

          (9):決定係数。またの名を分散説明率。これって何者?

          学び始めて、約10年放送大学に入学後、はじめて心理統計を学び始め、もう10年近くになります。はじめはもう、わからないことだらけだったのですが、さすがにいくつも教科書を読んでくると、話を理解する土壌ができてくるというか、ああ、こういう説明の仕方もあるのかと、余裕をもって読むことができるようになります。 因子分析という高い壁 放送大学で卒業論文、同大学院で修士論文を書くにあたり、わたしは「因子分析」という方法を用いてデータ分析をしました。すごい、因子分析ができるなんて! とか

          (9):決定係数。またの名を分散説明率。これって何者?

          (8):重回帰分析の式であれこれ遊んでみる

          重回帰分析って難しい?重回帰分析について何か書こうと思うと、あれもこれも書けてしまうのですが、ここでは、過去問の学習にわりと直結しそうな、式の解釈について書いてみます。「社会統計学入門 ‘12」の第11章でとりあげられている重回帰分析の例を使って、式の解釈を練習しましょう。次の式です。 年収(予測値)= 定数(100.2) + 243.5×性別 + 14.6×勤続年数 大事なのは独立変数と従属変数 当然のことですが、どの変数を使って、何の予測値を計算するのか、ということが

          (8):重回帰分析の式であれこれ遊んでみる

          ジニ係数の計算

          芳沢(2014)に、ジニ係数の計算が紹介されているので、より一般的な式に直して、ここにも書き残しておくことにしよう。といっても、だれかがもっとちゃんとやっているんだろうけど。自分の学習の記録として。 以下、第8章第2節 「確率と統計」に書かれていることの紹介である。 ジニ係数本書には、簡単なデータによるジニ係数の導出、計算式の紹介がある。 図の(イ)で塗りつぶされた部分の面積の、三角形ODHに対する割合がジニ係数である。以下、データ点(図中のA~D)を$${x_i}$$

          ジニ係数の計算