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どうしてぼくは本をやめないのか。
どうしてぼくは、本(書籍)をやめないのか。
出版不況だとかなんとか言われているけれど、その半分は雑誌不況だ。そして雑誌不況の半分は、広告主の不況だ。雑誌不況の残り半分は、ライフスタイルの変化だ。かつて「情報」は雑誌から拾い集めるものであったけれど、いまや「情報」はネットから拾い集めたほうが便利でおもしろい。だからこれから残る雑誌は、「情報でないなにか」を売る雑誌だけになる。一時期市場を席巻した宝
レビュー:山崎ナオコーラ「かわいい夫」(夏葉社)流氷をつなぎ止める言葉たち
山崎ナオコーラさんのエッセイが好きだ。
自分の意見をできるだけ読者に押し付けないようにしよう、できるだけ浮ついた言葉を選ばないようにしよう、という、山崎さん自身の配慮が本のすみずみにまで行き渡っていて、飛行機のビジネスクラスに乗っているような安心感がある。
それでいて、「できるだけ、自分の感覚に忠実で居よう」という作家らしい野性味も感じられる。
彼女の小説も凄く好きだが、エッセイと天秤にかけ
noteでもっとも読まれた記事は?【2015年ランキングベスト10】
2015年、noteに漫画、エッセイ、小説、イラスト、自作音源など、たくさんの作品を投稿いただきありがとうございました!
2015年にはどんなnoteが読まれたのかを集計。ベスト10を発表いたします!
1位 宮﨑駿に人生を壊された女 宮沢楽
2位 私、女性誌のキラキラ感を笑う気になれません、という話 Tamaka Ogawa
3位 漫画「フェイスブックポリス」 かっぴー
4位 半年以上嫌が
あそこのお店の看板メニュー
むかし、サイゼリアの正垣泰彦会長に取材させていただいたことがあります。
きっと、世間的なサイゼリアのイメージは、「激安イタリアンのファミリーレストラン」なのでしょうし、それはひとつも間違っていません。ミラノドリア299円、ペペロンチーノ299円、マルゲリータ399円、そしてグラスワイン100円。メニューを開くと、冗談みたいな価格が並んでいます。
では、サイゼリアにとっての看板メニューとはなんな
勝ち方よりも負け方を
野球やサッカーを観てると、よく「勝利にまさる薬なし」みたいな話を聞きます。チーム内にいろいろ問題があったとしても、勝てば雰囲気がよくなるし、それだけで解決していくんだ、勝てばどうにかなるし、勝たなきゃどうにもなんねえんだ、みたいな話。これって、半分は当たってるけど、半分はうそなんじゃないかと思うんです。
シーズンの中盤から終盤、大きく負け越して低迷してるチームって、見るからにチームがバラバラにな
「自分の気持ち至上主義」の国
部屋の蛍光灯がつかなくなっていたのだが、人に頼んでも「わかった! やるよ!」と良い返事が来るばかりで、全く実行してくれないので、そのへんの工事現場にある梯子を借りて(部屋の天井がすごく高いのだ)、さっさと自分で交換した。ミャンマーでは、お願いしても実際に物事が動くまで時間がかかるので、たいていのことは、このように自分でやってしまったほうが早く済む。
昨日の記事に書いた、ベルギーでデザイナーをやっ
マナーは最後にやってくる
「C国の観光客は、マナーがよろしくない」
人やメディアを通じて、よく耳にする話だ。たしかに日本国内でも、海外の観光地でも、マナーのよろしくないC国の方々、ちらほら目にする。まいったなあ、と思うことはある。でも、それを笑っていられないと思えるのは、中学生のころに読んだ筒井康隆さんの『農協月へ行く』のおかげなのかもしれない。
ぼくが子どものころ、道には犬のふんがたくさん落ちていた。それを踏むことは