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幻獣園

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このフロアでは想像上の生き物の生態などをご紹介しております。
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#怪物

【幻獣紹介】キョンシー

【幻獣紹介】キョンシー

【キョンシー】中国を代表する生ける屍

中国に伝わる甦った死体。キョンシーの愛称はあるが「僵戸(きょうし)」というのが本来の名前である。
キョンシーには2説あり、死んでいるにも関わらず生きているように動き、生きている人間と変わらない。ただし、動くのは夜だけで昼は棺に隠れている。
もう一方は、血に飢えた人食いという説だ。後者に関しては性格も凶悪で、長い年月が経つと空も飛べるという。
映画で登場するキ

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【幻の生き物を紹介】キュクロプス

【幻の生き物を紹介】キュクロプス

【キュクロプス】 鎩治仕事の名人?それとも…?

ギリシャ神話に登場する巨人族。英語読みだとファンタジーを題材にしたゲームや物語でもおなじみの「サイクロプス」となる。巨大な額の中央にひとつの眼を持ち、大きな身体は筋肉が盛り上がっている。腰には布を巻いている。
伝承では鎩治仕事の名人で、ゼウスの武器「雷霆 (らいてい)」や海の神ポセイドンの「三叉の銛」を作ったという。シチリアのエトナ山の地下に仕事場

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【幻の生き物を紹介】キリム

【幻の生き物を紹介】キリム

【キリム】怪物の腹と目玉から大部族が誕生

ザイール共和国の山岳地帯に住む少数民族、ニャンガ族の間に伝わる怪物。
森に棲息し、7つの頭に7本の角、7つの目を持つ。
普段は森に入り込んだ人間や動物を捕らえて食糧としているが、獲物が見つからないと村々を襲い、人間を喰うという。
キリムの腹に収まった人間はなぜか消化されず、腹の中で生きているらしい。
かつてムウィンドという勇者がキリムを退治し、その腹を切

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【幻の生物を紹介】窮奇

【幻の生物を紹介】窮奇

【窮奇】ひねくれた性格の人喰い虎

古代中国の地理書『山海経』を始めとする、古い文献に現れる怪物。
中国の西方に棲んでいたとされる4つの邪悪な怪物のひとつで、ハリネズミの毛が生えた牛の姿をしており、犬が吠えるような声を上げていたという。
一方、「海内北経』では前脚の付け根に翼を持つ虎として紹介されている。
文献によって容姿は異なるが、人喰いの怪物であるという点は共通している。
「海内北経」では「人

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【幻の生物を紹介】キマイラ

【幻の生物を紹介】キマイラ

【キマイラ】複数の獣が合わさった姿の怪物

ギリシャ神話に登場する怪物で、キメラとも呼ばれる。
獅子の頭と雄山羊の胴、大蛇の尾を持ち、口から火災を吐く。
棲家であるリュキアの火山の頂周辺に獅子が、中腹に山羊が、ふもとに蛇が棲んでいたために、奇妙な姿をしているのだという。
巨人族最強との呼び声高いテュポーンと半人半蛇の美女エキドナの子として生まれたキマイラは、火災によって人間が住む土地を荒らしていた

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【幻の生物を紹介】ガーゴイル

【幻の生物を紹介】ガーゴイル

【ガーゴイル】悪霊を追い払う怪物の像

ヨーロッパの寺院の屋根、噴水の出口などに取りつけられた、怪物の姿をした像。
名前の由来は古いフランス語で「ガルグイユ(の意)」だとされる。
醜悪な姿によって悪霊を追い払うと言われるが、信仰心の薄い者は怪物に喰われる、という戒めを与える役目を果たしているとも。
かつては大量の水を吐き出して津波を起こすなど、数々の悪行で人々を苦しめていたが、大司教に退治されて火

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【幻の生物を紹介】エキドナ

【幻の生物を紹介】エキドナ


【エキドナ】神話に名を残す怪物たちの母

下半身が蛇、上半身が美しい女性の姿をした怪物で、「テュポーエウスの洞産」に棲んでいたとされる。
古代ギリシャの叙事詩『神統記』ではペガサスの兄弟であるクリュサオルの子として、『ギリシャ神話』では奈落そのものの存在タルタロスと、大地の母神ガイアの間に生まれた子とされており、その出自ははっきりしていない。
美しい上半身に誘惑された旅人や、家畜を引きずり込んで

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【幻の生物を紹介】ウンゴリアント

【幻の生物を紹介】ウンゴリアント

【ウンゴリアント】賞欲なクモの怪物が辿った末路

映画の原作となったイギリスの人気小説『指輪物語』に登場するクモの怪物。
太陽も月もない暗黒の世界で生きていたため、光を渇望し、ついには周囲の光を喰い尽くしてしまった。
さらには闇の国を支配していたモルゴスと共に神の国を襲撃し、光る二本の木の樹液を吸い尽くして枯死させる。
その後、モルゴスが所持していた宝をすべて喰らった怪物は、モルゴスを殺そうとする

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【幻の生物を紹介】海坊主

【幻の生物を紹介】海坊主

【海坊主】世界中に伝承を残す禿頭の巨人

世界各国の海に棲むと言われ、日本では妖怪に分類される。
大半は禿頭の巨人という姿で伝えられており、数メートルから数10メートルの巨躯を持つという。
日本の伝承に見られる海坊主は、船を転覆させたり、目撃した漁師たちに不漁を招いたりと、災いをもたらすものというイメージが強い。
美女に化けて男を溺死させる、座頭に化けて女を殺す.....といった話も存在する。

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【幻の生物を紹介】ヴクス・カキシュ

【幻の生物を紹介】ヴクス・カキシュ

【ヴクス・カキシュ】人間の支配を目論んだ巨人

マヤ神話に現れる巨人で、エメラルドの輝く歯と金銀の身体を持つ。
山々の向こうに横たわる地平線を眺めるほどの巨体であるが、ナンセの木になるサクランボの実を食べて生きていると言われる。
巨人ではなく、怪鳥の姿で描かれることもある。
神々が人間を創造しようとした時、支配者になろうと目論んだが、フンアフプー、イシュバランケの二人の神が仕組んだ罠により計画は頓

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【幻の生物を紹介】アヤカシ

【幻の生物を紹介】アヤカシ

【アヤカシ】船乗りを驚かせた巨躯の海蛇

妖怪を多く描いた江戸中期の絵師・鳥山石燕が、『今昔百鬼抬遺』にて紹介している巨大な海蛇。
「あやかし」の名がつけられているが、その特徴から、茨城県沖に出現した妖怪イクチのことだと思われる。
この海蛇は数キロメートルにも及ぶ長い身体を有しており、船に遭遇すると、上をまたいで通り過ぎることもあった。
だが通過するまでには数時間から数日もかかるうえ、蛇の全身から

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【幻の生物を紹介】アーヴァンク

【幻の生物を紹介】アーヴァンク

【アーヴァンク】湖底に棲む怪物の意外な弱点

イギリスはウェールズの伝承に現れる、湖底に棲む怪物。
名前の由来はアル・アーヴァンク湖であり、この湖に発生する渦の正体は怪物アーヴァンクであるとされた。
怪物は鋭い爪と牙を持っており、近くを通りがかった者を水中に引きずり込んで貪り喰らうという。
だが、美しい乙女には弱く、かどわかした乙女の膝枕で眠っているところを、村人と牡牛によって捕らえられたという逸

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