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Hint(まどろみ文庫)

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#伊坂幸太郎

【随想】小説『グラスホッパー』伊坂幸太郎

【随想】小説『グラスホッパー』伊坂幸太郎

ちょっと次何読んでいいか迷い始めてしまったので、
途中まで読んでいた伊坂作品でお茶を濁すことにする。

『グラスホッパー』

2004年の作品だ。

杉江松恋の解説を読むと、
この小説は「伊坂幸太郎が初めて書いたハードボイルド小説」であるらしい。

ハードボイルドってなんだろう。

なるほど。
でも読んだ感じ、ハードボイルドというより、
ブラッドシンプルやノーカントリーを見た感じに近い印象を持った

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【随想】小説『死神の精度』伊坂幸太郎

【随想】小説『死神の精度』伊坂幸太郎

死神の精度を今更ながらに読んだ。
随分昔に中途挫折して、うっちゃってしまっていた。
どうも短編小説というのは、最後まで読み切るのが難しい。
最初の方を読んだら、それで満足してしまうのだ。
今回も読み切るのに、結構な時間がかかった。
ちびちびと飲む晩酌のように読み進めた。
して、どうだったかというと、思ったよりも楽しめた。
昔読んだ時は、「死神」というファンタジー要素(ストーリーがご都合主義になって

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【随想】小説『チルドレン』伊坂幸太郎

【随想】小説『チルドレン』伊坂幸太郎

チルドレンを読みました。
短編が5つ入っています。

①バンク
②チルドレン
③レトリーバー
④チルドレンⅡ
⑤イン

どのお話も小気味好くまとまっていて、面白かったです。

バンクは、サスペンス
チルドレンは、ミステリー
レトリーバーは、日常不思議系
チルドレンⅡは、ハートフル系
インは、日常まったり系

といった感じでしょうか。

一番ぐっときたのは、④かな。
どの物語にも登場するトリックスタ

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【随想】小説『あるキング』伊坂幸太郎

【随想】小説『あるキング』伊坂幸太郎

こういう物語もあるのか。
今までに読んだことのない読み口の、不思議な小説である。
物語のカタルシスも、キャラクターの成長や葛藤もない。
あるのは、ただ1人の天才バッター山田王求の、0歳から23歳までのヒストリーである。

Fair is foul, and foul is fair.
―――『マクベス』ウィリアム・シェイクスピア

この小説のテーマが、繰り返し繰り返し描かれる。
天才バッターの生涯

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【随想】小説『ゴールデンスランバー』伊坂 幸太郎

【随想】小説『ゴールデンスランバー』伊坂 幸太郎

ゴールデンスランバー読みました。
伊坂幸太郎は色々途中まで読んでうっちゃってしまっているものが多く、これはどうであったか。
読み返しても、中身を思い出せないから、きっと読んでいなかったのだろう。
本屋大賞と、山本周五郎賞を受賞しているらしい。
2007年の作品。16年も前か。

タイトルは、ビートルズの同名曲から。
邦訳で「黄金のまどろみ」
元ネタは、トマス・デッカーの子守唄である。

次の歌詞が

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