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娘と。きみの好き、を見つける旅へ。

子どもが産んだ後、この8ヶ月間、「どんな風に育ってほしい?」と、聞かれることが時々あった。そして、この質問に答えることがどうにもこうにも苦手だった。

何となく、親が子どもを操作できるという前提にあるニュアンスを感じてしまうのも理由の1つだ。(もちろん聞く人は一種の挨拶のように使っていて、お互いの子育て事情をこれから話す姿勢の1つとして聞いているかもしれない。)

大雑把な言い方をすれば、その子が自分は自分のままで価値があると感じてもらえるよう、ありのままを認めることが何よりも大事であると感じているが、しかし、なんだか、この質問にそんなこと答えるのは、反則なような気がする。

もし、軽い気持ちで質問した人にそんなことを語ったら、そんな重いことは聞いてないのに...と文脈を外している感がある。

しかし反対に子育てに悩み、深い意見に興味を持って質問した人ならば良いかと言われるとそうでもない。もしかしたら、その人が子育ての中で熱心に力をいれていることがあればそこに水を差す可能性もある。

そんなことに頭を巡らせら答えを躊躇し、躊躇した結果、

「へへへ、そうですね、特には考えてなくて・・・。」

と気の抜けた返事をすることになる。

さて、先日のことだ。久しぶりに娘と離れ1人で渋谷を歩いた。家の近所では見ないようなカラフルな洋服を着た若者たちが沢山いてとても嬉しい気持ちになった。

くるんの巻いた髪の毛によく合うAラインに広がったコートと白い靴下に厚底の靴、ガーリーな雰囲気をまとう子。スタイルがよく見える仕事服に身を包み、ヒールで颯爽と歩き意志の強いメイクがよく映える20代半ばの女の子。

自分で選んだ好きなものを身につけて、好きなことをする。

それはとても楽しく素晴らしく、若い時に謳歌するべきことだと思う。

家で私を待つ、ハイハイもできない娘の姿を思い出した。あの子が将来、誰かの顔色を過度にうかがうことなしに、好きなこと、やりたいことができるようになれたら、それは親として何て嬉しいことだろう。

そういう風に育ってほしいと心の底から思った。

そのためには、何か上手にできたからほめるのではなく、彼女の純粋に好きなものを一緒に探してあげ、好きを見つけたら沢山ほめてあげたい。

そうだ、次にあの質問が来たら、そう答えようとその時、強く心に決めた。

太陽の光が眩しい渋谷の交差点で。

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<心理士プチメモ>

好き、やりたいという気持ちはIQを超える、と教わったことがある。どんなにIQ上では、この子はこういう処理が苦手なはずと読み取れたとしても、そこに好きと、やりたいというその子の根源的なエネルギーがあると、データ以上の力が発揮さえるのである。もちろんこれをすると親が喜ぶ、これをするほめられる、というものではなく、理由もないただの好きである。


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