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『夏の風物詩』五感で感じるありふれた日常


七月も上旬、気温が34°を超える日も多くなり、本格的に夏が始まろうとしている。

私は、四季の中では夏が一番好きである。

夏の開放感や雰囲気が好きである。

具体的に、どういうところが好きなのか。

五感で考えてみる。

夏祭り〜視覚で感じる夏〜


花火。

夜空に向かって打ち上げられる花火。

パッと明るく夜空に映える火花は息を呑むような美しさである。

大きく色鮮やかな花を咲かせたと思いきや儚く消える花火。

美しくも一瞬で消えていく花火。

儚さを感じながらも、心が浄化されるのを感じる。

そして花火大会と切っては切り離せない存在である、屋台。

屋台では大人でもワクワクするようなものが出店されている。

りんご飴や綿菓子。チョコバナナやトルネードポテト。

夏の暑さには欠かせないかき氷。

クーラーボックスに入ったキンキンに冷えたドリンク。

射的やスーパーボールすくい、金魚すくいなど、童心に帰ることができるようなゲーム。

子供時代を思い出し、懐かしい気持ちになる。

周りを見渡せば浴衣を着ている人が多い。

下駄の音がカタカタと響いており、聞いてて心地よい。

屋台もほとんど見て周ったため、そろそろ家へ帰ろうか。

電車へ乗るため駅へと向かう。

名残惜しく後ろを振り返ってみると、夜の暗い空間の中で、屋台がある通りだけが灯りで照らされている。

異空間に行っていたのかと錯覚してしまうほどである。

セミが奏でるBGM 〜聴覚で感じる夏〜


朝、目覚めると鳴いている蝉。

寿命数週間のセミが必死に鳴いていることに勇気づけられる朝。

人によってはうるさく感じるかもしれないが、蝉の鳴き声は夏の雰囲気を感じさせてくれる。

そして、夕方ごろには、ヒグラシが鳴き始める。

オレンジに染まる夕焼けを見ながらヒグラシの鳴き声を聞くと、なぜか儚い気持ちになる。

外の空気を感じたいと思い、窓を開ける。

すると生暖かい風が入ってくる。

風鈴がチリンチリンと涼しげな音を立てるが、涼しくなるのはどうやら気持ちだけらしい。

汗がじわりと皮膚にまとわりつく。

再び、窓を閉め、クーラーの風邪を浴びる。

五感を通して季節の移り変わりを感じる。

こういう時間を大切にしたいものだ。







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