真っ赤な球体と金色の球体
真っ赤な球体が
地平線を染め上げていく
励ましてくれているのか
元気づけてくれているのか
彼はいつも僕の頭の上で
さんさんと笑っていてくれるから
ついついこちらも
楽しい気持ちになってしまう
放物線を描き夜に沈むと
かわりに金色な球体が
ぐんぐんと夜空を昇っていく
浮かぶお月様
慰めてくれるつもりなのか
悲しみを分かち合ってくれるつもりなのか
彼女はいつも夜空の向こうから手を差し伸べて
寄り添ってくれるから甘えたくなってしまう
縋り付いてしまう
当たり前の様で当たり前ではない日常
非日常的で夢の様なひとときだが
今だけは浸っても罰は当たらないはずだ
縋って祈って願って叶って欲しいのは
いつも勝手な事ばかりだけど
彼らだけはいつも
僕の心に耳を傾けてくれる
夜も昼も僕は我儘なんだ
誰かに聞いてもらいたい心の有り様を
誰にも聞いてもらえない悲しみを
彼らだけは黙って聞いてくれる
正直にあるがままが告げられるんだ
優しい形をした彼らの光が
慈愛に満ちた温かさとなって
疲れて寂しい心をそっと包み込んでくれる
だから僕は甘えたくなってしまう
甘えても良いんだと思えてしまう
かけがえのない球体
真っ赤な球体と金色の球体
優しい光が僕には眩しすぎて
ねてもさめても
夢の中にでもいるような気持ちだ
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