ロザンヌ

2日に一回、短編小説を投稿しています。(2023.7.20~) 基本適当に書いてます。

ロザンヌ

2日に一回、短編小説を投稿しています。(2023.7.20~) 基本適当に書いてます。

最近の記事

「短編小説」君が焼いた魚はいつも焦げていた

君が焼いた魚はいつも焦げていた 魚を調理するのはそれほど難しいことだろうか。 様子見をして調理すれば黒焦げにならないはずである。 魚に限らず、妻はいつもズボラだった。 洗濯物を干す時はいつもハンガーに無理やり服を突っ込むやり方だ。 また、取り入れた後の洗濯物は綺麗に畳まれていることはなかった。 畳んだ端が丸くなっていて、形を整えようと無理やり袖を中に押し込んでいるのが丸わかりである。 お風呂掃除も泡を吹きかけるだけで、擦りもせずに水に流していることを知っていた。

    • 「短編小説」コスパに狂った女

      私は昔からコスパを重視する人間だった。 学生時代、時給980円の飲食店で働いていた時はそれ相応の働きしかしなかった。 時給980円だと1分あたり、16.333円。 バイト先は忙しかったが時給は特別高くない。 だからこそ時給に見合った働きをしていた。 それは社会人になった今も変わらない。 オフィスで派遣事務の仕事をしているが、これまた時給制である。 もちろん忙しい時は思いっきり働くが、働き過ぎたと感じた日はゆっくりする時間も作ってバランスを取っている。 また、プ

      • 短編小説「終点のユートピア」

        毎日同じ時間に起き、同じような仕事をして刺激のない日々を送っていた。 そんなある日。 ポツンと心の糸が切れたような感覚に襲われた。 通勤電車にて、仕事をほってどこか遠くの方へ行ってしまいたい気持ちになったのである。 そういうわけで、仕事場の最寄駅は通り過ぎ、終点まで行くことにした。 どこでもいいからどこか遠くへ。 そんな気持ちで辿り着いたのはエメラルドグリーンの海がある村だった。 スマホで調べると、ここは観光地としてはあまり知られていない穴場スポットらしい。

        • 短編小説「ロボット人間」

          目覚ましが鳴り、いつも通り6時半に目を覚ました。 まるでプログラミングされたロボットのようである。 布団から起き上がると、まずは歯磨きをし、洗顔をする。 そして、朝ごはん。 いつも決まってパンを食べる。 その後は、髪を結んでお化粧をし、仕事に行く支度をする。 いつもと同じ、55分発の電車に乗って、仕事へと向かう。 朝から夕方まで仕事に追われ、時間があっという間に過ぎる。 ルーティン化された予定調和な日々。 しかし、自分の性格上、決まった時間にきっちり行動しない

        「短編小説」君が焼いた魚はいつも焦げていた

          短編小説「お笑いジャッジマン」

          僕は売れないお笑い芸人である。 とあるお笑い劇場を中心に活動をしている。 その劇場は若手メインでまだ売れてない芸人が集う。 今日もいつも通り、自分のネタを披露するため、舞台袖へと向かう。 芸人が舞台に立ってる時、舞台袖には順番待ちをする芸人やスタッフなどがいるが、その日は普段見かけない男がいた。 白のタキシード姿で、その手にはマルとバツが書かれたクイズプレートを持っている。その人の芸風なのだろうか。 不思議に思いつつも、新人なのだと理解し、いつも通り舞台でネタをし

          短編小説「お笑いジャッジマン」

          短編小説「プレミアの罠」

          初代iPhoneが2600万円で落札されたというニュースを見た。 発売後2ヶ月で販売中止になったため、プレミアがついたという。 投資目的で保有するのも悪くないな。 現在売られているもので、後に価値が付くものはないかとネットで調べてみる。 ネットで調べてみるとプレミア商品をなんでも買い取るという珍しいショップがあるみたいだ。気になったので早速行ってみることにした。 店名は「パラコッタ」。オフィスビルが立ち並ぶ街の一角にあるみたいだ。 パラコッタはオフィスビルに属して

          短編小説「プレミアの罠」

          短編小説「魅惑の自販機」

          台風が近づき、風が吹き荒れるある夏のことである。 午前中の仕事が終わり、休憩に入る時間帯。 喉が渇いたので、自動販売機へコーヒーを買いにいくことにした。 いつも使っているビル一階の自販機は故障中だったため、外に出て路地を一筋入った場所にある自販機までコーヒーを買いに行くことにした。 その自販機は他の自販機と比べ、デザインが少し変わっている。眠たそうに目を擦っている猿、バナナを食べて上品に口を隠す猿、ヘッドフォンで音楽を聴いている猿など独特なイラストが描かれている。

          短編小説「魅惑の自販機」

          マジックアワーを見て感慨に耽る

          今日は祝日で暇だった。 朝から何もすることがなく、スマホばかり見ていた。 気がつけば昼。 昼ご飯は、インスタントラーメンと余っていた餃子の皮でピザを作った。 午後はNetflix、YouTubeをソファーでダラダラと見て、飽きた頃には寝てしまっていた。 気がつけば夜。 夜ご飯はソーメンと出来合いのたこ焼き、焼きそばを平らげた。 外を見るといつのまにか、日が落ちていた。 今日1日動いていないという罪悪感から、夜の散歩に出かけることにした。 19時を回っていたた

          マジックアワーを見て感慨に耽る

          『夏の風物詩』五感で感じるありふれた日常

          七月も上旬、気温が34°を超える日も多くなり、本格的に夏が始まろうとしている。 私は、四季の中では夏が一番好きである。 夏の開放感や雰囲気が好きである。 具体的に、どういうところが好きなのか。 五感で考えてみる。 夏祭り〜視覚で感じる夏〜 花火。 夜空に向かって打ち上げられる花火。 パッと明るく夜空に映える火花は息を呑むような美しさである。 大きく色鮮やかな花を咲かせたと思いきや儚く消える花火。 美しくも一瞬で消えていく花火。 儚さを感じながらも、心が浄

          『夏の風物詩』五感で感じるありふれた日常

          祇園花月の雰囲気が好きだというお話

          今日はとある芸人のライブに行くために祇園花月に向かった。 いつも祇園に行く時は京阪電車で向かう。 京阪8000系電車、愛称エレガント・サルーン。 普段乗る電車とは少し違う、高級感漂うあの電車。 初めて乗車した時は、特急券なしで乗っていいのか不安になった電車。 祇園方面に行く時は、この電車に乗るためか特別な気持ちになる。 7月上旬。京都も蒸し暑くなっているだろうと覚悟して向かったが、意外と風が吹いていて涼しく感じられた。 祇園の街を歩いていて最初に抱いた感想。

          祇園花月の雰囲気が好きだというお話

          「持論」『心配事の8割は起こらない』という言葉が暗に示すこと?

          『心配事の8割は起こらない?』私はすごく心配性である。 家の戸締りをしたか確認しないと寝られなかったり、仕事でミスをしたのではないかと不安になると過去の処理を全て遡って確認するなど、とにかく心配性である。 こういう性格の私にとって気を楽にしてくれる言葉がある。 『心配事の8割は起こらない。』 この言葉を聞くと、確かに杞憂に終わることが多いなと励まされる。 しかし、この理屈で考えると以下のことが言えるのではないか。 『頭に思い浮かべた夢の8割は実現しない』 『頭に

          「持論」『心配事の8割は起こらない』という言葉が暗に示すこと?

          待つ間が花

          今日は仕事が休みで暇な日だ。 まずは腹ごしらえをしようと某繁華街に出かけることにした。 早速、繁華街へ。 あたり一面に漂う匂いが食欲をそそる。 とりあえず色々見て回ることに。 この時間は食いしん坊にとって幸せな時間だ。 さて何を食べようか。 そういえば、小学生の頃に食べて美味しかったものがあったなと。 そいうわけで探して食べることに。 いざ実食。 うん。普通に美味しい。 でも記憶に残っている思い出の味を超えてこなかった。 実はこう感じることは最近よくあ

          待つ間が花

          通勤途中で感じたこと

          今日は朝から雨が降っていて、気分が晴れない天気だ。 湿度が高くジメジメしている。 それでも仕事があるためいつも通り自転車で駅へと向かう。 いつも使っている道は道路がガタガタで走りづらかったが、今日は抵抗なくスイスイ進む。 どうやら道は工事で平らにされたようで綺麗になっていた。 走り心地は良くなった。 ただ、綺麗にされた新しい道は、ガタガタで古くなっていた以前の道と比べると雨を弾いているように見えた。 なんだか新しい風潮、考え方に対する世間の拒絶反応みたいだと思った

          通勤途中で感じたこと