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後ろめたい生き方が悪いのではない

Cover Photo by D Jonez on Unsplash

今日読み終えた本は、精神科医の益田裕介先生が書かれた本で、『精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法』という、なかなか刺激的なタイトルの本です。益田先生はメンタル系YouTuberとしても活動されている方ですので、そちらの方でご存知の方もおられるでしょう。
本書は、「親を知ること」、具体的には、親がが発達障害であった可能性を考えることや、親が生きた時代、職業上の葛藤などを客観的に知ることが、親子の間の葛藤を乗り越える手助けになる可能性があることを示しています。実際の臨床場面も、同じように進むことが多い、と益田先生は言います。

後半は、そうして客観的な理解を得た後に、実際に自分がどう生きて行くのかが書かれています。私が思わずマーカーを引いたのは、その一部です。

 結婚した人は結婚した人なりに、結婚してから離婚した人もその人なりに、結婚離婚を繰り返す人もその人なりに、ときどき「私、失敗したかもな」などとチラリと思いながら、毎日生きているものです。 
 逆に、「独身を選んで100%満足です」「結婚して何の不満もなく満足です」などと言うほうが不自然です。強がりにしか聞こえませんし、患者さんが、診察室でもしそんなことを言いだしたら、僕はきっと「まだ治療は途上だ」と考えるでしょう。

益田裕介.精神科医が教える親を憎むのをやめる方法(p.140).KADOKAWA.Kindle版.(強調は著者)

「私、失敗したかもな」と思いながら生きてきたのは私です。ここには結婚のことで書かれていますが、同じようなことが、「子どもを産まなかったこと」についても書かれています。そうした選択をして生きてきたことについて、後ろめたい思いをしてもいいのだ、寂しい思いや苦い思いを抱いても、むしろそれが自然なのだ、と益田先生はおっしゃるのです。

その苦さに支配されてさえいなければ、問題はないのです。苦しくても、支配されているわけではない、というのが重要です。

益田裕介.精神科医が教える親を憎むのをやめる方法(pp.141). KADOKAWA

ここ、重要な部分だと思います。
苦い思いを抱いている、ということと、苦い思いに支配されていることは別のことだというのです。言葉を変えて言うと、「ああ、自分は苦い思いをして生きているんだなあ」ということを、客観的に見る。その客観的に見ている自分を横に置いといて、今日をしっかりと生きる。そんな感じかなと思いました。

あまりにも自分の境遇に近いので、どうも筆が進みませんね。この辺で終わりにしておきます。いずれまた、何か書きたくなるかもしれませんから。